Kvadrat / Raf Simons Peg Rail & Blanket & Cushion
シェーカーシステムが作り出す 日常に潜む美の形
ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。
「Less but better (少なく、しかしより良く)」。ドイツのインダストリアルデザイナー、ディーター・ラムスが残したこの言葉は多くのデザイナーたちにとって一つの指標になっている。このフィロソフィーに影響されたプロダクトは幾多とあるが、それを体現するアイテムの一つがこのシェーカーシステムだと思う。掃除道具、衣服などをペグレールと呼ばれる壁掛けフックに 吊るしていたシェーカー教徒の生活様式から着目を得て作られた本作。内側にフックのついたシンプルなバーに吊るす形で収納でき、さらにブランケットやクッション、キーチェーン、スリーブなど多様なラインナップが揃っている。壁に掛けることでアイテムはシンプルに収納できる上、クヴァドラのテキスタイル「ヴィダー4」が使用されたブランケットやクッションは生地が持つ美しい色味をインテリアとして表現することが出来る。「生活者が日常のなにげない行為やふるまいに意識を及ぼすこと」を目指してデザインしたラフシモンズ。このアイテムを通してシンプルだが豊かな生活を心がけていきたい。
Photo Taijun Hiramoto | Text Katsuya Kondo |