「春夏のパリのコレクションに行ったのですが、ただのレギュラーシャツではなく、袖にボリュームがあったり、ディテールがあったりする白いブラウスがとても私は気になりました。これはシャツではないけれど、誰もが1枚は持っているベーシックな白いシャツの上にこんな過剰なまでのフリルを首や袖などに加えれば、そんなエッセンスが感じられて素敵かなと思いました。ここで紹介したアイテムの他にも前立てだけのものや素材違いのものが展開されているので、そちらも気になっています。過剰なまでのフリルって可愛らしいという領域を超えた独特な世界観がありますよね。コーディネートするときにスタイリングがおもしろくなるような気がするので好きなディテールの一つです」。
「ニナリッチは最近とてもとても好きなブランドです。デザイナーがルシェミ・ボッターとリジー・ヘレブラーという若いパートナー2人組に変わりました。新しいデザイナーが就任するファーストコレクションということで、秋冬のパリコレのランウェイショーを見に行きましたが、可愛くてビックリ。ニナリッチのフェミニンさを残しながらも、シャープでモダンな部分があって素敵でした。この白いブラウスは袖が立体的で肩が強調されていて、パフスリーブだけれど甘すぎなくてとても好きです。ショルダー部分はとても複雑な作りになっているのでシルエットも美しいですね。2人組であり、どこかにモダンさを取り入れるという意味では、ジル サンダーの2人と共通する部分がある気がしますね」。
「ジル サンダーも今本当にすごく好きなブランドです。私が可愛いと思うツボをしっかり突いてくる。このジル サンダー+のアンダーウエアはダーツがあって体に沿っていたり、胸の部分にステッチが施されていたり、シンプルですがデザインに気が利いてます。ヴィンテージの軍物のアンダーウエアにありそうな生地感もすごく好きですし、この白い素材に対してこのベージュのストラップも絶妙。ショーツもお腹まであってかわいい。ジル サンダー+は特に着心地の良いものが揃っていると思います。もっとデザインにひねりのあるジル サンダーのランウェイルックとはまた違って、体が自由になるような着やすい服が多いのも特徴だと思います」。
「ラルカ ブズラというスペインの女性アーティストが、ハンドメイドで1パーツずつ焼いて、繋いで作っているセラミックのブローチ。ロブスターのハサミや海草など、モチーフ選びもおもしろいなと思いました。立体的で大ぶりですが、体に沿うようにとても丁寧に作られています。コーディネートに取り入れるのは難しそうに見えますが、シンプルなジャケットにつけると意外としっくりくる。インパクトも与えられるのでいいと思います。こんなアートピースみたいなブローチは他にはないですよね。これはハイ&シークというセレクトショップのバイヤーの夏川イコさんに教えてもらいました。小さなお店ですが夏川さんの確かな視点で選ばれたアイテムが揃っているので信頼してます」。
Photo Taijun Hiramoto | Edit & Text Satoru Komura |