Season Inspiration. 5

ホンモノの素材を永く使う 本当のサステナビリティ

皮革工房として誕生し、熟練した職人の手によって高品質なレザーアイテムを作り続けるロエベは、レザーというカテゴリーを語る上では欠かせない存在。丁寧に鞣されたミディアムウェイトの起毛スエードレザーによってモダンで上品な表情を纏った。パズルジャケットと名付けられた本アイテムは、1枚革ではなくあえてつなぎめを作ることによってデザインに落とし込む。レザーというシンプルな素材でも上質な革や細部へのこだわりによって圧倒的な存在感を放っている。

Jacket ¥921800 [Reference Price] Knit Top ¥203500 Pants ¥127600 by LOEWE (LOEWE JAPAN CLIENT SERVICE)

2023年秋冬シーズンでは、多くのメゾンやブランドからリアルレザーを使用したアイテムが発表されていた。職人たちの手によって丁寧に鞣されたスエードやスムースレザーは、今季多くみられたロングコートやチュニックをはじめ、時代感やムードを伴い洋服に落とし込まれている。人は古くから衣類はもちろんバッグや生活に関わるものに至るまで、動物から得られる「皮」の加工技術を発展させ『革』を生み出し、さまざまな場面に活用してきた歴史がある。レザーは加工がしやすく、しっかりとした手入れによっては何年も使用できるという特性上、消費的な化繊素材などとは一線を画した、ある種究極にサステナブルな素材なのではないだろうか。ファッションの世界においてごく最近まで世の中を席巻していた、SDGsに端を発した動物性由来の素材使用を自粛するムーブメント。替わる素材としてヴィーガンレザーなどの動物由来ではない素材が用いられることが多いが、製作段階での温室効果ガスによる環境へ懸念や、原材料にプラスチックを使用しているものもあるので、その必要性が疑問視されることも多くあった。そんな流れを経て今季またレザーアイテムが増えてきていることを考えると、フェイクではないホンモノの素材を人々が求めているのではないだろうか。年2回更新されていくとされているファッションの大きな流れの中でも、本当に良いものは風化しないし、素材がレザーであれば尚更、この先何十年と着続けていくことができる。良いものを長く着ることが本当のサステナブルであることは間違いなく、そうしたホンモノを感じることができるモノにこそ、いつの時代も心が動かされるということは、これまでの人類の歴史が証明している。

Middle L to R
PRADA
BALENCIAGA
Bottom Left to Right
MIUMIU
LOEWE
Photo Genki Nishikawa
Styling Hayato Takada
Hair Hayate Maeda
Make-Up Tamayo Yamamoto
Model Rafael
Edit Shohei Kawamura Ruri Nakamura

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