G-SHOCK 40th Anniversary

アクティブでタフな大人の象徴 日本が誇る世界的腕時計

自身が何を身につけ愛用していくかは、生き方であり、主張である。それが大人なら尚更だ。「落としても壊れない」頑丈なウォッチとして生まれたG-SHOCKは、アクティブでタフな大人の象徴として、つけるものの生き様を表現してくれる。昨年40周年を迎えた日本が世界に誇る名品。その魅力に改めて迫っていこう。

強化カーボンを採用し
劣化しないヴィンテージへ

1983年に「落としても壊れない」時計として開発され、常に進化を続け、世界を驚かせ続けてきたG-SHOCK。2019年には航空・宇宙技術の研究から生まれた強化カーボンをボディに採用したモデルをリリースし、大きな話題を呼んだ。樹脂の軽さとメタルを超える強さを兼ね備えたアイテムは、経年劣化しないヴィンテージとなるモデルとして、高い注目を集めることとなったのだ。強く壊れない=長く愛し、使い続けられること。現代で声高に叫ばれているサステナブルを40年も前から体現するウォッチ。キーワードは“TOUGHNESS IS ACCEPTING FAILURE(=タフネスとは失敗を受け入れること)”。以下に紹介する映像でも語られているが、トライアンドエラーを繰り返し、折れない心で開発を継続してきたからこそ、今がある。タフネスとはG-SHOCKの性能だけを指した言葉ではない。その開発のプロセス自体がタフネスなのだ。人間の気持ち、仕事への向き合い方までをも背景に内包したG-SHOCK。だからこそ若者だけでなく、大人をも惹きつけるのだ。

誕生40周年を記念して作られた、G-SHOCKの生みの親、伊部菊雄の開発秘話をストーリーにした映像。40年前の自分と対峙・会話するという演出の中で、「丈夫な時計を作ろうとしているのだから、自分自身もタフでい続けること。弱い自分を全部受け入れて進んでいくことが大事」とタフネスの意味を語っている。
失敗を受け入れ、
進化を続けてきた
タフネスウォッチ

そもそもG-SHOCK誕生の背景には「落としても壊れない丈夫な時計を作りたい」というカシオのエンジニア、伊部菊雄の熱い想いがあった。精密機械であったそれまでの腕時計の常識を覆す日本が世界に誇るこのプロダクト、その開発にあたっては、数え切れないほどの失敗の連続があったという。研究室の窓の3階から何度も繰り返された落下実験、200を超える試作。柔らかな素材と硬いフレームを組み合わせ、心臓部であるモジュールに「中空構造」を採用し、本当に落としても壊れない時計として苦心の上に完成したプロダクトは、その後、防水、防塵、防泥をはじめ、電波ソーラーや高度・方位計測などタフな環境で使える機能、デザインを備え、40年間進化を続けてきた。

G-SHOCK発売当時、全米で放映されたTV-CM。スケートリンクを舞台に、“アイスホッケーのスティックでショットしても壊れずに動き続ける”というタフさをわかりやすく表現した演出が大きな話題となった。

出典)G-SHOCK 35 th ANNIVERSARY BOOK

DW-5000C

DW-6900

GA-110

GA-2100
1983年以来、毎年のように改良が重ねられ、新たなモデルが登場し続けるG-SHOCK。中でもマスターピースと呼ばれる初号機のDW-5000C、DW-6900、GA-110、GA-2100はアイコンモデルとして、現在でも高い人気を集めている。
カルチャーと密接に繋がり、
新たなストーリーを生む

タフネスという強烈な個性を備えたG-SHOCKが、スケートボードをはじめとしたストリートカルチャー、アクティブスポーツと結びつくのは必然だった。コンクリートで転んでも壊れない耐久性に加え、ストリートウエアとも相性の良いハイテクなデザインは、90年代に爆発的なブームを呼び、プレミア化したモデルも続出。当時はご法度だったオールホワイトのカラーリングやスケルトンボディなど、常識を打ち破るデザインで若者の心を掴み、以降さまざまなストリートアーティストやブランドとのコラボレーションも多数リリースされ、絶大な人気を博した。
アクティブスポーツとの結びつきをさらに強めるべく、G-SHOCKでは多数のアスリートをサポートし続けていることも忘れてはならない。NBAプレイヤーの八村塁、レジェンドスケーター、スティービー・ウィリアムス、東京オリンピックで活躍した日本を代表するサーファーの五十嵐カノアにBMXライダーの中村輪夢まで。バスケットボール、スケートボード、サーフィン、スノーボード、BMXにダンス、パルクールなど、幅広いジャンルのタフな環境で戦うアスリートをリスペクトし、支えてきたG-SHOCK。カルチャーと密接に繋がり、新たなストーリーを生む。そんなところもこのタフネスウォッチの魅力なのだ。

グラフィティ・アーティスト、エリック・ヘイズとの1stコラボモデル。丸い文字盤が特徴のDW- 6900をベースにヘイズのタギングネームとメタリックなシルバーのカラーリングが存在感を発揮する。1999年にリリースされた本作は高く支持され、これ以降現在に至るまで両者はたびたびコラボレーションを展開している。

こちらは誕生40周年を記念し、リリースされたヘイズとのアニバーサリーモデル。初代モデル DW-5000Cをフルメタル化したモデルGMW-B5000をベースに、ドットパターンのレーザー彫刻でバンド全面に描かれたオリジナルのアートワークが目を惹く1本で、タグが浮かび上がるバックライト、裏蓋に刻印されたヘイズ作の40周年ロゴもポイント。

2016年にリリースされたこちらは、レジェンド、フューチュラとのコラボレーションモデル。彼のアイコンのアートワーク“atom”が全面に施され、ストリートカルチャーとの結びつきをわかりやすく体現する1本は、発売当時、大きな話題を集めた。ブラック×ホワイトのモノトーンのカラーリングも最高にクール。

五十嵐カノア

中村輪夢

STEVIE WILLIAMS
アニバーサリーイヤーに
アジアで湧き上がる新たな熱量

カルチャーとリンクし、カルチャーを生み出してきたG-SHOCK。そんなブランドのフィロソフィーを体現すべく、誕生25周年のアニバーサリーであった2008年以降、節目ごとに“SHOCK THE WORLD”なる音楽イベントを開催してきた。40周年の昨年は、東京、福岡、ニューヨークを舞台に展開。そして、そのフィナーレを飾ったのが、インドネシア・バリ島だ。リゾートホテル「ポテトヘッド」を舞台に開催されたこのイベント。18金で仕上げられたコンセプトモデルや東南アジアの限定モデルを展示したインスタレーション、伊部菊雄も登壇したメディアカンファレンスでは現地の人気アーティスト、リッチ・ブライアンとのコラボレーションも発表、さらにはニキ、ウォーレン・ヒューらジャカルタ出身アーティストライブなど、多彩なコンテンツが訪れるものを魅了した。フューチュラのアイコンである“ポイントマン”の巨大フィギュアの展示、グラフィティ・アーティスト、スタッシュの登場など、そこかしこでG-SHOCKが40年の中で紡いできたストリートカルチャーとの結びつきを再認識させられる。そして何より、驚かされたのが会場の熱量。これからは、アメリカでもヨーロッパでもなくアジア。90年代のブームを彷彿させるオーディエンスの熱狂は、そんなことを感じさせた。

伊部菊雄

メディアカンファレンスにて発表された、Rich Brianとのコラボレーションモデル。¥18150 (CASIO)

18金で仕上げられたコンセプトモデル

会場に展示されたフューチュラのアイコン、“ポイントマン”の巨大フィギュア

東南アジアの限定モデルを展示したインスタレーション

NIKI

Warren Hue

40年間、失敗を恐れず、進化を止めず、常に挑戦を続け、新たなプロダクトを、カルチャーを生み出し続けてきたG-SHOCK。その歩みはこれからも続いていく。進化を続ける日本が生んだ唯一無二の腕時計は、これからもつける者自身を表現するツールとして、スタイルを作り上げてくれることだろう。タフネスというキーワードとともに。

CASIO
https://gshock.casio.com/jp/

Edit & Text  Satoru Komura

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