Interview with Palace Skateboards Skate Team
インディペンデントな生き方を 大人になっても続ける格好良さ
ロンドンをベースに、世界にその名を轟かせるスケートチーム、PALACE SKATEBOARDS (パレス スケートボード)。スケートボードをはじめとしたストリートのカルチャーは、いまやファッションの世界においてもなくてはならない重要なピースを担っているが、パレスは常にその最前線に立ち、日々新しいクリエイティブを生み出し続けている。ファウンダーのレヴ・タンジュが当時生活をしていたロンドンの小さな家で始めたスケートカンパニーは、今やメゾンブランドすらも巻き込む一大ファッションブランドへと変貌を遂げた。PALACEクルーとしては約4年ぶりとなった今回の来日。先日リリースされたEvisuとのコラボレーションを記念し日本に集まってきた彼らと、久しぶりに撮影を行った。来日したのは、PALACEの核を担うメンバー、ルシアン・クラーク、ローリー・ミラネス、ヘイター・ダ・シルバ、そしてチームのまとめ役ダニー・ブレイディ。彼らと久しぶりに過ごす時間を通して改めて感じたことがあった。それはクルーのメンバーが年齢を重ねてどれだけ大人になっても、何にも縛られずインディペンデントな存在であることや、人生そのものが遊び場であるかのようにどんな状況でも楽しむことであったり、ストリートの精神を大切に今もなお受け継いでいることだった。ユースの時に大切にしていたマインドでも、歳を重ねるたびにいつの間にか忘れてしまう感覚。パレスのメンバーは大人になった今でもその感覚を持ち続け、それぞれが自分のライフスタイルに落とし込んでいるから格好良い。だからこそチームとしてユーモアがあって、ウィットに富んだまだ見ぬクリエイティブを生み出し続けることができるのではないだろうか。それぞれに年齢を重ねた中で改めて訪れた日本。彼らはいま何を感じどんなことをいいと思うのか。またそれぞれのクルーに対しての想い、自身のスケート観への変化についても話を聞いた。
Lucien Clarke ルシアン・クラーク
「自身のスケートに対しての考え方は、年を重ねるにつれて、スケートと人生全般に対してもう少し忍耐強くなることを学んだんだ。ここ数年でいろんなことがあったし、ヴァージル (アブロー) にも自分の新たな可能性を覗かせてもらったと思っている。そんないろいろな経験が今の自分を形作っているように感じるよ。良いものを得るには時間がかかるから、急いではいけない。ただその時間をもっと楽しめるようになったんだ。PALACEのクルーはみんな本当にいいライダーばかりだろ? 俺たちは、今ある残りの人生を楽しく過ごす方法を知っているし、それが遊びだけではないことも知っているんだ」。
Rory Milanes ローリー・ミラネス
「スケートボードへの姿勢は特に何も変わってないよ。ひとつ言うなら、昔より自分自身のケアをちゃんとするようになったことかな。今でもスケートして、友達とこうやって色んなところに行けるのは本当に楽しい。みんなフレンドリーで、いつも面白くて、自分自身のことをあまり気にし過ぎないところがいいところだね」。
Heitor Da Silva ヘイター・ダ・シルバ
「数年前に膝に大きなケガしてから、前よりもしっかりと自分の体の事をいろいろ考えるようになったんだ。自分自身に気をつかうようになったことが一番大きいかな。PALACEのメンバーは吸血鬼みたいなんだよ。なぜなら、昼よりも夜に多く見ることが多い気がするから!暗くなるまで見かけない奴らもいるくらい(笑)」。
Danny Brady ダニー・ブレイディ
「日本に来ると本当に日本全体のレベルの高さに感動させられる。持っているものすべてが素晴らしいんだよ。地元のお好み焼き屋からセブンイレブンのタマゴサンドまで、レベルがとにかく高くて、それは街のどこにいても感じる。何を食べても、何をやっても、他のどの国にもないエネルギーを感じることができるんだ。今回のトリップのナイトシーンでも、素晴らしい地元のDJたちと一緒に熱狂したり、そのあと深夜にとんこつラーメンを食べにハングアウトしたり、チームとして最高のグルーブ感を今もなお保てていると改めて再認識してる。僕たちは、お互いを愛し、尊敬し合う本当に仲の良い友達グループだと思ってるんだ。その純粋さが、世界中のみんなを惹きつけていると思っているんだ」。
クルーの面々の撮影での様子やプライベートの過ごし方を見ていると、彼らは本当にいい意味でゆるく、人生を楽しんでいると感じた。PALACE特有のカルチャーと密接に繋がったポップでクリエイティブな表現の根源は、彼ら自身が人生を楽しんでいるからこそ生まれると言っても過言ではない。ルシアンが着用しているジャケットには、日本語でこう書かれている。『我が道を行く I’D LIKE TO LIVE AS I PLEASE』。この言葉に、パレスの全てが集約されていると言っても過言ではない。彼らのやりたいようにやり、楽しみたいように楽しむ。どんなに規模が大きくなっても、時が流れ年齢を重ねてもPALACE SKATEBOARDSの根底には、ストリート由来の揺るぎない精神が生き続けているのだ。
live as you like
PALACE SKATEBOARDS
Photo Genki Nishikawa | Edit & Text Shohei Kawamura |