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Interview with
Yasuhiro Mihara
Designer
Interview about Life in Work

世界のクリエイターたちの
新しいワークスタイル

時代が変われば、それに伴って働き方が変わるのは世の常。オンラインが普及したことによって在宅勤務が可能になり、パソコンの画面で打ち合わせをするなんて一昔前であれば考えられなかったことだ。社会が少しずつ柔軟になることで、どんな場所で、どんな服で、どんな時間に、どのように働くかを考える必要も増してきた。クリエイティブに自分らしく働くためには、どういうワークスタイルにするべきか。ここでは、ファッションや音楽のシーンで活躍する世界中のクリエイターたちのワークスタイルに迫る。彼らのワークスタイルから新しい時代のヒントを感じ取って欲しい。

Interview with
Yasuhiro Mihara
Designer
Interview about Life in Work

世界のクリエイターたちの
新しいワークスタイル

時代が変われば、それに伴って働き方が変わるのは世の常。オンラインが普及したことによって在宅勤務が可能になり、パソコンの画面で打ち合わせをするなんて一昔前であれば考えられなかったことだ。社会が少しずつ柔軟になることで、どんな場所で、どんな服で、どんな時間に、どのように働くかを考える必要も増してきた。クリエイティブに自分らしく働くためには、どういうワークスタイルにするべきか。ここでは、ファッションや音楽のシーンで活躍する世界中のクリエイターたちのワークスタイルに迫る。彼らのワークスタイルから新しい時代のヒントを感じ取って欲しい。


 

大切なことを考えた
コロナ禍の時間

同じ空間にいることに飽きないという三原。それに加え、服や靴を作り続けることに対しても全く飽きが来ないようだ。「まだまだやりたいことがあるんだと思います。若いうちは、海外で認められたいとか売り上げを伸ばしたいという思いは僕もありました。でも今は、認められるとかはどうでも良くなってきて、本当に自分の意思で何をしたいのか、ということに重きを置くようになってきました。これまで新しいモノを生み出し続けてきたから、みんな麻痺して、新しいモノを生み出しても誰も感動してくれない。僕はこれから50代に差し掛かるにあたって、誰のためにメッセージを出しているんだろう?と思ってきました。若い人の為だけに服を作るのも違う。年齢を超える服を作っていきたいし、自分の為に服を作っていきたい。だから、どのように自分に向き合ったクリエイションができるのかがキーになってくると思います」。
三原のクリエイションを観ていつも思うことは、軸がブレないということ。常に独自性があり、ファッションの楽しさを改めて思い出させてくれる貴重な存在である。その理由には、トレンドに流されず、三原がストイックに自身と向き合い続け、ファッションに大切なことを常に考えているからに違いない。「最近は、一人で考えることが多くなりました。これから何をやっていく会社なのかを考えることが楽しくなってきた。コロナに関係なく、ファッション業界は大変だと言われています。でも歴史的に見ると、これまでの業界が特殊だっただけです。日本で言うと三宅さん、川久保さん、ヨウジさん、その周りの人たちがファッションの文化を創ってきました。その恩恵を受けて、僕らも含め様々なファッションブランドが育っていけたわけですが、過剰になりすぎていたのも事実です。それがコロナになって消費者が服を買わなくなっただけの話で、ファッション業界は、もう少し小さな規模感でも良かったんじゃないかと思います。僕らの生きている世界はもっとマイノリティだったはずなのに、いつの間にか売り上げを伸ばすことに情熱をかけすぎている。そういう状況を感じつつ、僕は社員が生きていけるだけの売り上げがあればいいという心構えで仕事をしています」。
 

WORK TOOLS
万年筆とメモ帳で行う
アイディアの記録、伝達

三原がクリエイションを行う上で大切にしている仕事道具。もちろん、PCやタブレットは必需品だというが、万年筆とメモ帳も欠かせない仕事道具のようだ。「昔、たまたま見かけた年配の人が待ち合わせ中に、小さなモレスキンのノートと万年筆で思いついたことを書いていて。それを後ろから見ていて、格好良いなと思ったんです。影響されやすいですからね(笑)。それ以来、アイディアを書き留めるために万年筆とメモ帳をいつも持っています。万年筆は労力がかかるし、絵を描いても滲むので、使い勝手が良いと思ったことなんて一度もないんですけど(笑)。でもすごくワガママだから面白いんだと思います。綺麗に絵を描きたいわけではなく、思いついたことを走り書きするためのもの。だからこそ、その時にわざわざ使いづらいペンを使うということが自分にとって重要なのかもと思います。それに、ノートを一冊描き終わるまで使うのではなく、別々のノートを5冊くらい同時に使うのが好きです。なぜかというと、一冊描いて過去を見返すよりも、バラバラになっているものをパズルみたいに組み合わせていくのがクリエイションには重要。まとめるためのノートじゃなくて、バラバラで混沌としていることがアイディアに繋がるんです」。このバラバラとしていて、決して明確ではないメモが、メゾン ミハラヤスヒロの服作りにおいてとても重要なようだ。「僕らは、意味のあるものを作るという目標を持ってチームで服を作っています。ファッションは、アートに限りなく近い存在です。僕たちの服にも芸術性はとても大切。誰かにインスピレーションを与えることが出来るかもしれないし、何かを考えさせられることを重要視しています。そのことをスタッフにも伝えていて、アイディアを共有する手段としてメモを使うことが多いんです。手でアイディアを描くということはすごく重要で、デザインがまやかしになることもある。下手な文字と絵の方が考えを伝える上で良いことがあると思っています。綺麗に書いたりデザインした文字で伝えると、断定されてしまうことが多い。アイディアを膨らませるには、断定されないことも大切だと思います」。

アイディアを書き留めるために使っている万年筆とメモ帳たち。万年筆も様々なブランドのモノを持っている中でも一番これがお気に入りだそう。「鹿の角で作られた、ブランド名も記されていない日本製の万年筆ですが、海外製にはない描き心地の良さに気に入っています」。

 
ミハラヤスヒロ
1972年長崎県生まれ。大学在学中より独学で靴作りを始める。1996年に自身のブランドを開始し、独自性の高いデザインの靴、服作りを続ける。現在はコレクション発表の舞台をパリへと移した、世界的にも有名な日本を代表するデザイナー。
 
 
 

Interview & Text Takayasu Yamada Photo Yuto Kudo

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