The Weight of Time Junji Yoshida (UNITED ARROWS LTD. PR MANAGER)
スタイルを持つ人に聞く 人生をともにしてきたレザー

Double Rider’s Leather Jacket
吉田淳志
10年以上愛用しているというクロムハーツのダブルライダース。洋服のプロとして長年活躍してきた吉田淳志がレザージャケットに求めるものは「袖を通した瞬間に背筋が伸びるような感覚」だと話す。「レザーに初めて触れたのは高校生の頃でした。渋カジブームで、周りがライダースをファッションとして着ていたのが始まりでしたね。それからユナイテッドアローズで働くことなり、その流れでクロムハーツに出会いました。クロムハーツのレザーを間近で見て、着て、ウエアとしての重さを感じたんです。重量だけの話ではなくて存在感としての重さです。近年は軽くて便利な服が溢れていますが、僕はやっぱり『着てるな』と実感できるものが好きなんです。別にバイクに乗るわけでもないですし、生活に必要はないのかもしれない。でも、この重いレザーに袖を通すと背筋がピッと伸びるんです。気合を入れたい日に着る服ですね。少し不自由で、でも圧倒的な存在感がある。そこに惹かれるのは、洋服屋であり続けたいという僕の意思表示なのかもしれません」。

随所に癖が刻まれているライダースの表情。彼にとってレザーは完成された製品ではなく、まとう人とともに成長する生き物に近い。「レザーの魅力は着る人のライフスタイルがそのまま表情に出るところだと思うんです。例えば日本の湿度やLAの乾燥、その人の動きやメンテナンスの癖だったり、それらが積み重なって世界に一つだけの個体になっていく。デニムと同じで、自分の体の形に育っていくプロセスこそが醍醐味ですよね。特にクロムハーツはシルバーが黒ずんでくるのもいい。正直、着ていると肩は凝りますし、身長が縮む気がするほど重いですが、その不自由さも含めて愛おしい。変化をポジティブに捉えていずれはその人の色になる。そんな自分なりのタイムレスなものになっていく過程が最大の魅力だと思います」。
軽い機能素材の方が需要はあるが、あえて癖のあるものを選ぶという贅沢。吉田淳志の生き様を日を重ねるごとにその銀面へと吸い込み、このライダースもまた、圧倒的な存在感を湛えたまま次の10年という時を静かに刻み始めている。

吉田淳志
株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 広報PR総括部 部長。1999年の入社以来、長年プレスとして同社の顔を務める。服への深い愛着を体現する着こなしは業界内でも一目を置かれており、洋服屋としての熱量を持ち続けている。
| Photo Masato Kawamura | Interview & Text Samuel Pattison | Edit Yutaro Okamoto Samuel Pattison |












