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LIFE with GOOD DESIGN BRAND MYKITA

LIFE with GOOD DESIGN BRAND MYKITA

すべてを自分たちで作り上げるモダンマニュファクトリー

“モダンマニュファクトリー”というテーマを掲げ、独創的なアイウエアを製造するマイキータ。「手作りと高度なテクノロジーを分け隔てなく用いた多領域的アプローチを表す」というこの言葉通り、その製造過程においてはすべて人の手が加わっている。これは他のブランドと異なるマイキータだけのポイントだが、その理由は単純明快、機械だけでは繊細なデザインを具現化できないから。機械ができないなら自分たちでやるというインディペンデントな精神のもと、各工程に熟練した職人の手を入れ、精度の高いプロダクトが完成させている。極薄のメタルシートや3Dプリントなど最先端の技術を採用しながらも、手作業で仕上げる繊細なものづくり。この両立が唯一無二のアイウエアを支えているのだ。また、コンセプト開発から出荷まで、すべてがMYKITA HAUS(=マイキータハウス)という1つの建物で作られている点も忘れてはならない。この方式を採用した理由もまた、独創的なデザインを製品化できるカンパニーがベルリンになかったからという事情が手伝っている。自分たちで独自のツールとプロセスを作り上げたマイキータ。すべての部署の専門家が同じ屋根の下にいることで、新たなアイディアが生まれたら、それをすぐに試し、形にすることができる。そして、それは次の新たな発想へとつながっていく。専門的知識を持ったスタッフたちとクリエイティブなよい循環を生み出すマイキータハウスはブランドの大きな強みである。

Interview with Moritz Krueger
デザイン自体ではなく、優美で機能を果たすことが重要なのです

「熟練したクラフトマンシップと新しいテクノロジーの融合が、モダンマニュファクトリーの核心なのです」。モダンで美しく、そして機能的なマイキータのデザインプロダクト。その根幹にはモダンマニュファクトリーというコンセプトがある。冒頭の言葉は設立者であるモーリッツ・クルーガーが端的にその意味について答えてくれたもの。そして彼の言葉はこう続いた。「私達は、モダニストでありモダンマニュファクトリーとして、常に分野の垣根を越えた広い視点を持ちながらデザインをしています。新しいプロダクトやヒンジを作る時、他の産業や技術分野にも目を向けます」。スパイラルヒンジ、3D化された超軽量メタルフレームなど、アイウエアの常識を覆したその革新的なデザインを生み出した源は、広い視野にあった。またシンプルに機能美が表現されたデザインにはバウハウスの影響もあるという。「ベルリンを拠点として活動しているドイツ人の私達にとって、バウハウスの存在はとても大きく刺激的です。当時、バウハウスが生み出したデザインは斬新であり、建築に限らず、家具、テキスタイル、プロダクトのデザインなど、あらゆる分野を結集していました。一貫性のあるリテール環境を作ることを目指すマイキータの思想は、バウハウスの哲学と一致していると感じます。私達は、バウハウスの純粋でクリーンな面や厳格さに常に影響を受けています」。

アイウエア業界から来たクルーガーと彼のチームが「自分で何かを作りたいという純粋な願望」から設立されたというマイキータだが、そもそもなぜアイウエア作りを選んだのだろうか。単純にアイウエアの魅力について聞いてみると「私の中ではアイウエアはただの純粋なアクセサリーではないと思っています。メガネは洋服や他のアクセサリーよりも自分の考え方を表現できるからです」との答え。顔に装着するアイウエアは人の印象を大きく左右する。その大切なアイテムのデザインにこだわるのも至極当然なことであるといえよう。

選択したわけではなく、必要であったからという理由でマイキータハウスにて一貫した内部製造を行い、繊細な手作業を通してより精密な製品を完成させて来た本ブランド。少数からスタートしたチームも、現在マイキータハウスに勤めるスタッフは数百人を越える規模となった。数多くのファッションブランドとコラボレーションも行い、世界9カ国で13もの店舗を展開するまでに成長。そんな現在の状況は彼にとって思い描いていたものだったのだろうか。「正直に言うと、来年のこと、次の日のことさえも、思い描いたことはありません(笑)。マイキータが発展したのは自然な流れだと思います」。一歩一歩丁寧に成長のプロセスを重ねて来たからこそ、今がある。それはまるでマイキータのプロダクトづくりの過程のようでもある。

最後にクルーガーに「あなたにとってよいデザインとは?」という問いを投げかけてみると、こんな答えが返って来た。「私の日常を自然と充実させてくれるものがよいデザインだと思います。デザイン自体ではなく、その優美さに加え、エフォートレスで機能を果たすということが重要なのです」。ベルリンのクロイツベルグにあるマイキータハウスからは、そんな哲学が詰まったグッドデザインのアイウエアがこれからも次々と生み出され、そして世界中の人たちの日常を豊かに彩っていくことだろう。

モーリッツ・クルーガー
2003年。ドイツ・ベルリンにてマイキータを創設。美と技術を融合させたハイクオリティなプロダクトで世界中で人気を集め、現在はCEOとして、ブランドを率いている。

 

MYKITA JAPAN 03-3409-3783

 

Photo Toru Oshima (P118-P119) Alastair Wiper (P122 P123) Text Satoru Komura

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