Team New Classic

New Classicを体現する クリエイティブなチーム WACKO MARIA

シャツやジャケット、コートなどメンズファッションにおけるクラシックなプロダクトをベースに展開しながらも、グラフィックやイラストなどによって、唯一無二の世界観を作りあげていくワコマリアのスタイル。ひと目見れば目に焼きつくその強烈なスタイルには、デザイナーの森敦彦をはじめとしたワコマリアチームそれぞれの個性が協調し合い反映されている。今回はチームを代表して今村怜央、高橋翔、村田裕平の3名に、チームとしてのワコマリアのクリエイションについて話を聞いた。東京という場所から、強烈な個性を放つNew Classicなプロダクトを生み出し続けるクリエイティブなチーム、ワコマリアのクリエイションの形に迫る。

クルーそれぞれの「天国感」をプロダクトに落とし込む

高橋の所有するシボレーモンテカルロ。当時でしか実現することのできない美しいデザインや部品、乗ることでしか分からない不便さを経験しながら愛着を持って乗っている。

クルーが集めているムービーTシャツの一部。実際にグラフィックの落とし込み方はここからヒントを得ることもあるそう。

今村がkiller tunes brodcastとして森のそばで音楽に携わる中で、ガレージの良さを再認識したことが7インチを集め出したきっかけという。それぞれのシングル盤には時間をかけて集めてきた経験と想いが詰まっている。

オフィスにはクルーが持ち寄った幅広いジャンルの写真集が置かれている。レコードと並び、多大なコレクション量を誇る。
チームのムードが
ワコマリアの世界観を形作る

東京を代表するブランドとして、世界中の人々を魅了するワコマリア。その理由として挙げられるのは、映画や音楽・アートなどのキャッチーなネタを、男らしく色気があるクラシックなプロダクトに落としこむ独自のスタイルを追求し続けているからではないだろうか。元々あるものに新たな命を吹きこみ、自分たちのスタイルに昇華させるという、まさにNew Classicな試みを続けるワコマリアのクリエイションは一体どのようにして生まれるのだろう。

そのひとつの答えとして、デザイナーの森を筆頭に構成されるクルーのメンバーのさまざまな個性が反映されているということが挙げられる。一貫した価値観のもとに集った面々が、興味あることを掘り下げ、その経験やモノが洋服にアウトプットされていく。そんな中でも最も大切な要素と言えるのが、彼らが「天国感」と呼ぶワコマリアのムードである。

「ワコマリアの世界観を表現する上で大切なキーワードが「天国感」です。例えばその天国感の中にはバスキアがいたり、カート・コバーンがいたり、リバー・フェニックスがいたり。過去や現在はおろか映画の役などの実在しない人物像に至るまで、クルー全員の理想が詰まったまさに天国としか言い表せないムードを大切にしています。そんな天国感をチームから吸い取って最終的に森が組み合わせて形にしていくんです(今村)」。

ブランドとしての天国感を高めていくためには、クルーそれぞれが独自の視点を持ち、多様性があることが重要であると言える。

「自分たちが掘るモノに関しては、特にセクションが分かれているわけではなく自由です。幼い頃から憧れているものから、新しく興味がでたものまでさまざまなものを突き詰めています。ブランド全体の糧になるモノなので、常にアンテナは張っています。どんなことも突き詰めればそれを生かせる土壌がワコマリアにはあるんです(高橋)」。

以前Silverのインタビューにて森敦彦は、チームの全員がスーパースターになってほしいと語っていた。クルー1人1人との繋がりを大切にしながら、コミュニケーションによって育まれる彼らのその時々のグルーヴ感がプロダクトから垣間見えるからこそ、ワコマリアは魅力的なのではないだろうか。

「インターネットやスマートフォン上ではなく、実際に経験できるモノ・コトを突き詰めて行くことが重要だと思っています。それが僕の場合は音楽であり、レコードでもある。クルーそれぞれに経験があるからこそ、それを生かして新しいクリエイションを生み出していけると思うので(今村)」。

「それこそが僕たちの強みです。チームである以上、森とは違う角度から何事も突き詰めていくことが大切。だからこそさまざまな視点がプロダクトに投影されていくのだと思っています(村田)」。

チーム全体で突き詰めた映画や音楽、アートなどのムードは、コラボレーションという形でプロダクトに落とし込まれることが多い。そんな中でワコマリアが他のブランドと一線を画すポイントとしては、やはりクルーの情熱が生んだコラボレーションであるということ。突き詰め、本当にリスペクトをしているからこそ、決して話題作りなどというチープなものではない、純粋に良いと思えるコラボレーションが生まれていく。そんな情熱のこもったワコマリアのアイテムに、時には共感をし、時にはまだ見ぬカルチャーを教わることができるのもブランドならではの魅力であると言えるだろう。

記憶にあるカッコいい映画のシーンに合うかどうか、普段聴いているカッコいい音楽にのれるかどうかなど、毎シーズンのコレクションのテーマを具体的に決めていないのもブランドの特徴のひとつだが、それはクルーそれぞれの今の「天国感」を反映させることに重きを置いているからに違いない。ブランドに関わるチーム全員が関わり合い、体験してきた音楽や映画、アートなどをプロダクトに落とし込む。そんなワコマリアならではのNew Classic的な発想から、これからも数多くのプロダクトが生み出されていくだろう。彼らが「天国感」を追い求め続けるかぎり。

© Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York.
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© Chet Baker Estate LLC 2021
Photograph by William Claxton / Courtesy Demont Photo Management.
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© Chet Baker Estate LLC 2021
Courtesy of Blue Note Records under license from Universal Music Enterprises Photograph by William Claxton / Courtesy Demont Photo Management.
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©®1974 VORTEX INC. KIM HENKEL / TOBE HOOPER ALL RIGHTS RESERVED
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©2022 Cheech & Chong,LLC Under license to Easy Partners, LLC All Rights Reserved.
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ジャン=ミシェル・バスキアからチェット・ベイカー、映画『悪魔のいけにえ』など、今季も天国感満載のコラボレーションが揃っている。開襟シャツやクルーネックスウェットなどのクラシックなアイテムにグラフィックの落とし込みでブランドのスタイルを表現しているのはやはりさすがだ。

◯Wacko Maria
https://wackomaria.co.jp/

Photo Makoto Nakamori Edit Shohei Kawamura

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