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LIFE with GOOD DESIGN BRAND CHARLOTTE CHESNAIS

LIFE with GOOD DESIGN BRAND CHARLOTTE CHESNAIS

from Top L to R
Mini Petal Earrings ¥66960 Faust Ring ¥105840 Saturn Rings ¥70200 Yeo Ring ¥85320
Curl Earring ¥59400 Eclipse Ring ¥97200
by Charlotte Chesnais (EDSTRÖM OFFICE)
自由で知的な感性が生み出す曲線美

シンプルながら独創的な曲線が美しいシェイプと女性らしい繊細さが魅力のシャルロット・シェネのジュエリー。数え切れないほど存在するジュエリーブランドの中でも近年一際大きな注目を浴び、多くのファンを魅了し続けているブランドだ。デザイナーであるシャルロット・シェネは元バレンシアガのプレタポルテ、ジュエリーデザイナーとしての経歴を持ち、現在は自らのブランドを手がける女性クリエイターであり、3人の子供を持つ母親でもある。そんな彼女のクリエイティブ活動にはどのような考え、デザイン哲学があるのだろうか。

ブランドが立ち上がったのはわずか4年前。当時、バレンシアガで主に洋服やジュエリーのデザイナーとして、キャリアを積み重ねていた彼女であったが、徐々に自分の理想の物作りがどのようなものであるのか疑問を抱き始めたという。自分が本当に作りたいものだけを作りたい。そんな強い想いから、彼女はバレンシアガの卒業を機に自らのブランドをスタートさせた。「身につけて心から喜べるものが作りたかったんです。シンプルなデザインですが他には無いものを作りたいと思っています。私の会社はまだ小さいので少人数でブランドを動かしています。でもそのおかげで私自身の意見を100%貫き通すことができ、それは大きなブランドにはできない利点でもあると思います。現代はなんだか不必要に洋服が作られすぎているように感じますが、ジュエリーはむやみやたらに買い足すものでもないですよね。だからこそシャルロット・シェネは数十年先もタイムレスに大切にされるジュエリーでありたいのです」。そう語る彼女のコレクション発表は毎回新しいデザインが徐々に加わってはいるものの、定番のシリーズはコレクションを重ねても常に発表され続けている。それは彼女のタイムレスなプロダクトを目指すデザイン哲学の元に生まれた思考なのかもしれない。

 

シャルロット・シェネのジュエリーは、元素記号のように幾何学的な立体デザインも多い。理系の家系で育った彼女は、学生時代から数式を解いて遊んでいたというほど昔から数字や物理学的なことに精通していた。それが影響してか、彼女の興味は人間や宇宙の成り立ちや絵画よりも彫刻などの立体物へ向かっていったという。「美しいものを見つけたら常に頭の中に蓄えておくんです。デザインをする時になると蓄えていたものがちょっとずつ外に出てくるような感覚があって、自然と綺麗な曲線が描けたり新しいシェイプができたりするんです。言葉ではなかなか説明できない不思議な感覚なんですよね」と彼女は語った。実際に身につけたときの想像以上の体へのフィット感に魅了されたファンも多くいるはずだ。立体構造に対する彼女の想像力が、しなやかな女性のラインに沿う繊細で柔らかい曲線美を生み出している。

 

彼女のクリエイティビティにおいて、一流職人の技術は欠かせない。仕事の間多くの時間を過ごすという金属の加工場は、いわば彼女にとってアトリエのような場所だ。彼女のジュエリーは一流の職人の手によって手作業でひとつひとつ丁寧に作り上げられている。彼女と共に働く職人は皆、ごく一部の優秀な職人だけに国から与えられる称号を得ており、彼らのプロフェッショナルな技術によって繊細かつ複雑な金属のシェイプが生み出されている。「彼らが私のブランドのような規模のブランドと共に仕事をしてくれることは本来すごく稀なことなんです。このリレーションが無ければ私のブランドは始まっていなかったと思います。それくらい大きな存在なのです」。彼女の数十年先も愛され続けるタイムレスな物作りの実現には一流の職人との深い結びつきが必要不可欠だ。

 

彼女の作り出すジュエリーはゴージャスで主張の強いものでもなければ、花やモチーフを使うこともない、至ってシンプルなデザインだ。しかしひとつひとつが洗練された芸術作品のように絶妙な存在感を放つクオリティの高いプロダクトは、ジュエリーの世界においても確かな地位を確立させている。

Photo Charlotte Chesnais

 

トップクリエイターの心をも動かすブランド力と熱意

今年からブランドロゴをリニューアルさせたシャルロット・シェネ。デザインを手がけたのはフランスきってのアートディレクターデュオ、MM PARISだ。彼女の創作活動を知るにあたってクリエイターとの関わりはひとつの重要なポイントである。「ブランドを立ち上げた時から彼らにデザインをお願いしたいとずっと思っていたので実現できたことが本当に嬉しいです。ロゴができるまでのプロセスは、まずイニシャルズという私のジュエリーシリーズのひとつを渡したところから始まりました。すると彼らはそのシェイプをモチーフにしたデザインを作り込んできてくれたんです。やはり彼らに頼んで良かったと心から思いました。彼らは私のブランドにとてもよく向き合ってくれました。ですからこれは本当の意味でのコラボレーションであると思っています。私が彼らを心からリスペクトしているように、彼らも私を尊重してくれて、その信頼関係が良いバランスとなって素晴らしいロゴに繋がりました」。

 

さらにアートやファッションシーンなどで世界中から高い評価を得る女性フォトグラファー、ヴィヴィアン・サッセンによって撮り下ろされたビジュアルも彼女のブランドイメージを見事に投影した美しい作品ばかりだ。同性の観点から収められた写真の数々はどれも繊細でありながら女性の持つしなやかさと強さを映し出している。中でも上のシャルロット自身が双子の我が子を出産した後にリリースされたTWINSというシリーズを撮影したビジュアルは思い入れが深く、とても気に入っているという。誰もが認める上質なジュエリーブランドであることだけでなく、彼女のブランドに対する熱い想いがトップクリエイターの心をも動かしているのだ。

Photo:ヴィヴィアン・サッセン
オランダ出身のフォトグラファー。ファッションやアートとの結びつきが深く、数々のブランドビジュアルも手がける。幼少期は南アフリカで過ごした経験があり鮮やかな色使いも魅力。

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