好きなワインが見つかったとき、「味はどうだったか?このエチケット(ラベル)はどういうカルチャーを映しているのか?」など、その感動を友人と共有することも楽しみの一つ。レコード屋で掘り出した名盤・珍盤を早く誰かに教えたい気持ちに近いのかもしれない。ここからは、日頃から多くのナチュラルワインを楽しんでいる8人のクリエイターにお気に入りの一本を紹介してもらう。彼らの話を参考にしつつ、自分なりのナチュラルワインとの付き合い方を探ってほしい。
「スタイリストの一ツ山佳子さんにナチュラルワインバーに連れて行ってもらったことがきっかけで飲み始めました。作り方や定義が独特だったり、エチケットが魅力的なことに惹かれています。インディペンデントなところがかっこいいですね。今回紹介するお気に入りの一本は、フランスで熱狂的な信奉者を多くもつクルトワ夫妻が作っているラシーヌの赤ワインです。赤ワインはそこまで好きではなかったのですが、友人からの勧めで飲んだこの一本に衝撃を受けて、赤ワインに対する概念が変わりましたね。そうやってナチュラルワインに詳しい友人と音楽を聴きながら、ワインに関するさまざまな話をして盛り上がる時間がとても心地いいです」。
南貴之
クリエイティブディレクターとして活躍。グラフペーパーやヒビヤセントラルマーケットのディレクションも行う。本誌連載企画の「ART & CRAFTS」では、工芸の可能性を広げる作品を紹介している。
Photo Tomoaki Shimoyama | Interview & Text Takayasu Yamada |