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SOUKUU TRAILMONKS
山を走る僧侶のためのギア

ランニングの瞑想体験は
マインドをポジティブにしてくれる

ザ・ノース・フェイスとアンダーカバー。「アウトドアとモード」「機能とファッション」とも言い換えられるこの2つのブランドの対照性は、2023年10月末に発表されたコラボレーションによって融合することとなった。「SOUKUU(創空)」と名付けられたそのスペシャルラインは、ザ・ノース・フェイスが培ってきたアウトドアウエアの技術と歴史を高橋盾(アンダーカバーデザイナー)が再解釈したアイテムとして表現されている。このコラボレーションが実現した背景には、高橋自身の意識が自然体験に向かっているからにほかならない。90年代からモードやストリートを牽引してきたアンダーカバーは、デザイナーである高橋のその時々の興味やライフスタイルの変化に合わせてさまざまなクリエイションを見せてきた。その流れの大きなポイントの一つとして挙げられるのは、高橋がランニングを始めたことだろう。自身の健康のために17年以上前にランニングを始めた彼は、ランニングから得られる瞑想体験に魅了され、朝に走ることをルーティーンにするようになった。そしてフルマラソンに出場した経験もある。
ランニングから得られる影響力を高橋はこう話す。「ランニング中は悩みについて考えること自体が面倒になり答えも見つかりません。であれば悩み事に対してもランニング同様に考え込まず、問題に正面から対峙し、解決の糸口を探すために行動することが近道だという思考に切り替わっていきました。ランニングはマインドをポジティブにする活動であり、その精神状態は生活全般に大きなメリットを与えてくれています。音楽は私にとって大切なカルチャーですが、ランニング中は音楽を聴きません。走っているときの周りの環境音や自分の息遣いに耳を澄ませることが心地いいんです。だからランニングは自分に向き合う禅の精神にも繋がっていて、ザ・ノース・フェイスとのコラボレーションである“SOUKUU(創空)”に込めた意味もそこにあります。この世のものは全て生まれては無くなっていく実体がないものですが、その儚い一瞬の間でも意味のあるものを創り出そう、というコンセプトなのです(高橋)」。

ストイックな機能と
自然と街で映えるカラーリング

ランニングの瞑想体験によって精神を洗練させている高橋は、さらにその純度を高めるための環境を求め、山と海に囲まれた自然豊かな葉山方面にアトリエを構えた。「東京という大都会を拠点に長年生活していましたが、山や海に近い場所にあるアトリエで時間を過ごすようになったことで、生活や精神がさらに整えられるようになったと感じています。そんな現在のライフスタイルの影響から、SOUKUUでは山と街の両方で活用できるウエアをテーマに服作りをしています。
2回目となる今回はトレイルランニングのアイテムも追加しました。撥水や防水の機能はもちろん、ザ・ノース・フェイスならではの超軽量素材も多く使わせていただきました。アウトドアに特化した歴史あるブランドのザ・ノース・フェイスならではの技術や機能を尊重しつつ、アンダーカバーらしさを加えるためにデザインを少しツイストさせるなど、自然環境と街の両方に溶け込みながらも個性を放てるカラーリングを軸にしました。
ドリンクホルダー付きのランニングショートタイツは特にお気に入りです。私自身がランニングウエアに過度なデザイン性を求めないため、その上でどれだけアンダーカバーらしさを加えるかが問われる難しいなデザイン作業でした。そのためストイックな印象に仕上がっているかもしれませんが、私が考えるザ・ノース・フェイスとの協業デザインがSOUKUUという形なのです。(高橋)」。
ランニングやトレイルランニング、そして自然の中に身を置く時間から得られる瞑想体験のポジティブな影響を楽しんでいる高橋。それらのアクティビティに取り組む上で高橋自身が身につけたいと思うアイテムを生み出しているのがSOUKUUだ。その中でも唯一タイポグラフィがあしらわれたTシャツが高橋のマインドを象徴しているようで印象的だった。「SOUKUU TRAIL MONKS」と書かれたそれは、「山を走る僧侶」という意味だ。高橋がアウトドアアクティビティで獲得した新たな視座の心地良さがストレートに伝わり、外に出たい衝動に駆られてくる。