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Interview with Takayuki Ishizaki
about Reminders of Time 時間を超えて大切にしたいモノたち

Interview with Takayuki Ishizaki
about Reminders of Time 時間を超えて大切にしたいモノたち

Rolex
Pre-Daytona Ref.6234 (1961s)
「これはデイトナの原型に当たる、プレデイトナと呼ばれるモノです。デイトナよりも1mm小ぶりで、アンティーク感が魅力です。着用した時のさりげなさも良いですよね。これ以上無いコンディションの個体をやっと見つけることができました。レアな個体となると、たとえお金があったとしてもすぐには買うことができないのも面白いんです。貴重なものや状態の良いものは現存数が少ないため巡り合わせでしか買えないんですよね」。

LEVER
Shoes
「ジョンロブの職人としても働いている橋本さんが作るブランドです。2年ぐらい前からお店でも販売するようになったんですが、ジョンロブの既製よりも少し高い値段のため最初は驚きました。理由として、革に関しては、ジョンロブがビスポークの時にのみ使用する最高グレードの革を使っているんです。橋本さんは、オーセンティックでクラシックなことしかできない硬派な人。柔軟性はないと思うんですが、教科書通りに最高峰のモノを作るから間違いがないんですよね。イギリス靴の歴史から外れたことはしたくないという職人です」。

 

こういう時代だからこそ
間違いのないプロダクト

そんな石崎にとって時間の価値を感じるモノ、それはお店で取り扱う時間を超越できる魅力を持った商品と、自身が長年アップデートしながら着続けているリーバイスのジーンズ、ロレックスの腕時計を教えてくれた。「SartoriaYamacc(iサルトリア・ヤマッチ)ではビスポークでスーツを作っている職人さんに、既製の洋服を作ってもらっています。うちでは、フルハンドでコートやシャツ、パンツを作っています。パンツだと3、4ヶ月で20本くらいしか作れなかったりするし、値段もそれなりにしてしまうんですが、それでも欲しいと言ってくれる方がたくさんいるんです。お客さんも気持ちは同じで、こういうご時世だからこそ間違いのないモノ、時を超えて身に付けられるモノが欲しいんだと思います。ほかには、ジョンロブの底付の職人として現在も働いている橋本さんが作っているLEVER(リーバー)の靴。そのほかには元々、エルメス用のクロコダイルレザーのバイヤーをしていた方が作っているレザーブランド、ACCALMIE(アカルミー)のプロダクトがそういった時間を超えられるクオリティを持ったモノと言えます」。一方で、石崎自身が身につけ続ける服があるのかを問うと、気分によって毎シーズン着たい服が目移りする為に、あまり通年着続けるモノはないという。そんな中でも、ロレックスのプレデイトナとリーバイス®の501XX®は、モノは変われど常に持ち続けているアイテムなようだ。「腕時計がすごく好きで。特にロレックスは手元に一本ないと不安なんです。高校生の頃からロレックスが好きで、当時は勿論買えないですが、ずっと憧れていました。これまでに何本か買ってきた中で、最近になって自分が好きなモデルがわかってきて、エクスプローラー1とデイトナに辿り着きました。このプレデイトナと呼ばれる1本は、デイトナの原型と呼ばれるモデル。デイトナはフェイスが37mmなんですが、これは36mmで1mm違うだけで、スポーツモデルらしさの無いアンティーク感が出ますよね。そこに40年代イギリスメイドのロレックスベルトを付けて使っています。こういうパーツも今ではとてもレアになってきていますね。ロレックスもリーバイス®もですが、同じモノを使い続けるのではなく、僕は常にアップデートをしながら持ち続けています。一番最初に買ったモノよりももっと状態が良かったり、オリジナリティの高い個体を次に買って、そしてさらに良い個体を求め続けているんです。自分にとって究極の1本を求めていく感じですね。本当は自分の過ごした時間と共に刻んだ方が良いのかもしれないし、そこは賛否が別れる部分だとは思うんですが、思い入れはものに対してよりもその軌跡、思い続けた時間にある感じです。こういったモノは、最先端感はないんですが、何十年も前に作られたものなのに今でも通用するタイムレスなデザインじゃないですか。501®を今どれだけ頑張って色落ちさせても、古着みたいな風合いにはならないですよね。それは時を超えた化学変化みたいなことかもしれないですけど、僕は念みたいなモノが存在するんだと思うんですよ。シワや色の変化だけではなくて、念みたいなオーラが浮き彫りになってくる。リーバーの靴も同じで、これが何十年も前に出されていても違和感はないですよね。これらは時代を超えていけると思っていますし、リーバーの靴もいずれそういうオーラが出てくるのだと思います」。

石崎自らが国内外の作家に会う為に、現地に赴きコミュニケーションを取ることで始まる、ATELIER HISTORIC INSTRUMENTSのプロダクト。「作家と繋がったら、すぐにフライトのチケットを取って、まずは一緒にご飯を食べる。僕の洋服屋としてのスタイルを伝えたり、些細なコミュニケーションを大事にしています。その後に完成するモノは、変なところに拘ってしまい金額的に合わないモノも多かったりして大変な面もあるのですが、一般的なバイイングとは違う魅力があるんです。そういったモノになるまでのやり取りや、道のりが財産だと思っています」。ウェブショップやSNSを通した販売も普及した今、プライベートセラーという肩書で、一部のコアな服好きに刺さるモノを提供し続ける石崎の仕事。モノが出来上がるまでの一連のストーリー、そして出来上がったモノをちゃんと自らが販売する流れにも、濃密な時間がそこには詰まっている。

v「昔はただボロボロで格好良ければOKだったんですけど、XXは近年のモノとは違い独特な色落ちが面白いと思います。これは1920年代のモノで最近でもたまに履いています。最近はヴィンテージリーバイス®にまつわる書籍も発行されたりと、骨董的価値が出てきていますが、そんなお宝を普段使いする行為が面白いと思っています。この年式にしかない特徴的なディテールが格好良く、所有しているだけでも満足してしまうようなアイテムです」。

ACCALMIE
Lether Bag
「エルメスで革の選定士をしていたロロさんという方のブランドです。過去にその方が作ったクロコダイルのベルトの値段が高くて、なぜかと聞くと『1枚の革から2本しか採れないからだ』と言っていました。例えば、途中で繋ぎ合わせればコストが半分くらいになったりするんでしょうけど、それって彼にとっては魂を売る行為らしいんですよね。本当に良い革が手に入った時しか作ってくれない、贅沢な逸品なんです。このカーフレザーのバッグもデザインこそ味気ないですが、そこが彼の魅力です」。

 

Photo Toru Oshima Interview & Text Takayasu Yamada

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