Loading...
  • EN
  • JP

THE NORTH FACE × HYKE Ryo Takanashi 08
Hideaki Yoshihara 09
Interview about “Creation of Collaboration”

THE NORTH FACE × HYKE Ryo Takanashi 08
Hideaki Yoshihara 09
Interview about “Creation of Collaboration”

コアなファッション好きを唸らせた
傑作コラボレーションを終えて

孤高のアウトドアブランド、ザ・ノース・フェイス。その完成したプロダクトは、自然環境での使用でなくても街着として人々に愛され続けているのは周知の事実。そんなザ・ノース・フェイスの近年のトピックスの中で最もファッション好きの注目を集めたのが、ハイクとのコラボレーションではないだろうか。2018年春夏から2019年秋冬までの4シーズンに渡り展開されたこのコラボレーションは、店内の混雑を防ぐため抽選による入場制限があり、人気商品はいずれも即完売。なぜこのコラボレーションはコアなファッションファンを唸らせたのか。ザ・ノース・フェイスの事業部長である髙梨亮とハイクのデザイナー吉原秀明に一連の背景を訊いた。

Left 吉原 秀明: 前進のブランド“green”を経て、大出由紀子とともに2013年から“HYKE”を開始。“HERITAGE AND EVOLUTION”をコンセプトに、服作りをおこなう。 Right 髙梨 亮: ザ・ノース・フェイスのブランド全体を通してディレクションを手掛ける。“HYKE”とのコラボレーションでもブランドを代表して製作を率いた。

 

相手のブランドに愛情があるかが
現代のコラボレーション市場に重要

 
―まず今回のコラボレーションの経緯を教えてください。
 
吉原 ハイクを立ち上げる直前、2012年頃の話です。ザ・ノース・フェイスの仕事に関わっている友人とキャンプに行く機会があり、その時に「一緒に何かできたら良いね」という話がありました。その後、実現に向けてミーティングを重ねたのですが、その時はザ・ノース・フェイスの求めることと、自分の描くイメージが一致しなかったこともありコラボレーションを見送ることになったのです。そして2013年の秋冬シーズンにハイクを立ち上げ、しばらくして、2017年頃に髙梨さんからコラボレーションのオファーを頂きました。その時には、お互いのイメージがぴったりと合い、実現へと繋がりました。
 
髙梨 ザ・ノース・フェイスは、日本だと男性が着るブランドのイメージが強いと思うんですが、欧米や韓国などでは男女の着用比でいうと均等なくらい女性にも多く親しまれています。日本でも女性にザ・ノース・フェイスのプロダクトをもっと着てもらえたら、と考えていたんです。そういった考えもあり、ハイクとのコラボレーションに繋がるわけですが、数あるウィメンズブランドの中でもハイクと組みたいと思った理由は、やはり物作りにあります。色使いからディテールなど、ウィメンズブランドでありながら、男性的な細かいこだわりを感じていました。僕も過去にヴィンテージの仕事をしていた経験もあるので、マニアックな部分で作りに共感をしていたんです。
 
吉原 僕自身がザ・ノース・フェイスのプロダクトを普段から着ています。ザ・ノース・フェイスの魅力は、作り手目線になってしまいますが、素材やファスナー、ボタンなどの付属類、縫製仕様など新しく見たことがないものを見つけることが多く、その取り入れ方が綺麗で上手いなといつも感心していました。コラボレーションのパートナーを決めるときに、自分の中で大切にしたいことは、相手のブランドのことが好きかどうか。実際に自分で使っていて愛着や愛情があるものか、ビジネス的な気持ちだけで作ったものとデザイン、プロダクトの完成度に大きな差が生まれます。様々なブランドのコラボレーションが溢れる今の時代において、その差を意識することはとても大切だと思います。
 
―プロダクト製作のストーリーを聞かせてください。
 
吉原 コラボレーションに個性や存在意義を持たせる為に、まずザ・ノース・フェイスに有って、ハイクには無いもの。ハイクに有って、ザ・ノース・フェイスには無いものを見つけることから始めました。前者では、用途に応じたデザインワークや素材、縫製仕様など現在のザ・ノース・フェイスの持つ技術を取り入れる為、展示会やプレスルーム、富山の縫製工場、テックラボに伺い色々と学ばせてもらいました。後者では、キーカラーの選び方やアウトライン、サイズバランスの部分でハイクらしさを感じさせるアプローチを試みました。お互いのブランドのインラインと同化したアイテムを作っても意味がないですし、でも、有ったとしても不思議ではないという中間に存在するものをイメージして進めていきました。
 
髙梨 ザ・ノース・フェイスの最大の魅力は機能性だと思うので、使用する生地や行程など機能面を発揮できるよう考えました。お互いが自然な流れで互換し合って出来たコラボレーションだと思います。
 
吉原 ハイクで服を作っていても日々、新しい技術や発見はあるのですが今回のコラボレーションで新鮮だと思ったのはザ・ノース・フェイスの工場に入らせてもらった時です。例えばファスナーの使い方など素材や付属類の進化に合わせて要所ごとの細かな部分で縫製仕様だけを研究している技術者がいるということを知り感銘を受けました。また、その側で全国から寄せられた修理依頼の服を丁寧に修理している場所もあり、その姿勢にザ・ノース・フェイスの製品に対しての奥深さと強さを感じました。
 

ありそうで無い、ちょっとした変化

 
―デザインについて聞かせてください。
 
吉原 最初に大まかな型数など枠組をもらい、それに沿うようにハイクでアイテム構成や企画、デザインを進めました。素材選びは展示会やプレスルームに伺いデザインの方向性を絞ってイメージを伝え、素材を集めていただきその中から決めて行く流れでした。色選びは、最初から4シーズン分の大まかなキーカラーを想定していました。シーズンごとに使う色を極力絞り込み、ハイク的かつザ・ノース・フェイスに有りそうで無い色選びとカプセルコレクションという小さな集合体で表現することで、インラインからのズラしによる個性を表現出来れば良いかなと思っていました。
 
髙梨 様々な色がザ・ノース・フェイスでは使われているので、今回のコラボレーションで使用しているサンドベージュやアーミーグリーンのような色もこれまでのプロダクトに近いものはあるんです。でも今回のコラボレーションのようにラインナップでこういった色を揃えることは無かったので新鮮でした。
 
吉原 素材的には、ラストシーズンが特にこだわりましたね。企画内容に最も最適なゴアテックスの素材を使わせてもらいました。ゴア社の素材は、防水機能に関係するためデザインや仕様に対しての色々なハードルがあり、これまで使ったことがなく、それが使えたということは単純に喜びでした。

Related article