Season Inspiration. 2

カルチャーや情緒をのせた 意味のある柄ものたち

身につけることで気分を高めてくれる華やかな柄もの。柄が生み出されるまでには、カルチャーに基づいたストーリーや歴史があったり、何らかの意味が存在していて、そこに情緒を感じる。テクノロジーや機能性があって便利なものよりも、柄のもつ情緒性を大切にしたい。ここではそんな背景に確かなカルチャーや情緒を感じる柄のアイテムを厳選して紹介する。

Nature Motif

19世紀初頭のドイツの博物学者、アレクサンダー・フォン・フンボルトの作品から、新たな植物へのインスピレーションを見出した今期のドリス ヴァン ノッテン。地球の自然環境を調査する探検を続けたフンボルトの体験や研究を、90年代のレイヴカルチャーに紐付けコレクションに落とし込んでいる。ジャケットやパンツにもあしらわれる、鮮やかかつサイケデリックにプリントされた花や植物のモチーフから、そのコンセプトを紐解くことができる。
Coat ¥294800 Shirt ¥89100 Turtleneck Top ¥85800 Pants ¥143000 Shoes ¥126500 by DRIES VAN NOTEN
自然の情景を落とし込む
原始的なインスピレーション
TAAKK
Abstract Jacquard Tailored Jacket

Jacket ¥107800 by TAAKK
ジャガード織で表現する自然と時の移り変わり

探究心と確かな技術によってファブリックの新たなる可能性を見出すTAAKK(ターク)。今回のコレクションでは、ジャガード織を用いて物事の過去から未来への経年変化を巧みに表現している。抽象絵画にインスピレーションを受けて制作したという本アイテムには、秋にかけて色づく山々などの自然の情景が思い起こさせられ、ジャガード織の繊細な描写によって時の移り変わりが表現されているかのよう。テイラードとミリタリーの要素をうまく昇華させたプロダクト自体の魅力も感じさせる1着。

BED j.w. FORD
Whole Pattern Pants

Pants ¥72600 by BED j.w. FORD (BIRTHLY)
着る人の日常を彩るダイナミックな色づかい

23FWシーズンの象徴的なコレクションピースとしても印象の強い本アイテム。植物をモチーフとしたアンティークの絵画に対して、独自に色の調整を施してアレンジした柄を採用した。5-6回の試作を踏まえてようやく決まったこだわりの色味は、鮮やかな原色をベースとして、まるで大地に咲き誇る花のように着る人の日常を文字通り彩ってくれるはずだ。履き口のディテールによって着方次第で印象を変えることも可能で、合わせの妙などファッションを楽しむという根本に立ち返らせるくれるアイテム。

Supreme
Leather Collar Utility Jacket

Jacket ¥42900 by Supreme
柄に意味を見出す伝統的な取り合わせ

レザーの襟が存在感を引き締めるワークジャケットは、毎シーズン素材やカラーリング違いで展開されブランドのアイコニックなプロダクトとして定着している。今季は見た目にもインパクトのある睡蓮と孔雀の尾羽をコラージュした柄を採用。モチーフとなった睡蓮と孔雀は、自然界でともに神聖なもの対象として描かれることが多く、古来から用いられてきたトラディショナルな取り合わせでもある。柄ひとつをとっても、そこに意味やカルチャーを反映するブランドの姿勢に奥深さを感じさせてくれる。

Ethnic Motift

英国の伝統に敬意を払い、そのカルチャーに音楽やいまのエッセンスを落とし込むものづくりをおこなうニコラス・デイリー。イギリス発祥の伝統的なアーガイルをリミックスして制作したオリジナルの柄は、背景に確かなカルチャーを感じさせてくれるとともに、ブランドのクリエイションを象徴している。
Cardigan ¥77000 Vest ¥59400 Wrap Skirt ¥115500 by NICHOLAS DALEY (ELIGHT INC.)
Shirt ¥60500 BED j.w. FORD (BIRTHLY)
T-Shirt [Stylist’s Own]
カルチャーを宿す
民族的なインスピレーション
Sasquatchfabrix.
VELVET LACE OC SHIRT

Shirt ¥39600 by Sasquatchfabrix.
遊び心のある服づくりと時代を読むブランド力

ブランドのライオンロゴを大胆な総柄に落とし込んだ本作。一つの音楽やスタイルが世の中に大きな影響を与えるように、一人一人の個性もまた世を彩る一助になるとブランドを通して投げかける。一見強く感じるこちらの柄も、同系色の糸で紡がれることで程良く馴染み、オリジナルのベルベットレース生地による抜け感も相まって心地良い仕上がりになっている。

YANTOR
Ninifuni Shirt

Shirt ¥143000 by YANTOR
実物に会いたいと想うクラフト力の結実

2023-24年のコレクションテーマである”二而不二 ninifuni”。「一つは二つ、二つは一つ」という両界曼荼羅などを表す際に使われる密教の言葉から着想を得た柄や色味は、見る角度や時間、シチュエーションによって様々な表情をみせ、いつまでも見続けていたくなる逸品。柄は曼荼羅模様をイメージとして手書きし、絶妙な境目をもつグラデーションの布はインドの職人による手織りならではの色合い。ぜひ一度、実物を手に取り、生地や柄、テーマに想いを馳せて頂きたい。

Mame Kurogouchi
Marble Print High Neck Jersey Top KHAKI

Shirt ¥40700 by Mame Kurogouchi (Mame Kurogouchi Onlinestore)
伝統的なプロダクトにみる現代での新しい視点と価値

古代から日本人の暮らしと密接な関わりを持ち続ける“竹籠”の造形と、編目が作り出す景色から着想を得て描かれた抽象的なグラフィックが、マーブルプリントによって印象的に表現されている。まるで見る人の想像に委ねられているような柄の曖昧さと、“竹籠”の編目から溢れる光と影の絶妙なコントラストの表現によって、受け継がれてきた確かな技術と、それらを生み出す職人、様々な想像を掻き立てる自然へのリスペクトが止まない。

BODE
KALEIDOSCOPE QUILT JACKET

Jacket ¥177100 by BODE (UNION TOKYO)
時代を超えて放たれる安心感と真新しさの真骨頂

1940年代のヴィンテージキルトから着想を得た、まるで万華鏡のような柄が印象的なジャケット。全て手作業でキルティングを施した生地から成り、伝統的なワークウエアのシルエットを模しているのが特徴。時代を超えて紡がれていくヴィンテージからの着想という絶対的な安心感と、手作りならではの温かみ、どこか懐かしくも感じる大胆な柄づかいが絶妙に混ざりあって、一度は身を包んでみたいと思う一着。

Photo Genki Nishikawa
Styling Hayato Takada
Hair Hayate Maeda
Make-Up Tamayo Yamamoto
Model Rafael
Edit Shohei Kawamura
Ruri Nakamura

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