T.T Coal Bag

侘び寂びの佇まいと ヘビーデューティなタフさ

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

Bag ¥52800 by T.T

バッグを使い分けるのが面倒で、どこに行くにも、何をするにもほぼ同じバッグを使ってしまう。ショルダーバッグやバックパックなど時期と気分によって形は変わるのだが、これまで使い込んできたバッグに共通するのは、タフで大容量、そしてシンプルであること。バッグはものを入れて運ぶための道具だから、「ものが入らない、入れすぎて壊れそう」となるのがいやなのだ。今使っているバッグもいいアジを出してきたので、新たなバッグを探してしばらくさまよっていたのだが、最近見つけたのがこのT.Tのコールバッグ。見るからにタフな厚手のキャンバスとリベットはまさにヘビーデューティで、マチが広く自立する姿は勇ましくすらある。さらに惹かれたのはそのルーツで、石炭がまだ一般的に使われていた1920年代に大量の石炭を入れても壊れないようにと使われていた簡素なバッグを参考にしているという。使い込むごとに経年変化するであろうアイボリーの色味やキャンバスの質感を想像するだけでも楽しくなるし、T.Tらしい侘び寂びを感じさせる佇まいが絶妙だ。

Photo  Taijun HiramotoText  Yutaro Okamoto

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