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Interview with Sarah Andelman
Creative Director Interview about Life in Work

世界のクリエイターたちの
新しいワークスタイル

時代が変われば、それに伴って働き方が変わるのは世の常。オンラインが普及したことによって在宅勤務が可能になり、パソコンの画面で打ち合わせをするなんて一昔前であれば考えられなかったことだ。社会が少しずつ柔軟になることで、どんな場所で、どんな服で、どんな時間に、どのように働くかを考える必要も増してきた。クリエイティブに自分らしく働くためには、どういうワークスタイルにするべきか。ここでは、ファッションや音楽のシーンで活躍する世界中のクリエイターたちのワークスタイルに迫る。彼らのワークスタイルから新しい時代のヒントを感じ取って欲しい。

Interview with Sarah Andelman
Creative Director Interview about Life in Work

世界のクリエイターたちの
新しいワークスタイル

時代が変われば、それに伴って働き方が変わるのは世の常。オンラインが普及したことによって在宅勤務が可能になり、パソコンの画面で打ち合わせをするなんて一昔前であれば考えられなかったことだ。社会が少しずつ柔軟になることで、どんな場所で、どんな服で、どんな時間に、どのように働くかを考える必要も増してきた。クリエイティブに自分らしく働くためには、どういうワークスタイルにするべきか。ここでは、ファッションや音楽のシーンで活躍する世界中のクリエイターたちのワークスタイルに迫る。彼らのワークスタイルから新しい時代のヒントを感じ取って欲しい。


シンプルであること
サラ・アンデルマン

今でこそファッションやライフスタイルを扱った高感度なセレクトショップが世界中にはあるが、その先駆けとなったのは紛れもなく「Colette(コレット)」だっただろう。2017年12月に惜しまれつつ20年の歴史に幕を閉じたパリの伝説的なセレクトショップ。その共同創業者でありクリエイティブディレクターだったのがサラ・アンデルマンだ。コレットのクローズから2年以上経過した今もなお、コレットのドキュメンタリーが公開され、日本でも9月26日から公開されることから、このセレクトショップが持つ影響力の高さが伺える。そんなコレットを長年牽引してきたサラ。コレットの時はもちろん、今もなおクリエイティブに活動するサラはどういうワークスタイルを持っているのか。
 
 

常に自分を成長させるために
尊敬できる人と仕事をする

コレットをクローズして間もなく、サラが新しく立ち上げたコンサルティング会社「Just an Idea(ジャスト アン アイディア)」。様々なブランドや企業に対してコンサルティングやコラボレーションなどを行うことが現在のサラのメインワークである。「コレットの時とワークプロセスに関して、そこまで大きな違いはありません。当時もセレクトやバイイング、ギャラリーでのキュレーションなどを1人でやっていたので、今も同じように人脈を作ったり、キュレーションをしたりしています」。クライアントは、サカイやヴァレンティノ、イケアなど多岐にわたる。コレット時代に育んだ、デザイナーやアーティストたちとの交流を活かし、今も自由にクリエイティブを発揮しているサラ。ファッションを中心とした世界中のブランドからラブコールを受ける理由は、サラの類を見ない発想力にある。数々のクリエイティブワークを成功に導いてきたアイディアはどこからくるのか。「とにかく何事にも興味を持つことです。本当に好きなモノを見つけた時は、早くみんなに知らせたい!という気持ちになるんです。そういった誰かを応援したいという気持ちを大切にすることを心がけています。それに私は、常に好きな人たちと仕事をするようにしています。尊敬できる人たちと仕事をすることが、また新しいインスピレーションを私に与えてくれるからです。そうすることで、いつも新しい自分でいられると思っています」。アイディアはとめどなく湧き出てくるようだが、多忙さゆえにそれを完全には発揮できていないことが歯がゆいようだ。
 
 

世界中で支持される
サラの豊富なアイディア

コレットも常に新しい提案をしてきたことで世界中のファッショニスタから注目を集め続けていた。オープン時の1997年、保守的なファッションが主流だった当時のパリで「スタイル、デザイン、アート、フード」をテーマにして挑戦を始めた時からそうだ。毎週変わるユニークなディスプレイや、ハイブランドからストリートブランドをミックスした商品構成は感度の高い人々の心を掴み続けた。「当時は、コレットのようなショップがパリにオープンしたことを喜んでくれる人もいれば、長くは続かないと思っている人もいました。それでも様々な要素をミックスした新しいお店をパリにオープンすることが本当に重要だと思っていたのです。自分たちの好きなものを全部置きたかった。素敵なスニーカーが好きなのと同じで、素敵なシャンプーも素敵なボトルの水も良いと思えるモノはファッションだけじゃないですから」。当時、世界中の新しいファッションを見ようとすると、ニューヨークか東京に行かなくてはいけなかったという。東京にも何度か通い、最新のブランドやショップを巡って得たことがコレットを作るインスピレーションにも繋がったようだ。特にパッケージへのこだわりやショッパー、陳列した商品への細かな配慮などは特に影響を受けたとサラは話す。また、コレットのようなお店を始める気はないか聞くと、サラはこう答える。「物理的なショップはもう良いかなと思っています。私の中では、次のページをめくった感覚です。コレットの20年で素晴らしい経験をしてきましたし、できることの限界もわかっています。今は、1つのスペースに閉じこもるのではなく、家族と一緒に時間を過ごしたり、いろいろなブランドや企業のお手伝いをすることを幸せに感じているんです。それでも、やはりお店は楽しいですね。サカイのポップアップをパリで1ヶ月間オープンした時は、毎日行って状況を確認するのが楽しかったし、自分のショップではなくても、参加という形で取り組む良さも感じています。たまに東京の代官山蔦谷書店のようなお店がパリにあったらと……と思うこともあるし、空いている物件を見るとカフェやギャラリーの構想をすることもあるんです」。

シンプルデザインと、ユニークなプロダクトが同居するサラのワークスペース。デスク後ろのヴィツゥ社によるシステムシェルフ「606ユニバーサル・シェルビング・システム」には、セルフサービスやジェントルウーマン等、サラが好きな雑誌などを置いている。

 
 

シンプルで好きなモノに
囲まれたワークスペース

サラがオフィスを構えている場所は、高級ブランドのお店が立ち並ぶパリの1区、サントノーレ通り。コレットがあった建物の上階に今もなおオフィスを構えている。白を基調としたシンプルなオフィス。見渡すと、コレットの青を感じるプロダクトやデザイン性の高い家具、ユーモアのあるグッズなどサラらしさのあるモノたちが目に映る。ここはジャスト アン アイディアの活動拠点でもあるのだ。「このスペースは、コレットがまだオープンしている時から使っていました。自宅も近いので、歩いて通勤ができる便利な場所なんです。私は、白い壁の空間が好きで、家具もシンプルなモノを置くようにしています。ここには、今までコラボレーションをしてきたプロダクトや、現在進行中のモノ、好きな雑誌などを多く置いてあります。ちょっとしたショールームのような感じかもしれません」。ほとんどがサラの好きなモノだというオフィスの空間。サラのデスクから向かって正面の柱にかかっている額装された1枚の写真を差し、「私にとって理想的なワークスペースがこれなんです」と教えてくれた。そこに飾られていたのは、ドイツ人フォトグラファー、Karl Hugo Schmölzが撮影したシンプルなテーブルの写真。その写真と通じるようにインダストリアルで、シンプルな家具がサラのオフィスには揃う。ワークデスクの背後にある本棚は、Vitsoe(ヴィツゥ)社によるもの。ミニマルデザインの先駆者ともいえる工業デザイナー、ディーター・ラムスによる本棚だ。空間以外にも、もう1つサラらしさを挙げるとしたら、彼女のスタイルだ。取材した日の服装もそうだったが、Tシャツにスカート、スニーカーの組み合わせが彼女ならでは。「自分の一番リラックスできる格好なんです。だから仕事の日も休日も同じ格好。まあ、仕事と遊びを分けていないし、好きなことをしているから仕事とも思っていないんですけどね」。聞くところによると、こないだカヤックをしに自然の中へ行った時も、Tシャツにスカートのスタイルで行って、夫に驚かれたという。とにかく自然体でいることを大切にしている。

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