Column of Fashion meets Car 6 Car Legacy of C.P. COMPANY

ブランドアイコン「Goggle Jacket」 カーレースから始まったその歴史

Jacket ¥184800 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

異素材ガーメントダイの技術を確立し、モジュラージャケットの開発などテクニカルウエアのオリジネーターとして確固たる地位を築いているC.P. COMPANY。さまざまな革新的なプロダクトを生み出し続け日進月歩の成長を見せているが、なんといっても同ブランドの代名詞と言えるのはゴーグルジャケットだろう。このフーディーにレンズが付いているという独特のデザインは、クラシックカーレースに出場するレーサーのために開発されたディテールであることを知っているだろうか。

日本服から着想を得た
ファブリック×レンズのアイディア

洋服にレンズを付けるというアイコニックなプロダクトの誕生には、日本の民間防衛隊の保護帽子が深く関わっている。当時の日本の保護帽子は顔全体を覆い尽くす仕様となっており、前部分にジッパーが付き、目の高さの部分にレンズが縫い付けられている特殊なバラクラバのようになっていた。そこからヒントを得たC.P. COMPANYの創業者のマッシモ・オスティはイタリアのスポーツオプティクスメーカー、バルファルディ社の協力のもと、長めに仕立てられたフィールドジャケットの襟部分にレンズを取り付けたエクスプローラージャケットを誕生させたのだ。この開発をきっかけにファブリックにレンズを取り付けるというC.P. COMPANYならではのゴーグルジャケットが生まれていった。

世代を超えて愛される
ゴーグルジャケットの誕生

開発当初襟部分に取り付けられていたレンズは、あるきっかけからフーディへと取り付けられることになる。そのきっかけこそが世界一美しいとされるイタリアのカーレース、ミッレミアだ。1927年から続くこのヴィンテージカーレースのスポンサーを務めたC.P. COMPANYは、当時フロントガラスがなかったレースカーに乗るドライバーの目を、風やゴミから守る為にフーディにレンズを取り付けることで解決するのではないかと考えた。最近でも度々復刻している「ミッレミアジャケット」と名付けられたこのプロダクトは、時間を競うレース中にハンドルを握りながら時間を確認できるよう、腕時計をつける左手の袖部分にもレンズが取り付けられている。フロントポケットは大きく広がるマチがついており、水筒や食料などあらゆる必需品を携帯できる機能性を備えているが、これはスイス軍のジャケットから着想を得た仕様だ。こうした、様々なアーカイブウエアからの引用は、ミリタリーウエアやスポーツウエアのアーカイブを収集していた彼だからこそのアプローチだと言えるだろう。インターネットも発展していない1980年代に遠い日本の軍服までをも網羅する彼の研究熱心な姿がみてとれる。マッシモ・オスティが今でもテックウエアの文脈で神格化されているのは、そういったリサーチ能力と既成概念に捉われない服作りによるものだ。1988年に初登場を果たしてからブランドの進化と時代と共に少しずつ形を変え受け継がれているゴーグルジャケット。マッシモ・オスティが掲げる「どのような冒険にもぴったりなジャケット」というヴィジョンを体現するこのプロダクトは、これからも都市や自然などさまざまな場所を冒険する我々の助けとなってくれるだろう。

1988年にリリースされた当時のミッレミアジャケット(写真上)と実際にミッレミリアでジャケットを着用している写真(写真下)。写真でもわかる通りレーサーたちは屋根もフロントガラスもない車で約1000マイルの距離を走行するため、顔を守るためのゴーグルは必須なのがわかる。また、当時のミッレミアジャケットはスイス軍のフィールドジャケットをベースにしており、現行品よりもさらにミリタリー要素が強く、マッシモ・オスティの強いこだわりを感じ取ることができる。

Photo Taijun Hiramoto Daniela FacchinatoEdit Katsuya Kondo

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