LICHEN × Mame Kurougouchi EAU DE PARFUM & CANDLE L

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

香りは記憶に基づきその時の情景や温度、感情などさまざまな感覚を呼び起こしてくれる。マメ クロゴウチとライケンによって制作されたオールドパルファムとキャンドルはまさにデザイナー、黒河内の記憶の断片を垣間見る香りだ。オールドパルファムにはフジバカマ、白檀、沈香、すみれなどをブレンド、キャンドルはソイワックスにハッカやローズマリーを用いどちらも天然香料のみで仕上げられている。この香りは黒河内の故郷の長野の冬景色をインスピレーションに作られたという。自分も長野に親戚の家があり、幼少期の冬場はよく訪れていた。この香りからは雪の中鼻をツンとつく冬の寒さ、大自然の中で感じる土や木の豊かな匂いを思い出した。また、容器には有田焼を使用しマットブラックに仕上げられている。これは主成分のフジバカマの香りを追い求めて飛来する黒蝶「アサギマダラ」をイメージしたもの。さまざまな香水が乱立している今、潔くシンプルな容器がさらにマメの世界観を際立たせている。これから寒さの増す東京。この香りを嗅ぐと感じる雄大な冬の自然は、気持ちを和やかにしてくれるだろう。