COMME des GARÇONS parfums Perfume

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

本号では魅力溢れる男性が多数登場してくれたが、そんな一冊を通して一人の香りを思い出した。まだファッションに漠然とした興味が出始めた10代の頃。当時よく遊んでいた一人の先輩がいた。何も知らない自分にとって彼の服装や言動、全てがカッコよく見えていたのだが、彼が着けていたのが、この「ブラックペッパー」という香水だった。ストレートな黒胡椒の香りが衝撃的だったのはもちろんのこと、その後の少し甘くウッディなミドルノートとの組み合わせ、そして自立することのない独特なボトルデザイン含め香水がファッションアイテムであること、そして香りというのは男のスタイルを表すものだと教えてくれた。歳を重ね様々な香水を試したが、久しぶりに嗅いだこの香りは当時と同じく男のかっこよさを感じさせてくれたと同時に、まだ自分が着けるには早すぎる気がした。それはあの時感じた理想の男性像にまだ自分が追いつけていないからかもしれない。もう少し経験と歳を重ねたら改めて着けてみようと思う。憧れの男性像に自分は近づけているのか、その答え合わせとして。