Cherry Los Angeles

ノスタルジーをキーワードに 現代のアメリカーナを提案

服、店、ビジュアル全てで魅せる
古き良きアメリカのノスタルジー
今のアメリカーナはどうあるべきか?

「ロサンゼルスで今、勢いのあるお店はどこなのか?」と出会った人々に聞いて回るとみな口を揃えたように、「チェリーは行ったか?」という答えが返ってきた。“チェリーロサンゼルス”というこのブランドは、2017年にJoseph Perez(ジョセフ・ペレス)とDavid Levy(デイビッド・ レビー)によってスタートし、昨年6月、メルローズに旗艦店をオープン。過去には原宿のユナイテッドアローズ&サンズでもポップアップストアを行っていたこともあり、日本でもコアなファッションフリークたちによって支持されているブランドである。数多くあるロサンゼルスのブランドの中でも、このチェリーが抜きん出ている魅力はというと、カウボーイなどのワークやオーセンティックなスポーツの要素など古き良きアメリカのクラシックなスタイルの提案力、そして彼らが表現する作り込まれたシーズンビジュアルの世界観であると感じる。チェリーというブランドを始めたきっかけをデイブに質問すると、「今の時代にアメリカーナはどうあるべきか?というビジョンを表現したかったのですとの答え。ボーダーなき現代において、私たち日本人からしても正に“アメリカ”を体現すると感じるブランドの根底には、こうした作り手のビジョンがあったからだ。加えて、コンセプトについては、「チェリーというブランドを簡単に説明するとしたら、ヘリテージ+ノスタルジー+クオリティ+ディテールへのこだわり、といったところでしょうか。ノスタルジックなイメージを見た時に呼び起こされる感情というものがあります。その感情をクラシックなシルエット、現代的な生地と生産工程をミックスすることで、質の高い衣服として生産していきたいと考えています。チェリーの服を着てくれた人がその服と共に物語を歩んでいける。そんなタイムレスな作品を作っていきたいと思っています」と話す。
チェリーにとって、このノスタルジーという言葉はとても重要なキーワードのようだ。シーズンビジュアルに登場するカウボーイやカウガール、レーシングドライバーなどは、モデルや小道具、仕草もリアル。現代的なファッションとしての表現よりも、リアルさを追求してビジュアルが作られているが、それには世界観により没入してノスタルジーを感じてもらうためにそれぞれの専門家に依頼して徹底的にストーリーや人間像、正確性のある服装や小道具を作り込んでいるからだという。

チェリーの店内の中央に置かれた1965年製シボレーのピックアップトラックC10。2021年末には、これと同じ一台を抽選で譲るというイベントを行って話題となった。チェリーらしいアメリカンなテイストが漂う車のチョイスに、キーカラーの赤がお店に映える。

今の東京を代表するグラフィックアーティスト、ヴェルディとのコラボレーションTシャツもお店で販売。両者は長い付き合いだという。取材のタイミングでもヴェルディによるサイン会を行われていた。過去にはチェリーが日本でポップアップしたこともあり、「日本との繋がりも深い」とデイブ。
コレクションの延長線にある
没入感のあるお店の空間作り

チェリーがストーリーを描く上で大切にするこだわりは、お店作りにも表れている。 ストリートからハイブランドまで、多くのファッションブティックが立ち並ぶ、LAの中でもハイエンドなエリア、メルローズにお店を構えているチェリー。この場所に昨年、旗艦店をオープンしたのは必然であったとデイブは話す。「私たちはロサンゼルスで育ち、これまでに影響を受けてきたインスピレーションのほとんどは南カリフォルニアのカルチャーによるものでした。また、ロサンゼルスは全米でも最も優れた衣料品製造の本拠地でもあります。これまでにもLAやNY、東京でポップアップをしてきましたが、LAを拠点とするブランドとして、私たちを育ててくれたこの街で最初の店舗を構えたかったのです」。
手描きのサインペインティングで“CHERRY”と描かれ、外観からこだわりを感じられる旗艦店に入ると、真っ先に目に映るのは、真っ赤なシボレーC10ピックアップトラック。ナバホ族のラグやパインウッドの丸太を積み上げたカントリー感のあるフィッティングルームなど、チェリーが大切にするノスタルジックなアメリカンの世界をさらに強調する要素がインテリアにもふんだんに落とし込まれているのが伝わってくる。「ショップはコレクションのストーリーの延長線上にあるようなインテリアにしました。コレクションごとに常に変化をさせていて、2022年秋冬の“Sweet Tooth” コレクションの時には、ショップの中央にシャベルを置き、レーシングドライバーのキャラクターによるステッカーを貼りました。プロダクトやビジュアルだけではなくて、ショップに来てくれた人がタイムスリップしたような感覚になれるお店を目指しています。これからも、より没入感があり、インタラクティブな体験ができる空間を提供していきたい」。
古き良きアメリカ。憧れを込めて日本でもよく使われるこの言葉だが、彼らもこのノスタルジーに影響され美意識としてクリエイションを行っているところが面白い。根本となる哲学からアウトプットまで一貫したものづくりがあるからこそ、今、誰もが太鼓判を押すブランドとなっているのだ。

2階にあるフィッティングルームは、パインウッドの丸太を積み上げて作られており、アメリカのカントリーサイドを彷彿とさせるインテリアとして、チェリーらしさに繋がっている。
トラディショナルで品質の良いアメリカンカジュアルが揃う店内。小物類も充実しており、ついつい商品に手が伸びてしまう。

at Melrose

Cherry Los Angeles
8475 Melrose Ave. Los Angeles, CA @cherrylosangeles

Cherry Los Angeles
https://cherryla.com/

Instagram
https://www.instagram.com/cherrylosangeles/

Photo Shunya Arai
Coordinate Daiki Fukuoka
Interview Shohei Kawamura Text Takayasu Yamada

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