Editor’s Eye CHERUBIM Bicycle Frame
自転車の歴史に一石を投じる 技術とデザインの革新
ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。
日本が世界に誇る自転車ブランド、ケルビム。チーフビルダーの今野真一とイギリスのデザイナー集団、トマトを率いるサイモン・テイラーとの共作によって生まれたのがこの「Hummingbird」だ。ハンドルからトップチューブ、タイヤまでが美しい弧を描く特徴的なフォルムでありながら、競技用のピストバイクとして使用できるほど緻密な設計は、フレームビルドをミリ単位で調整しながら全て手作業で行うケルビムだからこそ成せた技だろう。レトロモダンをテーマに作られた本作は、伝統技術と現代デザインが美しく融合した逸品となっている。2012年に発表され数々の賞を受賞した本作。今年12月から市販用特別モデル (HummingbirdKEIRIN)の受注生産を開始するとのこと。中々手軽に購入できる価格ではないかもしれないが、その人によって細かく調整することで出来上がるフレームは世界で一つのものとなる。この自転車をお借りする際お店の方とお話をさせていただいたが、言葉の一つ一つから自転車に対する真摯な愛情が伝わってきた。きっと最高の1台を完成させてくれるはずだ。
Photo Taijun Hiramoto | Text Katsuya Kondo |