UNDERCOVER Belt

ベルトに書かれた歌詞が象徴する 高橋盾のセルフオマージュ

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

Belt ¥37400 by UNDERCOVER

25AWウィメンズコレクションでは、高橋盾が35年の歴史の中で最もお気に入りだと語る2004年AWコレクションにオマージュを込めたショーを開催したアンダーカバー。2004年AWではぬいぐるみ作家、アン・ヴァレリー・デュポンに着想を得た手作り感溢れる洋服が特徴的だったが、「but beautiful 4 …」と名付けられた25AWではそれをモダンにアップデート。当時の手作り感ある曲線美はそのままに現代的な日常着へと進化させている。もうひとつ注目したのがコレクションテーマに用いられた「but beautiful」という名前。これは高橋が敬愛するニーナ・シモンの曲名から由来しているのだが、今回紹介しているベルトにはその歌詞が記載されている。「Love is funny or it’s sad …」と恋愛における二面性を謳った歌詞が象徴的なのだが、個人的にはショーの終盤に登場する二人の少女が黒・白の二対のワンピースをまとっていることで歌詞の二面性を表現していると感じた。人物や歌詞など様々な角度から洋服を追求する高橋の探究心には、デビューから35年経った今も目が離せない。

Photo    Taijun HiramotoText & Edit    Katsuya Kondo

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