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WACKO MARIA × RAGE AGAINST THE MACHINE

WACKO MARIA × RAGE AGAINST THE MACHINE


 
レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンとワコマリア、このコラボレーションには深い意味とストーリーがある。現代にはいろんな服があり、値段の高いもの、安いもの、レアなもの。話題になる様々なコラボレーション。本当にたくさんのものに溢れている。ただ、その中でも一番大切なのは意味のあることだ。ストーリーや意味のあるものはお金以上の価値を持ち、時間に風化されないものになる。
 
「GUILTY PARTIES」。ワコマリアに触れたことのある者なら誰しもが知っているこの言葉。ブランドロゴよりもグラフィックとして登場することが多く、ワコマリアの代名詞的なキーワードだ。実はこの言葉こそがワコマリアとレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを繋ぐ言葉なのだ。
 
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは1990年にロサンゼルスで結成。政治的思想を持つメッセージとロックとヒップホップの融合、ミクスチャーと呼ばれる特徴的なサウンドでデビュー時から世界中の音楽ファンに鮮烈なイメージを植えつけてきた。マルコムXやチェ・ゲバラ、マーチン・ルーサー・キング・ジュニアなどから思想的影響を受け、無料の反戦ライブを行ったり、音楽の枠にとどまらない活動をしている。90年代に敏感な感覚を持っていた若者たちは、誰しもが影響を受けたといっても大げさではない。ワコマリアのデザイナー森敦彦もその一人であり、思い入れは人一倍だった。「ブランドをはじめてからずっとコラボレーションしたかった」と語るように、このコラボレーションは、まさに念願のものだ。
 
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの熱心なファンなら、もうお気づきかもしれない。彼らのCDのブックレットをめくっていくとスタッフクレジットのページがある。バンドメンバーを紹介する部分だ。そこに記されている言葉こそが、「GUILTY PARTIES」だ。日本語に訳すと「共犯者」。レイジはバンドメンバー、スタッフたちを共犯者、世に対して真っ当なアンチテーゼを発信する共犯の家族と記したのだ。そこにインスピレーションを受けた森はワコマリアの活動と、その意思を共にするものたちをイメージし、
「GUILTY PARTIES」という言葉を使ってきたのだ。

 
そのレイジはこの2020年に復活することが決まっている。2000年に解散し、2007年に再結成したが2011年以降は再び休止していた。2020年の大統領選挙に向けて活動を再開したのではという憶測もあるが、あながち間違いではないだろう。彼らの活動と政治的なメッセージは一心同体だ。そんなメモリアルな年にコラボレーションを果たすワコマリア。思いの強さが、記念すべきタイミングで実現させたのだろう。
コラボレーションをキッカケにして、ファッションを通して、今で接したことのないカルチャーに触れることができる。それは様々なカルチャーを縦横無尽に行き来できる洋服カルチャーの魅力のひとつだ。この機会にリアルタイムではない世代にもレイジの音楽に触れてほしい。彼らの叫び、熱量、そこにはストリートの本質とも言えるレベル(反骨)のマインドが全て詰まっている。そして、そんな自分の好きなカルチャーをみんなと共有したい。世代を超えた最高の音楽に出会ってほしい。これこそはワコマリアの本望であり、デザイナー森のライフワークそのものだろう。
 
ワコマリアがコラボレーションをする相手は常に真っ当なリスペクトの精神とピュアな愛情から生まれている。単純な話題作りのためのハイプなコラボはひとつもない。改めてワコマリアの服たちを見てほしい。決して高級メゾンのような繊細な服ではない。けれど作る洋服すべてに好きな音楽、アートの香りがする。そんなブランドはなかなかないはずだ。ワコマリアの服たちには意味があり、その服を着るということは、意思のない世の大勢とは違う芯のあるスタイルでいることを約束した共犯者のようなものなのだ。

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