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OXNARD Anderson Paak

OXNARD Anderson Paak 3rd album Released 16 November 2018
Length 56:19 Label Aftermath , OBE,
12 Tone Music Group, ADA

OXNARD Anderson Paak

OXNARD Anderson Paak 3rd album Released 16 November 2018
Length 56:19 Label Aftermath , OBE,
12 Tone Music Group, ADA

Dr.Dreは「音楽の未来だ」と言った
今年は様々な変化の年だったと思う。そんな年には歴史を刻む音楽が出てくるものなのか。2018年は、このAnderson Paak(アンダーソン・パーク)のアルバム『OXNARD』が出たことで最高の締めくくりになるだろう。 10月にアンダーソン・パーク自身のインスタグラムでKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)との曲『Tints』がリリースされることが明らかにされ、そのリリース後はラジオなどでヘビーローテーションされた。

 

『Tints』がいかに素晴らしい曲であるかについては言及するまでもない。僕はラジオ好きなのでほぼ毎日聴いているけれど、日本のラジオで、いわゆるヒップホップ・ソウルの海外アーティストの曲がヘビーローテーションされることはここ数年なかったはずだ。彼の存在感から言って、コマーシャル的なプロモーションとも思えないし、ラジオのDJたちもこの曲を伝えなければという純粋な気持ちだったのではないかと、勝手に良い想像をしたものだ。

 

2018年のフジロックの主役はなんと言ってもケンドリック・ラマーだったはずだ。現役最強のラッパーにして、先鋭的な音楽家として誰もが認める彼の来日初ライブに音楽ファンの注目が集まった。そんなフジロックでベストアクトと言われる最高のパフォーマンスを披露したのがアンダーソン・パークだ。それもそのはず、このテクノロジーの発達しまくった現代に自らドラムを叩き、ラップをし、歌い、彼にしか表現できないグルーヴを作ったからだ。『これこそが音楽である』。そんな風に感じさせられたステージだった。

 

その後、彼の評判は広がり音楽通の中では最も注目されるアーティストとなっていた。そしてまだその余韻も冷めぬ中に発表されたのがケンドリック・ラマーとの楽曲だった。アンダーソン・パークは現代を代表する音楽家になることがすでに約束されたかのようだった。

 

アンダーソン・パークは1986年2月8日生まれ、カリフォルニア州オックスナード出身のシンガー・ソングライター、ドラマー、プロデューサー。フィラデルフィア出身の黒人の父親と韓国出身の母親を持つブラックコリアンの家庭で育つ。幼少期より教会や結婚式のバンドなどでドラムを叩いていた。2011年頃に仕事を解雇されホームレス状態だったところをSa-RaのShafiq Husayn (シャフィーク・フセイン)にアシスタントして雇ってもらい、シャフィーク・フセイン作品に関わる。当初はBreezy Lovejoy(ブリージー・ラヴジョイ)名義で活動していたが、2014年よりアンダーソン・パーク名義に変更。『Venice』でアルバム・デビュー。今考えれば、もうこの頃には将来を約束されていたと言っても過言ではなかった。その頃Dr.Dre(ドクター・ドレ)と出会い2015年に発表された『Compton』で6曲もフィーチャリングされた。そしてドクター・ドレはアンダーソン・パークを「音楽の未来だ」と言った。2016年には2ndアルバム『Malibu』をリリース。グラミー賞の「ベストニューアルバム」、「ベストアーバン」にノミネートされる。

 

そして満を持して発表されたのが、この『OXNARD』だ。フィーチャリングのクレジットを見るだけでも、このアルバムを手に入れなければならないと思う人は多いだろう。Dr.Dre(ドクター・ドレ)、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、Q-tip(Qティップ)、ケンドリック・ラマーをはじめ、これが歴史だと言わんばかりのメンツが参加している。そしてヒップホップ、ブラックミュージック、ジャズの歴史を遡り、音楽の未来を探す。そんな内容だ。このアルバムは単にヒップホップ、ブラックミュージックの系譜だけで語られるには惜しすぎる。あるインタビューによると彼はレディオヘッドを聴いて音楽に興味を持ったそうだ。そんなエピソードからも、全ての音楽ファンに届いて欲しいと思うのは僕だけではないはずだ。本来はレコードで買いたい音源のみを紹介する企画だが、原稿執筆中の現在、アナログ盤は存在していない。が、2019年の1月上旬に発売されるようだ。アナログレコードを手に入れる日が待ち遠しい。

 

アンダーソン・パーク
1986年2月8日生まれ、カリフォルニア州オックスナード出身のシンガー・ソングライター/ドラマー/プロデューサー。2ndアルバム『Malibu』で第59回グラミー賞、最優秀新人、最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバムの2部門にノミネート。

 

Select & Text Takuya Chiba

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