New Footwear
進化し続けるテックシューズのストーリー
テクノロジーの進化と共に日々新たな一足が生み出されるシューズ業界。人間の“歩く”という最もプリミティブな動作をサポートするツールだからこそ、新たに開発される機能性は歩くことをさらに快適に、そして自由にしてくれる。クラシックなレザーシューズは永遠の定番だが、新しいテックシューズを履いて未知の歩行体験を楽しもう。
様々なカルチャーシーンから時を超えて愛される名作シューズ、ナイキエアフォース1。最もベーシックなオールホワイトをキャンバスとして数えきれないほどのカスタムが行われてきた。中でも未来的な一足として目を引いたのが、アンダーカバーが手がけた本作。ナイキのアウトドアラインであるナイキACGのエアリバデルチに採用されているインナーソックスのエアハラチを装着し、オーセンティックとハイテクが融合した新たな靴のスタイルと履き心地が生み出されている。
東京の浅草で職人が丹精込めて靴作りを行うエンダースキーマ。上質なレザーを丁寧に使い、クラシックな靴にモダンな遊び心を加えたような作風が幅広く評価されている。赤い何かが目を引くこの一足は、クラシカルなシューズをベースに、タンをパデッドにすることで意匠とするほか、クッション性を高めるアイディアが詰まっている。ソールにはヴィブラムを使用しており、革靴の実用性も一気に高まっている。革靴の世界はある種完成されているからこそ、常識に縛られずいかに崩していけるかが未来に繋がる革靴のテーマだろう。
空洞が目を引くソールを搭載したスポーツブランドのオン。“クラウドテック”と呼ばれるこのソールは、クッション性が最も必要とされる着地の瞬間にのみ形が潰れ、その跳ね返りの力で次の一歩を自然に蹴り出すサポートをする特許技術だ。中でもこのクラウドモンスターはオン史上最大のクラウドテックを備え、まるで雲の上を歩くかのようなソフトな履き心地とバネさながらの反発力を体感することができる。「歩く」「走る」という行為を極上に変えてくれる文字通りのモンスターシューズだ。
構築的なデザインと機能性をミニマルに表現するデザイナーのキコ・コスタディノフ。アシックスとはパートナーシップを結び、2018年から同社の技術を再解釈したシューズを生み出してきた。最新作となる本作は、トレイルシューズのソールとクロスカントリーシューズのアッパーを組み合わせ、街中からトレッキングまで様々な環境に対応できる高い機能性を実現している。本格的なアウトドアシューズの機能を持ったこの靴を、街中でも成立させるキコのデザイン性やカラーリングは流石だ。待望の本作は11月発売予定となっている。
圧倒的な軽さとクッション性の高い履き心地から愛用者の多いホカ。険しい山道を走り抜けるトレイルランニングシューズとして開発された本作のクッション性は随一で、つま先とかかと部分を滑らかに削ぎ落とすメタロッカーテクノロジーが足運びを軽快にさせている。5mmもあるヴィブラムメガグリップはグリップ性を高め、深く刻まれた溝が岩場でも安定性を与えてくれる。多くの人に愛されているのは、過酷な状況での走りやすさ向上を目指した確かな技術が込められているからこそだ。
日本のスポーツウエア業界を長年支えてきたデサント。その膨大な経験や技術を活かして生まれたアパレルラインにオルテラインがあるが、老舗シューズメーカーのリーガルと共に開発したこのシューズ。スキーウエアなどで用いられる熱圧着加工技術で縫製箇所を極力少なくして快適性を向上し、スポーツウエアブランドならではのアイディアが応用されている。靴紐は一般的な通し方と、アッパーの下に通して隠す2パターンがあり、シーンに応じて使い分けることもできる汎用性の高い一足だ。
アディダスが持つアスリートの膨大なデータを解析し、着地の衝撃を前進する力に変換する格子状のミッドソールを持つ4DFWD2。それを可能としたのは、同社とパートナーシップを結ぶカーボン社が持つ3Dプリンティングテクノロジー「4D」。500万パターンにも及ぶ格子構造を比較検証し、蝶ネクタイの形をしたフォワードセルという格子が選ばれている。テクノロジーとデータが導き出した人間に快適なソールを一度試してみてはどうだろう。
Photo Riku Ikeya Styling Ryota Yamada | Model Ajare Natanael Seigo | Edit Yutaro Okamoto |