Heritage Things from 7 Creators

7人のクリエイターによる ヘリテージなプロダクト

Selected by
Tassei Onuki
(SANTASSÉ Owner)
SANTASSÉ JEANS

製法や素材に徹底してこだわり
100年前のジーンズ作りを現代に

「もともとデニムが大好きなので、世界最高のジーンズがほしいと考えて製作しました。産業革命後に誕生するオールドブラックミシンを14台使用し、当時作られたジーンズの文献を独自の視点で解析しながら、パターンから裁断、縫製、ミシンのメンテナンスまで、すべての工程を一人の職人で完結させて仕上げています。歴史ある遠州織機で織られたデニム地を使用し、トップ釦には1890年から1920年にアメリカで使用されていた通貨(シルバーコイン)を手作業で加工しました。リベットや比翼釦には当時と同じ鉄製の素材をオリジナルで製作して施し、デッドストックの縫製糸で縫い上げています。お渡しする際には当時のステンシルマシーンを使用して下げ札に購入者の名前を刻印している点も、ジーンズのヘリテージを現代に継承することを意識したディテールです」。

Transitional Textile Navajo Blanket

100年を超えて受け継がれる
トラディショナルな実用品

「自分のお店“サンタッセ”に展示したくて2021年に入手しました。1890年から1900年に作られたであろうナバホブランケットです。手作業で撚ったウール糸(チュロシープ)を用いて、手作りの機織り機で何十時間、モノによっては何百時間を費やして製作するという、ハンドクラフトの極地的な製造方法に魅力を感じます。虫をすりつぶして得られるコチニール色素を染料としている点もポイントですね。現在も使用できるという耐久性も備えています。100年以上前に生まれた製法が受け継がれ、現在も作られ続けているヘリテージです。アート作品であり、人類の遺産でもあり、同時にトラディショナルな実用品として残り続けていくものだと思います」。

Pierre Jeanneret Demountable Chair

かつて都市の一部であったものが
歴史も含めて現代の生活に生きる

「1953年頃に作られたチェアですが、ロープを背側に使用しているユニークなアイデアとチーク材の木枠にコットンの帯を編み込んだ座面の美しいデザインに惹かれます。ピエール・ジャンヌレ自身の部屋にも置かれ、そこに彼の思想も感じることができます。ピエール・ジャンヌレはル・コルビュジエの従兄弟でもあるスイスの建築家で、共にインド北部のチャンディガール都市計画を手掛けました。そういった都市の一部を形成していた家具が歴史と共に現代へ受け継がれ、今も実用品として残っているわけです。現代ではアート作品でもありますが、そこに過去の人々の生活という歴史が内包されることで、唯一無二の稀な形で引き継がれていくものになるんだと思います」。

大貫達正
ファッションデザイナーとして様々なブランドのデザインとディレクションを務める。ギャラリー型ショップ“サンタッセ”のオーナーでもあり、ヴィンテージへの深い知識を持つ。

◯ SANTASSÉ
http://santasse.com/

Selected by
Junji Yoshida
(United Arrows PR Director)
POLO RALPH LAUREN Big Shirts

どんな時代でもワードローブにある
万人が愛し続けていくスタンダード

「生産された年代も手に入れた時期もばらばらですが、オリジナル・復刻共に購入しました。このボリュームあるシルエットが非常に印象的で個人的に集め続けています。“ラルフローレン”は自分にとってアメカジの代名詞的ブランドだと思っています。その中でもオックスフォードのボタンダウンシャツは、自分がファッションに興味を持った頃から着用し続けていました。どんな時代であっても必ずクローゼットの中にあって、世界中の誰もがファッションアイテムの大定番として愛用し続けてきましたが、今後もそれは変わらないと思います。時代問わず、どこかで必ず売られていることでしょう。そういった意味でも次の時代へ受け継がれていくと思います」。

Stussy N-3B Jacket

ストリートを象徴するブランドの
トラッドでタイムレスなアウター

「私がファッションに目覚めたきっかけのアイテムはブラックのN-3Bジャケットで、これまでに様々なブランドのN-3Bジャケットを着てきました。この“ステューシー”のN-3Bジャケットに関しては古着として買いなおしたものです。作られたのは90年代後半から2000年代頃だと思います。ヴィンテージも所有しているのですが、ストリートブランドを象徴する“ステューシー”のトラッドな一着であるという点がセレクトした理由の一つになります。N-3Bジャケットは様々なデザイナーが時代ごとにアップデートさせていますが、ひと目見てオリジナリティが感じられるプロダクトでもあり、今後も長くファッションシーンに残り続けていくでしょう」。

DENTS Leather Gloves

ブランドが持つヒストリーを背景に
革手袋の代名詞として受け継がれる

「1777年に創業以降、現代においてもグローブと言えば“デンツ”という信頼感が前提にあり、実際の着用感もほかのブランドにはない心地よさがあります。普段、リングをしているので基本的にグローブはあまり使用しないのですが、本作に関しては別物だと考えています。時代を経て、素材やバリエーションが変わることがあっても、プロダクトとして完成されたクオリティと品の良さは普遍的なモノを感じます。ブランドとしてのヒストリーは誰もが知るところだとは思いますが、今後も革手袋を手にすることを考えたときに「デンツ」の名前が必ず出てくることでしょう。今後も「デンツ」が変わらぬ姿勢でモノ作りを続けていく限り愛され続けていくと思います」。

Chrome Hearts Leather Overalls

長く着ることで表情が変わっていく
レザーという素材が重要なポイント

「2009年にロサンゼルスで購入した“クロムハーツ”のレザーオーバーオールです。プロダクトとしてのクオリティが魅力的だったのはもちろんですが、特に圧倒的な存在感と重みに惹かれました。時代問わず着続けることができる定番のオーバーオールではありますが、このアイテムに関しては着続けることで表情が変わっていくレザーという素材が、ヘリテージという意味で重要だと思います。本作のようにクラフトマンシップがしっかりと感じられるプロダクトはどんな時代であってもファッションとして必要とされていくと思います。今後も時代問わず大切にしながら着続け、その経年変化を楽しみながらコーディネートに取り入れていきたいと思います」。

吉田淳志
ユナイテッドアローズの広報PR部、部長。 オウンドメディア「ヒトとモノとウツワ」の運営から、 ファッション誌における連載で定番ファッションアイテムを紹介するなど幅広く活動する。

◯ United Arrows
https://store.united-arrows.co.jp/

Selected by
Masaya Tokushige
(Designer)
Raf Simons Oversized Distressed Sweater

作り込まれたデザインの良さが
後世へ受け継がれていく魅力

「セレクトしたのは“ラフ・シモンズ”の2016年秋冬コレクションで発表されたVネックセーターです。本コレクションはデヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』から着想を得た、とされていますが、胸元が大きく開かれ、ダメージ加工を施したデストロイ仕上げで、ワッペンや三角形のコード、ステッチワークなど細部までこだわり抜かれたプロダクトで気に入っています。良いデザインの洋服というのは、やはり時代を超えて残り続けていくものだと思います。これまでも、“ラフ・シモンズ”のプロダクトは多くの人がアーカイブとして所持してきましたが、先日、ラフ・シモンズ自身がブランドの終了をアナウンスしたことで、よりアーカイブとしての性質は強くなり、後世に受け継がれていくと思います」。

Martin Margiela Bottle Lamp

身の回りに転がっているボトルを
芸術品の域へ再構築したアイディア

「マルタン・マルジェラのボトルランプです。見ての通り、スパークリングワインやシャンパンのボトルを再構築し、ランプベースに変えた作品で、芸術品とも言える完成度です。同じく白のシェードのボトルランプもあり、そちらは見かけることもあるのですが、この緑がかったブラックのボトルランプはマルジェラ在任時のごく初期に製作され、限定カラーアイテムとしてリリースされたものなので、稀少性も高くアーカイブされていくべきだと思います。どこにでもあるボトルを再構築するという独創的でユニークなアイディアが「マルタン・マルジェラ」らしく、身の回りに溢れた素材をベースに作られたものだからこそ、時代を超えて人を魅了してくのだと思います」。

Powell Peralta Animal Chin Sweatpants

スケートカルチャーを継承する
デザインとモノとしての存在感

「1986年製の“パウエル・ペラルタ”のオリジナルアイテムです。U.S.のスポーツアクティブウエアブランド“ディスカスアスレチック”をボディに使ったポケットなしのスウェットパンツで稀少性も非常に高いと思います。“パウエル・ペラルタ”がボーンズ・ブリゲードの面々にフィーチャーして1987年にリリースした名スケートビデオ『The Search for Animal Chin』のアートワークにおけるロゴを両サイドに施しています。スケートカルチャーという観点からも絶対的なヘリテージとして現在に残っているものですし、チープな素材であってもオリジナルのグラフィックデザインは現代のブランドにも影響を与えているものだと感じます」。

Nike Code 01 Mastercraft Jacket
Made by Tony Spackman

異素材ミックスの走りであり
テクニカルウエアの金字塔

「ナイキの2003年秋冬コレクションのコードで発表されたジャケットで、トニー・スペックマンがデザインを手掛けています。シェル(アウター)は“ロロ・ピアーナ”のウールとカシミア素材に、当時の先端的なテクノロジー素材をミックスさせ、ライナーにスイスのシェラー・テキスタイルズという吸汗速乾と耐久性に優れたハイテク素材を採用。袖や肘、胸元などにベンチレーションが施され、身体の動きに対応するよう設計されており、ミニマルなテクニカルウエアの傑作として存在しています。2000年代前半に作られたモノでありながら、その後のファッションデザインに与えた影響は非常に大きく、今も超越できないほどに完成されたデザイン性を感じます」。

徳重雅哉
UNUSEDのデザイナーを経て、現在はフリーランスデザイナーとして、ディレクション業務やデザイン提供を行なっている。カルチャーや食文化に精通しており、特にワインへの造詣が深い。

Selected by
Fumika Uchida
(FUMIKA_UCHIDA Designer)
Cool Bag

作られた時代の素材が活かされた
ユニークなハンドメイドのバッグ

「1960年から1970年にアメリカで作られたもので、当時のパッケージデザインの良さと作った方の色の配置がとてもモダンに感じて購入しました。このバッグは、そもそもキャンディーやタバコの空き箱、使い古しの切手などの廃材を使って、当時の囚人たちが作る工芸品のようなものなのですが、その人のセンスや性格で変わってくるデザインがとても面白いです。廃材を使うというアイディア、時代感のあるグラフィックデザインやカラーリングの良さなど、プロダクトのベースになるモノのデザインを活かして再構築しています。その時代でしかない素材で、手作業でなくては作れない本作のようなプロダクトを大切に残していきたいです」。

Robot Light

時代を超えて人をワクワクさせる
夢のある時代を彷彿させるデザイン

「20代の頃、主人の先輩のお店のウィンドウに飾られているのを見てからずっと忘れられずにいました。2年前に譲っていただけることになって私の元にやってきたロボットライトで、1960年から1970年代にイタリアで作られたものになります。製作された当時の空気感を含んだものは、一度きりの雰囲気が宿っていて、現代では再現が難しいのだと感じています。それはきっとどの時代に見ても、常にモノとしての新鮮さを携えているからだと思います。そしてユーモアがあるという、誰が見てもきっと好きと感じられる素敵なデザインだと思います。どれだけ生産されたのかもデザイナーが誰なのかもわからないですが、夢のある時代が感じられるモノとして、今後も人を高揚させていくのではないでしょうか」。

Harry Gordon Poster Dress

使い捨て素材をアートにする着眼点と
デザインの良さが時を経て価値になる

「ハリー・ゴードンのポスタードレスシリーズが好きで探していたのですが、壊れてしまっているものが多く、たまたま1968年に作られたものがデットストックの状態で見つかって入手しました。当時流行った安価な紙素材で作るシンプルなカットワンピースのアウトラインで、グラフィックデザインアートを身にまとえるものにしている発想や、着なくなったら飾ることもできるという付加価値の考え方がとても魅力的に感じます。独特な目線で切り取られた白黒写真をドットで表現したグラフィックがとても好きです。使い捨てられるようなチープな素材やアイテムでも、デザイン自体が素晴らしいモノは、時を経て貴重な存在になっていくことが多々あります。これは、そんなモノの一つだと思います」。

内田文郁
1979年宮城県生まれ。2005年に中目黒に「ジャンティーク」を夫婦でスタートさせ、2014年よりブランド「フミカ_ウチダ」を立ち上げる。ヴィンティージやアートへの造詣も深い。

◯ FUMIKA_UCHIDA
https://fumika-uchida.com/

Selected by
Yosuke Otsubo
(Evangelist)
Levi’s® Customised Trucker Jacket Sleeveless

アメリカのサイクルカルチャーへの
憧憬を感じるトラッカージャケット

「1970年代に生産された“リーバイス®”のトラッカージャケットです。バック下の刺繍にある通り、ヒューストンのバイカークラブ員、通称BULLさんが着用していたものだと思います。タバコを咥え、両手に拳銃を持つカウボーイの刺繍が楽しく、アメリカ南部らしいモチーフが気に入りました。私には大きいサイズですがレザージャケットに重ねてオーバーベストとして着用することを考えて入手しました。アメリカのバイカー、馬と共に暮らすカウボーイの仲間の印であるチームロゴ刺繍は素晴らしく、私にとっての憧れでもあります。約9年間勤務した“リーバイス®”のトラッカージャケットを後世に残す一時預かり人として次へ受け継ぎたいと考えています」。

Levi’s® Customised 501®

世界中を旅した思い出と共に残したい
ジーンズの代名詞でもある70年代の501®

「2014年頃、リーバイス®XX部門で東京をベースに日本を含むアジア、中東、アフリカのディレクターを務めていた時代に、ロサンゼルスの刺繍作家、マリアさんに依頼して刺繍を施していただいた1970年代生まれの赤耳の501®です。マリアさんと話し合い、架空のカップル、ケヴィンとジーンがリーバイス®本社のあるサンフランシスコからウッドストックへ旅することをテーマにした物語を手刺繍で描いていただいた、私にとってとても大切なアイテムです。この501®で世界中を旅した思い出と、ジーンズの代名詞でもある501®に惜しみなく施された手刺繍は他に変え難いものです。できれば、私の子供がオーバーサイズで白いクルーネックのTシャツと合わせて着て、いつの日か孫に引き継がれたら嬉しいですね」。

Levi’s® Customised Orange Tab Shirts

アメリカの手刺繍はフォークアート
文化が感じられるタイムレスなもの

「1960年代に生産されたもので手にしたのは1990年代のことでした。“リーバイス®”のオレンジタブのビッグEが珍しいことに加えて、グーフィーの手刺繍が「Hi! (こんにちは!)」と語りかけてくるような表情で、つい目が合ってしまって購入しました。サドルマンタグ時代のシャツであるということも魅力的ですが、このコミカルな刺繍が何よりの特徴だと感じています。自分の中でアメリカの手刺繍はフォークアートとして位置付けており、そんな文化を感じさせるものだと思います。後世に受け継がれていくプロダクトとは、本作のように人々を楽しくさせてくれるものであり、手にした人が愛情を感じるものなのだと思います」。

大坪洋介
1956年鹿児島生まれ。20代前半より約30年ほどロサンゼルスでファッション全般に関する業務を行う。現在はファッション、ライフスタイル伝道師として自身の経験や知識を伝えている。

Selected by
Masato Segawa
(SEEALL Designer)
Maija Heikinheimo, Asko, Apu604 Side Table

フィンランドのモダニズム黎明期の
デザインとしてアーカイブされる

「フィンランドデザインの巨匠、アルヴァ&アイノ・アアルトのヴィンテージを探していたときに見つけた1940年代に作られたものです。マイヤ・ハイキンヘイモは30年代にアスコ社のデザインディレクターを務めた後、アアルト夫妻にその手腕を買われ、50年代黎明期のアルテック社にアシスタントとして入社しました。アアルト夫妻の元で様々な名作に関わっていますが、彼女自身がデザインしたアスコ社のモノは貴重でフィンランドデザインの潮流を探るモノとして入手しました。フィンランドのモダニズム黎明期のデザインとしてアーカイブになると思います。世に存在するマスターピースの背景には、必ずと言っていいほど名アシスタントがいて、その影の立役者が陽の目を見ようと自らを曝け出したものには、また名作が多いと思います」。

Max Sauze for Max Sauze Studio Desk Lamp

単なる照明器具としてではなく
光の彫刻的要素を両有したこと

「マックス・ソーズは1968年に自身のスタジオをフランスに設立し、アルミニウムに特化した照明器具を多数デザインしました。ペンダントタイプのモノが多い中、このテーブルランプはとても珍しいものです。アルミの反発を利用した有機的なデザインは素材を知ることでしかできないデザインであったと思います。マックス・ソーズはデザイナーではなく彫刻家であったことも完全なプロダクト目線ではない視点がデザインに入っています。そのように、アーティストが本来活動しているシーンではないところで、異なる目線を持ちながらデザインをすることで、単なる照明器具ではなく、光の彫刻的要素を両有したということに面白さを感じるプロダクトです」。

Marianne Brandt, Ruppelwerk Coin Bank

機能主義と生産効率をデザインへ
美しく落とし込んだ重要な作品

「マリアンネ・ブラントはヴァイマール期のバウハウスで金工部門の責任者を務め、企業との提携契約などで収益をだした、いわゆるフリーランスデザイナーの走りのような存在です。バウハウスを辞した彼女は30年代にラッペルヴェルク社のデザイン部を統括し実験的とも言える様々なカテゴリーにデザインを入れていきました。この貯金箱のように用途が極めて限定されたもの、生活に不可欠ではないものにデザインを与えるのには、デザイナーと工房の距離感が重要だったと思います。オートメーション化された生産ラインでは挑むことのできない多種多様な、一見無駄にも感じられるデザイン要素が魅力的です。デザインと生産技術の関係性に真正面から取り組み仕様の落とし込みに美しさを求めた初期の重要作品ではないでしょうか」。

Marcel Gascoin Child Chair

理路整然とした良デザインは
用途を変えながら残っていく

「マルセル・ガスコアンは戦後物資の少ない中で都市計画に参画し生産コストを考慮したデザインを多数手掛けました。デザインは制限があるときの方が良いモノが生まれるというのはよく言われることですが、シンプルな構造、生産効率を考慮したデザインには無駄のない凜とした姿があります。この1950年代に作られた子ども椅子は、子どものモノという概念から解き放たれ、大人と同様のデザインでスケールダウンされていることに面白さを感じます。今は植物を置いたりして使っていますが、良いデザインは時代を超えて用途を変えながら残っていくと思います。その条件は、やはり小手先ではない理路整然としたデザインで、それが実現されるには、いつの時代も制約というものが一役買っていると思います」。

瀬川誠人
1976年京都府出身。2019年にスタートしたユニセックスブランド、SEEALLのデザイナーであり、AFTERHOURSとFAARのディレクターも務める。

SEEALL
https://seeall.jp/

Selected by
Lambda Takahashi
(Stylist)
Buffalo Plaid Remake Shirt

自分のスタイリングに欠かせない
新しい発想を感じたリメイクシャツ

「僕は10代の頃からリメイクされた古着が大好きで、数々のリメイクプロダクトを手にしてきましたし、スタイリングの中に取り入れてきました。そんな中で、この60年代のシャツはリメイクの発想自体に新しさに感じました。ヘビーネルなのに裾がストレートにカットされており、バックの部分だけ別布を継いで着丈を伸ばしパンクファッションを彷彿させるような作りになっています。様々な要素が一着の中に落とし込まれているように感じられる点が魅力的です。初めて見たときは、『このバッファロープレイドは一体何なのだろう?』と驚いたのを今でも覚えています。自分のスタイリングに欠かせないアイテムとして今後も残り続けていくモノです」。

Nike 90’s Tracksuit

カラーリングやディテールも含め
後世に残るであろうセットアップ

「トラックスーツのセットアップものがとにかく大好きなので、日々意識的に探しています。この“ナイキ”のトラックスーツは90年代のセットアップで、レッド×ネイビー×ホワイトの切り替えといい、妙に存在感のあるステッチといい、デザイン的なカッコよさに惹かれました。表地はサラサラとした手触りが心地よいです。裏地はコットン素材になっていて、Tシャツを合わせると生地通しが悪くて着づらいのですが、そこも気に入っています。そんな個性があるトラックスーツなので、ファッションアイテムとしてヘリテージ化することは間違いない。購入したのは最近のことなのですが、今後も自慢の私服として何十年も着続けていこうと思います」。

Apron and UNUSED Jeans

スタイリングとして継承したい
パンツに前掛けという着こなし

「パンツにエプロンなどの収納要素を持った前掛けを合わせるのは、自分らしいスタイリング提案の一つだと考えています。実際に作業をするときには、これを着ていますね。アイテムそのものではなく、この着こなしが今後も引き継がれていくであろうという意図を込めたセレクトです。エプロンは5年ほど前に海外撮影時に作業着屋で買った個人的見解のヴィンテージです。デニムは“アンユーズド”の今季ものですが、タックボタンを“リーバイス®”のヴィンテージに打ち直してもらっています。最高のシルエットと穿き心地に大好きなボタンが合わさったデニムとお気に入りのエプロンの組み合わせなので、そういった意味でも個人的ヘリテージと言えます」。

National Caminito

今後も受け継がれていくべき
折り畳みレトロチャリの名品

「昭和生まれの16インチ折り畳みミニサイクル“ナショナル”の“カミニート”です。80年代に生産されたモノだと思います。5年ほど前にカスタムベース車として手に入れました。もともとのサイズが小さいので車にも積みやすい点はポイントです。ほかにもたくさんの自転車を所持していますが、折り畳みチャリの中ではスペシャルな一台ですね。“ナショナル”だから良いというわけではなく、この工学的なデザイン性が好みで、サドルやカゴ、前輪上に付けている反射板等をカスタムして自分好みにしました。ヘリテージなプロダクトとして今後の時代にも残ってほしいと思うので、これからもカスタムを繰り返し、じっくりと育てていこうと考えています」。

髙橋ラムダ
数々のメディアで活躍するファッションスタイリスト。昨今は自身のブランドでもあるR.M GANG やYouTubeチャンネルも運営し、ファッションに関する考え方を発信している。

Photo Taijun HiramotoText Ryo TajimaEdit Shohei Kawamura Katsuya Kondo

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