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C.P. COMPANY

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C.P. COMPANY

Jacket ¥157300 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

Shirts ¥88000 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

 

ブランドにおけるヘリテージと
ものづくりで大切にすべきこと

 

ブランド創設51年の歴史において、数多くのファッションスタイルやアパレルデザインに影響を与えてきたC.P. COMPANY。その革新を生み続けてきた歴史と止まる事のない進化は、ヘリテージとモダン、相対する両方の価値観で語ることができる稀有なブランドだ。これまでにも多くのプロダクトを世に出してきたが、どれもがどこかにC.P.COMPANYらしさを感じるのには創業者であるマッシモ・オスティが大切にしてきたデザイン哲学がある。「形態は機能に従う」という、有名なドイツのデザイン学校バウハウスの理念として使われる哲学がそれだ。C.P. COMPANYにおいて、受け継がれてきたヘリテージとはこの哲学とそれによって生まれてきた数々のアーカイブがそれに値する。そういったC.P. COMPANYが考えるヘリテージについて、ヘッドデザイナーを務めるポール・ハーヴェイはこう話す。

 

「『形態は機能に従う』という哲学とこれまでにC.P. COMPANYが作ってきたヘリテージのウエアは、僕たちにとってとても大きな要素だね。ヘリテージというのは、フットボールで例えるとフィールドのようなもの。ヘリテージというフィールドの中でこそ僕たちがプレイすることができるものだと思っている。ヘリテージと一言で言ってもいろいろなものがあるけれど、僕たちの服作りではそれらをどう見るかで変わってくる。例えば、過去のジャケットを参考にして新しいジャケットを作ることができれば、ディテールを活かしてスウェットシャツを作ることも出来る。ヘリテージは変わらないけれど、僕たちの見方が変わるように状況によってヘリテージから学ぶことは常に変わっていく。だから、大事ではあるけれどヘリテージに縛られたくないんだ。なぜなら、僕たちはヘリテージブランドではなく、常に現代のブランドでありたいからね」。このページで紹介をしているウエアは、2023プレスプリングシーズンで発売するメトロポリスシリーズと呼ばれるカテゴリーのものだが、これもまさにC.P. COMPANYの哲学が反映されたものだ。これまでにも4シーズン登場していたメトロポリスシリーズは、都市生活者に向けた機能的なウエアをコンセプトに作られ、撥水性や動きやすさ、収納力のあるポケットなど使いやすさと削ぎ落としたシンプルなデザインにファンの多いシリーズだ。「メトロポリスシリーズは、2000年に発売したメトロポリスジャケットを元に作られているんだ。その上で、新しくこのコレクションにおいて定義した考えがモビリティ(移動性)の高いプロダクトであること。街中でのモビリティってなんだろうと考えた。車に乗るのではなく交通機関や徒歩、自転車を使う都市のライフスタイルで、必要な機能を探していったところこういったデザインが生まれたんだ」。

 

ポールがそう語るように、メトロポリスシリーズのコレクションを見るとゴアテックスインフィニアムやHyST、C.P. COMPANYの特殊素材A.A.C.といった撥水性の高い機能素材に加え、街で役に立ちそうなポケットなどのディテールを多く見つけることができる。同ブランドではガーメントダイ(製品染め)をした独特なカラーリングも象徴的な存在であるが、メトロポリスシリーズでは白、黒、グレーというシンプルなカラーリングが特徴である。裾の後ろの部分は、スナップボタンによって丈を長くも短くもできる仕様になっていたり、ポケットは横や後ろについているものもあるがこのディテールについて、「これはサイクリング用の服からインスピレーションを受けて取り入れたんだ。丈を長くできるのは、自転車を漕ぐ時に前屈みになってもお尻を隠してくれる。後ろにあるポケットも自転車に乗った時に効果を発揮するディテールなんだ。そうやって、都市生活におけるモビリティを考えていったよ」と話す。

 

歴史に縛られることなく、常に前を向いていくC.P. COMPANYであるが、同社の有名なデザイン哲学として「我々はファッションを作っているのではない、プロダクトを作っているのだ」という言葉がある。今でも同ブランドのヴィンテージは、価値がついて高価で取引されているのには、そういったトレンドに従うことなく、時代が求める機能性に従い続けた結果生まれたデザインの革新性によるものだろう。「僕たちがファッションを追いかけていたらC.P. COMPANYであることを忘れてしまうだろう。勿論、トレンドが何かを知ることは必要だけど、追いかけてはいけない。それよりも僕たちが大事だと考えるのは半年後、1年後、5年後でも良いと思ってもらえるタイムレスなものを作ること。それはエコロジーの観点からしてもとても大事なことだと思う」。ヘリテージへのリスペクトは決して、過去の形を真似するだけが全てではない。C.P. COMPANYのプロダクトには、それが過去のアイテムだとしても、現代のメトロポリスシリーズだとしてもブランドの哲学がデザインに表れている。

Coat ¥128700 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

Jacket ¥128700 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

Sweatshirt ¥40700 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

 

ポール・ハーヴェイ
イギリス生まれ、ロンドンのセントラル・セント・マーチンを卒業後、1年間のトラックの運転手を経てファッションデザイナーの道へ。これまでにストーンアイランドやテンシーといった名だたるブランドのデザインも手がけてきた人物。2012年よりC.P. COMPANYでヘッドデザイナーとして活躍。

 

アレッサンドロ・プンゲッティ
C.P. COMPANYの前デザイナーであるモレノ・フェラーリの後継者として、2001年から2009年までヘッドデザイナーとして活躍。2012年より現在まで親交が深かったデザイナー、ポール・ハーヴェイと共同でC.P. COMPANYのヘッドデザイナーとして携わる人物。

 
 
 

Photo  Takaki Iwata Translation  Lisa Tanimura Interview & Text  Takayasu Yamada
This article is included in

Silver N°18 Winter 2022-23

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