MAISON et VOYAGE A Play on Classic
クラシックを遊ぶ ジャケットスタイルの精神性

日本のモダンスタイルを代表するセレクトショップ、トゥモローランドが新たに打ち出したブランド、メゾン エ ヴォヤージュ。オフィスや住宅、商業など様々な機能を持ち合わせた複合施設として誕生した麻布台ヒルズ内に1号店目がオープンした。ビジネスマンや海外からの居住者、家族連れなど多様な生活リズムを持つ人が利用する麻布台ヒルズの中で、この店舗は“男の趣味部屋”とも言えるような、居心地の良さを感じさせる穏やかな空気が流れていた。



モダンなジャケットスタイルの追求
「シャツ1枚からこのブランドはスタートしました。トゥモローランドでも様々なシャツやジャケットは取り扱っていますが、それとは違う提案をしたかったんです。今の時代感にあったドレススタイルとは何か、それをどうやって落とし込むのか、どうやって提案していくのかを模索してこの形に辿り着きました。今日、ジャケットを着る機会が少なくなっていることは私たちも感じています。だからこそ、着るのであれば、より良いジャケットやシャツに袖を通したい。その想いに共感してくれる方が今もお店を訪れてくれているのだと思っています」とメゾン エ ヴォヤージュのスタッフはいう。
着る機会が少なくなっているジャケットやシャツこそ、より良いものを身につける。超消費社会であるこの時代に愛着を持って、長い時間をともにできるこだわり抜かれたジャケットやシャツが店内には並んでいる。


遊び心のある紳士の嗜みと旅
ジャケットやシャツとともに並んでいるのが、世界中からセレクトされたシューズやアクセサリー類だ。シャルベのルームサンダルにジェイエムウエストンの革靴、ロレックスをはじめとしたヴィンテージウォッチなど最上級の品々が揃っており、メゾン エ ヴォヤージュの理想とする男性像は店頭に並ぶラインナップからも伝わってくる。
「スタイルに“遊び心”があること、これはとても大切にしています。例えば、定番のクラシックなジャケットにスポーツウォッチを合わせたり、靴下やネクタイなど小物の色味で遊び心をプラスするのがメゾン エ ヴォヤージュ流のジャケットスタイルです。ですから、ドレスウォッチを中心にセレクトしながらも、どこかユニークな個体も織り交ぜる。クラシックでありながら自由。イタリアの艶やかさと英国の堅実さの中間に位置するフレンチ的な遊び心が根底には流れているのです。それは、私たちが作る洋服にも同じことが言えます。フォックスブラザーズやベルベストなど世界中で愛され続けているブランドとの別注アイテムを作った時も、上質な素材を使いつつもブランドのタグをあえて見えないところにつけて、自分だけの洒落を楽しんでもらう。この店舗では、ジャケットやシャツのカスタムオーダーも受け付けていますし、ボタンやワッペンなどを付けて世界に1着だけのアイテムにも出会えます。そんな遊び心が提案するスタイルにもこの店舗にも反映されていると思います」。
そう語る言葉通り、その哲学は店内の空間づくりにも表れている。様々な什器が並ぶ店内。フランスの銀行で使われていたテーブルや元々は歯医者で使用するために作られたデンタルライトなど、世界中から集めたヴィンテージ家具が空間に奥行きを与えており、まさに世界中を旅する男性の趣味が反映された一室のようだった。

追いかけ続ける
1人の男性像
「このお店に並ぶアイテムのセレクトは、1人の男性を想像しているんです。その男性は休日もあるし、仕事の日もある。休日にリゾート地へ行く時や、もっとカジュアルにアクティブなことをする時、どんなものを身につけて、どんな1日を過ごしているのか。そんな一瞬にふさわしいアイテムとは何なのか。そんなことを考えて世界中から買い付けをして、お客様にも提案しています。基本的にはクラシック。ですが、モダンな色合わせや小物の色味でどこか遊び心のある、そんなスタイルを追いかけ続けています。その中でもジャケットは、メゾン エ ヴォヤージュを代表するアイテムです。着る機会が減っているからこそ、あえてカチッと着る日もあれば、遊び心を持って自由に着こなす日もある。ジャケットは、私たちの遊びを成立させるクラシックの土台を体現してくれるアイテムなんです」。
人生をひとつの旅と仮定して、その道中で出会う景色や文化、その全てがその人のスタイルを形成してくれる。メゾン エ ヴォヤージュが掲げる“旅”とは、スタイリングを通して成熟していく過程そのものだ。ジャケットという軸があるからこそ、色や小物で自由に遊ぶことができる。時代の流れに身を委ねながらも決してブレない、そんな精神性を体現していくのが、メゾン エ ヴォヤージュのジャケットスタイルなのである。




MAISON et VOYAGE
東京都港区麻布台1-3-1 ヒルズ森JPタワー 2階
| Photo Naoto Usami | Interview & Text Jo Kasahara |












