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The Future of Fashion
Yʼs 1972

環境問題への意識が高まる現代において、かけがえのない自然の魅力について改めて意識することが増えたのではないだろうか。自然と触れ合うこと、五感で感じられるもの、人間らしいプリミティブなテーマを持ったモノやコトは、今の時代に欠かすことのできない心の贅沢と言える。そうした中で、自然環境に対して負荷が多いアパレル産業なだけに、多くのブランドやメーカーが問題意識を掲げて実践を行っている。環境に配慮した生地を使うことは当たり前になりつつある今、プリミティブなものと向き合う新しいアイディアやテクノロジーも進化をし続けているのだ。そうした先を行くコンセプトを持って作られるプロダクトをこの章では紹介。これからの時代におけるもの選びの1つの指針になれば。

The Future of Fashion
Yʼs 1972

環境問題への意識が高まる現代において、かけがえのない自然の魅力について改めて意識することが増えたのではないだろうか。自然と触れ合うこと、五感で感じられるもの、人間らしいプリミティブなテーマを持ったモノやコトは、今の時代に欠かすことのできない心の贅沢と言える。そうした中で、自然環境に対して負荷が多いアパレル産業なだけに、多くのブランドやメーカーが問題意識を掲げて実践を行っている。環境に配慮した生地を使うことは当たり前になりつつある今、プリミティブなものと向き合う新しいアイディアやテクノロジーも進化をし続けているのだ。そうした先を行くコンセプトを持って作られるプロダクトをこの章では紹介。これからの時代におけるもの選びの1つの指針になれば。

Yʼs CRAFTED BY MACKINTOSH
マッキントッシュの伝統と歴史が生んだ新素材のレインテッククラシックが、ワイズ特有の分量使いをしたコートを成立させた本作。新素材だからこそ、これまでにないクリエイションが可能となっている。

 

ファッション界の生ける伝説、山本耀司が創設した最初のブランドであるワイズが今年で50周年を迎えた。アニバーサリーを記念して「Y’s1972」とカテゴライズされた様々なカプセルコレクションが発表されているが、中でも特に目を引いたのがこのコート。
 
イギリスの老舗アウターウエアブランドマッキントッシュとのコラボレーションアイテムだが、ワイズとマキントッシュのブランドアイデンティティが共鳴したのは自然な流れだろう。実は2013-14秋冬でもこのコラボレーションが行われているが、今回のそれはフューチャープリミティブなアイテムだと感じた。マッキントッシュと言えば防水性の高いゴム引き生地「マッキントッシュクロス」が代表的だが、高い防水性のかわりに透湿性の低さがネックだった。その弱点を改善すべく開発されたのが、このコートに使われている「レインテッククラシック」。透湿防水フィルムを採用したこの生地は、ゴム引きに劣らない防水性を持ちつつも、透湿性や撥水性、軽さ、しなやかさを兼ね備えている。200年近くの歴史を誇るマッキントッシュの未来の定番となりうる素材だ。
 
ワイズの服の特徴の一つとしてドレープ感が挙げられるが、マッキントッシュの従来のゴム引き生地はワイズ特有の分量の多い生地使いをすると、どうしてもコートが重くなってしまう。新素材のレインテッククラシックは高機能且つ軽量化されているため、ワイズのビッグシルエットやドレープのある服型の実現を可能にしたのだ。機能性や実用性をキーワードとするワイズにとって最適な素材と感じる。実際、レインテッククラシックというハイテク素材の質感とワイズのデザイン性が化学反応したこのコートには未来の作業着のような雰囲気が漂っている。
 
ワイズは、マッキントッシュのレインテッククラシック素材のアイテムには通常施されないクラシックなゴム引きコートの要素をあえて取り入れている。「止水テープ」がその一つだ。全て職人の手作業で施されるクラフツマンシップの宿るこのディテール。通常、このテープのラインが目立たないようにコートの裏地には濃い色が用いられるが、ワイズは逆に目を引くように白やベージュといった薄い色を用いて、肩や背中など服に走る止水テープのラインをデザイン表現に逆転させたのだ。コートはリバーシブル仕様で、この裏地のデザインを余すことなく楽しめるようになっている。マッキントッシュの伝統と革新性、ワイズの「人の手」を基にする創造性。それを改めて結び付けた新素材。フューチャープリミティブなアイテムは技術の進歩と「人」が共にあることが改めて実感できるコートだ。

 
 
 

Photo Riku Ikeya
Styling Ryota Yamada
Hair & Make-up
Yoko Hirakawa
Model Natanael
Edit Yutaro Okamoto
This article is included in

Silver N°17 Autumn 2022

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