Outdoor Products
自然をさらに楽しむための デザインの良いアウトドアプロダクト
自然をさらに楽しむ
太古の昔より人間は自然の中で生きてきた。人間のプリミティブと言えるアウトドアライフ。ここからはそんな2つの事柄をより豊かに楽しませてくれるモダンなプロダクトを紹介していこう。最先端の知恵と技術を駆使し、“使いやすさ”と“長く愛せる”という両面から考えられたデザインは、環境への負荷を軽減するという現代のSDGs的な考え方にもつながる。機能性はもとより、見た目にも美しいアイテムは、自然を楽しむ時間をさらに魅力的なものにしてくれるはずだ。
自然で過ごす時間を
良いデザインとともに
新型コロナウイルスの蔓延によって、人々の暮らしが見直された現代。よりプリミティブな暮らしを求めるムードの中で、自然とともに過ごすアウトドアがブームとなっているのは必然だったと言える。そんな無数のアウトドアブランドが注目を集める2022年。デザイン性にもこだわり、長く使える美しいアイテムをセレクトし、生み出しているプロジェクトがある。プロジェクトの名前は“wanderout(ワンダラウト)”。“wander=放浪する”、“out=外”という意味が込められ、自然との共生を考え、独自の発信を行うそのアクションとプロダクトを紹介していこう。
長く使える美しいアイテムで
人と自然の共生を考える
ワンダラウトは2020年にスタートしたプロジェクト。発信はインスタグラムとWEBのみ。だが、そこでピックアップされるモダンで考え抜かれたプロジェクトは、アウトドア業界はもとよりファッション業界にもじわじわと浸透し、一部の商品は発売後即完売という状態が続いている。なぜワンダラウトのプロダクトは、注目を集めるのか。その大きな理由の一つが、デザイン・ファッションの視点が入った“自然と調和する美しいデザイン”だ。
例えば彼らの代表作であるユニバーサルスタンド。コンテナから薪まで、アウトドアで使用するさまざまなモノを置くために生み出された道具だが、このプロダクトの発想の根源は“足元をかくる魅せることによって、その佇まいは美しく調和する”というデザインの考え方に基づいている。素晴らしいアウトドアブランドは数あれど、そのこだわりの機能は自然で遭難しないために生み出された、言わば生死に直結したもの。だが、ワンダラウトのプロダクトは、機能的でありながらも自然と調和する視点を取り入れた親しみやすさで我々を魅了する。あくまでも目の前に広がる景観を主役とし、自分たちらしく、自由にアウトドアを楽しむために。そんな考えのこもったアイテムで、日々ファンを増やしている。
また、自分たちで生み出す以外にも良いアイテムをセレクト、ピックアップしている彼ら。それらは決して最新のものだけではない。アルテックのクラシックボックスから、LEDランプまで、古き良きものも新しいものも合わせて提案を行っているのも特徴だ。一貫するのは機能美にあふれたミニマルなデザイン。それらを実際に手に取り、見てみるとアウトドアだけではなく、日常の家での暮らしに使えるアイテムが多いことに気づく。アウトドア用、家用と分けてモノを2倍にするのではなく、両方で使える良いアイテムを大切に長く使う。アウトドアを楽しむことによって、家の中でいらないものも見えてくるのだ。モノは少なく、シンプルに暮らす。このスタイルは、彼らが掲げる自然との共生ということにもつながる。豊かな生活を再編集していくのも彼らの役割だ。
自然の中で過ごす豊かな時間は、現代の都市生活では決して得られることのないかけがえのないもの。人間の根源に根ざしたアウトドアというライフスタイルはきっと一過性で終わることはないだろう。それを見据えて良いものを見極め、ライフスタイルを提供していくワンダラウト。良質なアウトドアのセレクトショップ的存在として、台湾の注目メーカーhxo designとのコラボレーションをはじめ、これからもさまざまな展開を考えているという。“人と自然が共生する社会のための羅針盤になる”というコンセプトを掲げ、自由にアウトドアを楽しむ提案を行う。現代の技術と考えを用いながら、人類の未来を考えた長く愛せる美しいそのプロダクトは、まさにフューチャープリミティブと呼べるのではないだろうか。
灯りの質にこだわり続ける照明メーカー、アンビエンテックのLEDランタン。金属削り出しのベースにソリッドなクリスタルガラスを採用した飽きの来ないシンプルかつクラシカルなデザインが魅力の1品は、温かみある電球色から本物の炎と遜色ないオレンジ色まで4段階変化のLEDで発光。パーツごとに修理ができる構造もポイントだ。
スウェーデンの老舗キッチンツールメーカーのヨナスのクックウェアは、北欧らしい洗練されたデザインと質実剛健な機能性が光る。持ち運びやすいようコンパクトさにもこだわって作られたピーラー、メジャースプーン、トングは、自然の調理の時間をさらに素敵に盛り上げてくれるはず。
2021年にスタートしたブランドYOOL(ユール)のチェアは、アウトドアはもちろん、家でも使いたくなるミニマルなデザインが美しい。綿100%の帆布、ホワイトアッシュ、レザーという天然素材を使用した温もりある1品は、座りやすさを追求した105度の背もたれが、自然の中でのリラックスタイムを演出してくれる。
アウトドアの必需品である蚊取り線香置きをモダンにアップデートした本作。南部鉄器のように美しいブラックが印象的な1品は、ハンドル部分には籐が巻かれており、金属のクールな質感と自然素材のコントラストが秀逸。ありそうでなかったクールな香遣は、リビングでお香やアロマを焚くときにもオススメ。
こだわりのヘアライン加工と美しい曲線が光る繊細な二重構造のチタンカップは、ビールにワイン、コーヒーからお茶まで、飲み物の温度を適度に保温してくれる。取っ手のないミニマムなデザインが洗練された印象も与える本作。手に取りやすい150mlの小ぶりなサイズは、スタッキングも可能で携帯性にとても優れている。
高い機能性とデザインで
愛され続けるパイオニア
日本生まれのアウトドアブランドとして、シーンを牽引し続けるスノーピーク。近年はその優れたハイエンドなデザインに再び注目が集まっているが、そんなブランドの代表作がこちら。焚火台という概念すら一般的でなかった20年以上も前から発売されている本作は、誰でも簡単に設営できる設計、高熱にも耐えうる厚さ1.5mmのステンレスボディ、シンプルかつクールなルックスなど、機能美を備えたデザインが魅力的。地面にダメージを与えず、撤収も便利なプロダクト。長く愛され続けるのも頷ける時代を超えたフューチャープリミティブなアイテムだ。
ミニマルな見た目が光る
何かと使えるマルチテーブル
ユナイテッドアローズ初のアウトドアレーベルとして昨年デビューし、セレクトショップならではのセンスあふれるプロダクトで人気を集めているコティビューティ&ユースから、ガレージブランド38explore(サーティエイトエクスプローラー)とのマルチテーブルをピックアップ。熱による変形も少ないタフな作りと、モダンな見た目が魅力の1品は、何かとモノを置きたいアウトドアライフで重宝する。サイドバーを取り付ければランタンハンガーとしても活用可能。荷物を極力減らしたいという要望に応えるコンパクトにまとめられるデザインも嬉しい限り。
自然の温もりを感じる
美しいランプシェード
商品化には不向きな国産木材を使用したプロダクトで、新たな木の価値を生み出す新ブランドとして先日誕生したキーノ。林業とも密接に関わり、サステナブルを実践する本ブランドから、コティビューティ&ユースとのコラボアイテムに注目したい。松枯れに直面する長野県のアカマツを使用したこのランプシェードは、木の温もりあふれるシンプルなデザインが美しい。先端技術を搭載したコンパクトなミニLEDランタンの光を暖かく包んでくれる本作は、アウトドアはもちろん、家のリビングやバスルームなど、日常のさまざまなシーンで自然を感じさせてくれる。
自然の中にオフィスを作れる
現代の好プロダクト
コロナの影響で働き方も一変し、“リモート”、“ワーケーション”という言葉も一般化した現代。そんなライフスタイルにマッチするアイテムをピックアップ。カーハートWIPとヘリノックスのコラボレーションで生まれた本作は、“フィールドオフィス”の名の通り、素早くパッキングして持ち運べる軽量なワークスペースとして機能する。15リッターのカーゴバッグとサイドテーブルを備え、モジュール式で様々なセッティングが可能なので、屋外でさっとPCを開くことだって可能。アウトドアで仕事をする。そんな働き方もフューチャープリミティブと呼べるだろう。
合理的デザインが魅力の
スタックアップコンテナ
多くの荷物を入れたり、簡易テーブルとして使ったり。快適なアウトドアライフをサポートするコンテナ。タフさ、容量、デザインなど選ぶポイントは数あるが、ライクイットのコンテナは、その全てを兼ね備えた未来的な見た目がポイントだ。スタックアップしやすい細かなジグザクデザインが印象的な1品は、同デザインのインナーボックスと組みわせることで、中を仕切り、整理することも可能。開閉のしやすいロック付きフタ、持ち運びやすいハンドルなど優れた高機能デザインは、アウトドアはもちろん、日用品を整理できるアイテムとしても使えそう。
吸水・速乾性に優れた
クールなオーガニックタオル
汗を拭いたり、頭に巻いたり、アウトドアにおいて何かと必要なタオルだって、せっかくなら機能性も高い洒落たアイテムを使いたい。そんな欲求を満たすアイテムがこちら。N.ハリウッドとオーガニックタオルブランド、ヒポポタマスとのタッグで作られた本作は、自然の中にマッチするタフなミリタリーカラーと長めのサイズ感が嬉しい。オーガニックコットンと竹繊維で作られており、自然由来の高い吸水性と速乾性もポイントだ。シンプルな1枚の布に多くのアイディアが詰められた本作は、屋外のさまざまなシーンで活躍してくれるはず。
Photo Taijun Hiramoto | Edit Satoru Komura |