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LIFE with GOOD DESIGN BRAND MYKITA

LIFE with GOOD DESIGN BRAND MYKITA

Top to Bottom    Eyewear ¥69120 by MYKITA  Eyewear ¥56160 by MYKITA & Bernhard Willhelm Eyewear ¥58320 by MYKITA  Eyewear ¥68040 by MYKITA + Maison Margiela (MYKITA JAPAN)

美と技術を融合させたアイウエア

アイウエアといえば複雑で精密な工業製品をイメージすることだろう。通常のアイウエアは、レンズに加えてテンプル、ブリッジ、パッド、リムなど様々な部位を様々な素材で作り上げ、ネジやハンダで接合し、1つのプロダクトとして完成するものだ。「人間の視力を補う、守る」という目的で生まれたこの小さなアイテムには、数えきれないほどの細かな工程が積み重ねられていることは想像に難くない。しかし、そんなアイウエアの常識をデザインの力で覆し、ネジを使わず1枚のステンレススチールシートですべてを作り上げてしまったブランドがある。ブランドの名前はMYKITA(=マイキータ)。アイウエア業界はもちろん、ファッションシーンからも高い注目を集めているので、その名を耳にしたことがある人も多いことだろう。マイキータはなぜ画期的なデザインが生み出せたのか。それについて語るには、その設立から遡る必要がある。

 

2003年、バウハウスの国、ドイツ・ベルリンにて産声をあげたマイキータ。アイウエアの業界から来たモーリッツ・クルーガーらによって立ち上げられたこのブランドは、まず一貫性のあるデザインコンセプトを作るため、インダストリアルの視点からデザインをスタートさせる。強いブランドには一貫したデザイン哲学があることをマイキータチームは最初から理解していたのである。その出発点が素材選び。多くの素材のリサーチをした後に、やがて彼らはステンレススチールというファブリックにたどり着く。耐久力がありつつも軽量で弾性があるこの素材を、超薄型に引き伸ばしてシートにしたのち、レーザーカッターで切り取り、折りや彫刻を施し(クルーガーの言葉を借りれば「まるで折り紙をするかのように」)立体化。1枚のシートから1本のアイウエアを作りあげることに成功する。マイキータの運命を変えた超軽量フレームのはじまりだ。

細く薄いステンレススチールを絶妙な角度で折り曲げることで、ヒンジの開閉を可能としたスパイラルヒンジ。特許も取得しているマイキータだけのオリジナルデザインは、社内のクオリティ・コントロールで厳密に検査されて製造されており、ネジを使用していないことで故障のリスクもグッと抑えられるという利点も持つ。繊細で美しいフォルムをさらけ出したそのデザインは、ヒンジはネジを使用して隠すというアイウエア作りの常識を打ち破る画期的なものだった。

 

マイキータのアイウエアを語る上でもう1つ欠かすことができないのが、ブランドの代名詞とも呼べるスパイラルヒンジ。ネジを使用しないというこの革新的なデザインもまた、ステンレススチールとの出会いによって生まれたものだった。通常フロントとテンプルをつなぐヒンジと呼ばれる部分には、テンプルを折りたたむというメガネの構造上の問題で、どうしてもネジが必要になってくるわけだが、マイキータはテンプルの先をスパイラル状に折り曲げ、フロント部分にはめこむというネジなし(スクリューレス)のデザインを考え出した。さらにポイントはこのスタイリッシュなスパイラルヒンジを隠すことなく、むき出しの状態で製品として完成させたこと。高い機能はデザインとしても美しいことを証明したのだった。余分な装飾のないシャープなフレームが演出するモダンなルックス。軽くて薄く柔らかいという素材の採用により、長時間かけても疲れにくく、ズレにくく、個人差のある顔のサイズにも柔軟に合わせられるという機能性。1stコレクションとして発表された革新的な30モデルは、伝統的なアイウエア業界で衝撃をもって迎えられた。まさに「技術的・構造的問題も美しいディテールに昇華する」という彼らのデザインモットーを見事に具現化したアイウエア。考え抜かれた美と機能性、それを実現させる高い技術。それらを融合させ、シンプルに表現されたマイキータのアイウエアをグッドデザインと呼ぶことに異論の余地はないであろう。

 

美とテクノロジーの融合をテーマに常に進化を続けるマイキータは、2011年には3Dプリント技術を用いて作った“MYLON COLLECTION”を発表。デジタルデータセットを基にレイヤーを作り、レーザーで焼結化させて作られたマイキータだけのマットな新素材は、アイウエア作りにおいて新たな可能性を生み出した。また、ダイバーシティが叫ばれる現代において、性別を限定しないのもこのブランドの特徴。クリエイティブな考えの詰まったよいデザインは性別をも超えて愛されることを証明し続けている。

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