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Interview with VERDY about What is STREET? Longing and Challenge

Interview with VERDY about What is STREET? Longing and Challenge


 

彼のマインドに宿る最も大切なこと

こうしてヴェルディと話していると、マーケティング力やセルフブランディングの高さに驚かされる。きっとこれも、今をときめく綺羅星のごときアーティストの中でも突出した存在感を放つ理由なのだ。それでは一体、彼はどういったところからその要素を吸収しているのだろうか。「そういった専門的なことを学んだことは一切ないですよ(笑)。強いて言えば雑誌かな。僕は過去の雑誌を見ることが好きなんですよ。そこから学びを得ることが沢山あるから。“影響を受けたアーティストはどうやって有名になったのか”とか、“有名になる前の彼は、こういった考え方をしていたから、今現在のように成功できたのか!”だとか。インタビューを読むと、そういった答えが沢山落ちている気がします。だから古い雑誌は、自分の夢を叶えるための教科書のような存在です」。
 
ヴェルディが駆け出しの頃から常に言い続けているのが“夢を口に出して語る”といったフレーズ。これも彼にとってのSTREETなのだ。「夢は恥ずかしがらずに何回でも人に話す。そうすると、その内容が人やSNSで拡散し、いつか必ずチャンスがやってくる。その夢が叶ったら、現状に満足せず、今現在の自分には到底できないような夢を持つ。そしてワクワクしながら、その夢を目指していく。こういったことを一番大事にしています。現に“いつかアンダーカバーとコラボしたい”なんて、もう何百回言ったか分からないですけど、ちゃんと叶いましたから」。先輩にコラボをしたい願望を話していたことが、巡り巡ってジョニオ氏の耳に届き、コラボレートにまで至った。夢を口に出したことで、現在の立ち位置を確立させたワケだ。
 
しかし、出る杭は打たれるじゃないけど、 これだけ目立った活動をすると、必ず陰口を叩くヘイターも増えてくるのが世の定め。ご多忙にもれずストリート業界にもその要素は根強い。「僕も言われたことはありますよ(笑)。悲しくなる時もある。それに僕のパロディみたいなものが登場すると、すっごく嫌な気持ちになる。でも、昔、NIGO®さんが何かのインタビューで“偽物ができるってことは本物の証”といったニュアンスのことを 語っていて。その頃はまだいまいち理解できていなかったけど、今はものすごく納得できるし、僕のモノ作りにおける大切な支えになってます」。
 
そして今後について「現状は、まだスタートラインに立っているような状況。これからは、アメリカやアジアと世界的に活躍していきたい。今、様々な国で仕事をしてるんですが、ほかの国の人の口から出るのは、藤原ヒロシさんやNIGO®さん、ジョニオさんといった裏原世代の人たちの名前ばかり。これは世界共通認識だと思う。僕たち世代が全く浸透してないんです。自分だけでなく、僕たち世代がさらに活躍して、影響力のある存在になっていきたい」。穏やかな口調だが、ハッキリとした意志を感じる。
そして最後に「去年の11月に香港で初個展をしたんです。そこで本格的にアーティストとしてもデビューしました。音楽でいうとインディーズバンドがメジャーデビューした感覚なんですかね。周りの人にとってはあまり関係のない話だとは思うんですけど(笑)、僕の中では何かが大きく変化した気がします」。このインタビューの冒頭で「確実に何か変わった瞬間でした」と、ターニングポイントになる出来事について語ったヴェルディだったが、もしかするとまた新たなターニングポイントを迎えるのかもしれない。2020年以降の活躍がさらに楽しみだ。
 
過去と向き合いただ懐古するだけでなく、新しい価値観も取り入れて行動する。さらに自分自身を俯瞰してみる。その結果、ものが売れないと言われるこの時代に“裏原宿ブーム”と呼ばれたあの当時のような、“並びを作る”といった現象を作り上げ、目まぐるしいスピードでストリートシーンを席巻中のヴェルディ。
 
こうして、現代ユースカルチャーの象徴の軌跡を遡ってみると、確かに本人が冒頭で語った通り、夢を持ちそのために行動してチャンスを掴んできた。コネやお金がなくても、誰にだってチャンスを掴む可能性があることを最前線で体現してくれているようだ。

 
 
 

Photo Yuki Hori
Interview & Text Hisanori Kato

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