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Interview with Octavius La Rosa
about Reminders of Time 時間を超えて 大切にしたいモノたち

テクノロジーが進み、便利な世の中になった今。機能的なモノやお洒落なモノは手軽に買うことができるようになった。そこで改めてもう1度、モノの価値について考えてみたい。誰しもが長年大切にしているモノを持っているのではないだろうか。きっとそれは、購入した時の思い出があったり、長年思い焦がれたストーリーだったり、時間を超えて使い続け自分の一部になっているモノ。また、ヴィンテージのようにそのモノ自体が時代を超えてきたのであれば、経年変化やそのモノが持つ時代背景も我々を魅了するだろう。そう考えると、モノの価値には「時間」という存在が大きく関係していると言えるはずだ。PART1では、時間とモノに向き合う5人とモノの価値を考えた。

Interview with Octavius La Rosa
about Reminders of Time 時間を超えて 大切にしたいモノたち

テクノロジーが進み、便利な世の中になった今。機能的なモノやお洒落なモノは手軽に買うことができるようになった。そこで改めてもう1度、モノの価値について考えてみたい。誰しもが長年大切にしているモノを持っているのではないだろうか。きっとそれは、購入した時の思い出があったり、長年思い焦がれたストーリーだったり、時間を超えて使い続け自分の一部になっているモノ。また、ヴィンテージのようにそのモノ自体が時代を超えてきたのであれば、経年変化やそのモノが持つ時代背景も我々を魅了するだろう。そう考えると、モノの価値には「時間」という存在が大きく関係していると言えるはずだ。PART1では、時間とモノに向き合う5人とモノの価値を考えた。

ファッションと芸術が交差する空間
時間を超える魅力を具現化する
揺るぎないミニマリズム精神

オクタビアスがオーナーを務めるブティック「dot COMME」は、オーストラリア、メルボルンの中心部にある。店舗に隣接するアーキテクチャーファーム協力のもと作り出されたこの空間は彼のこだわりで埋め尽くされていた。近未来感が漂う、まるでギャラリースペースのような店内は、光沢感のある白い空間。一歩足を踏み入れれば、視線を一瞬で服に強く惹きつけられる。印象的なチューブ状の壁の奥に潜む彼の膨大なコレクションや試着室は隠し扉で隠されており、ミニマリズム精神を感じさせる。ステンレススチールで作られた奥行きのあるハンガーラックは誘い込まれた光を反射し心地よい空間を演出。さらに店舗内に散りばめられたユニークなシュルレアリスムインテリア、オブジェ、装飾品の数々は、オクタビアス本人の所有品で、光るセンスに目を奪われてしまう。デザイナーが生み出した作品をアーカイブし、記録し、観賞できるこの場所は、オクタビアスの活動の軸でありながら美術館やギャラリーのエキシビジョン同様にファッションの文化的重要性を示す役割を果たしていると言える。そんな綿蜜に計算され、洗練された空間からは、デザイナーズアーカイブに対する時間を超える魅力を伝えたいという、彼の深い愛情を感じ取ることが出来る。

世界のファッションコミュニティから絶大な支持を受ける同店は、オクタビアスならではのアートセンスが際立つ空間と独創的なセンスが表現されているインテリアが魅力的。
Octavius’ Select
Comme des Garçons 1997 SS
“Body Meets Dress, Dress Meets Body”
 
後世にまで影響を与える97年春夏に発表された「ボディミーツドレスドレスミーツボディ」は、川久保玲のファッションに対する反骨心が反映されたデザインそのもの。ギンガムチェックドレスの中にパットが詰め込まれ、こぶのように膨れ上がった通称「こぶドレス」は、あえてボディラインを不自然に見せ、90年代のファッション業界に強烈な爪痕を残した。
Comme des Garçons 2012-13 FW
“Two Dimensions”
 
2012-13年秋冬のコレクションテーマ「二次元」という名の通り平面的な服で構成された近未来感漂うコレクション。まるで切り抜いた紙を貼り合わせたようなピースは、3次元である現実世界に表現した2次元的なシルエットで美しい直線と曲線が際立つ。純粋にファッションを楽しむ姿勢と服に秘められた終わりなき表現の可能性を改めて感じさせた。
Comme des Garçons 1984 SS
“Round Rubber”
 
81年にパリで初めてショーを行い、そのわずか数年後に披露された初期のコム デ ギャルソンからの1着。一貫したモノクロのパレットに落とし込まれた美しいドレーピングが躍動感を演出。縮小性のあるギャザーが施され、アシンメトリーなデザインは、まさに型にはまらない川久保玲らしさを感じる。
Comme des Garçons 1996 AW
“Flowering Clothes”
 
落ち着いたトーンのカラーパレットに、ブロケードが施されたヴェルベット生地や、あらゆるテクニックを用いて表現された遊び心豊かなフラワープリント。満開になる寸前の花が秘めたエネルギーという力強いメッセージが込められている。花咲く服と表現された同コレクションはパリに新たな風を巻き起こした。
Junya Watanabe 1993 AW
 
何枚ものフランネルシャツを繋ぎ合わせ、スカートのような見た目にした下半身部分。そこに、ニットベストを組み合わせるという斬新な落とし込みは、現在に至るまで実験的な服作りをおこなうデザイナー渡辺淳弥らしさが光る独特なアプローチ。ベーシックな服に新しい要素を加え、女性の身体美を活かしたドレスは、エレガントさとアヴァンギャルドさの両方のエッセンスが漂う。
Yohji Yamamoto Pour Homme 1992 AW
 
オクタビアス本人も普段よく着ているお気に入りだというヨウジヤマモト プールオムのスーツ。太めに織られたストライプ柄の生地に赤とオレンジのトップステッチが施され、オーバーサイズで、ゆったりとしたボクシーなシルエット。通常のコレクションではあまり目にすることのない鮮やかな色使いからはトラッドの雰囲気を漂わせながらもカジュアルさを感じさせる。

 
 

表面的な美学を超える
タイムレスなファッション

オクタビアスはコレクションを蓄積することを心の底から楽しむ一方で、実際に自分で着ることも楽しみの一つだという。彼にとってデザイナーズアーカイブを身にまとうということは、歴史を自身の体で体現すること。それらは様々なカルチャーに自分を適応させることの出来るツールとして機能しているようだ。「1920年代のフラッパー、ヒッピー、パンクといった革命的なカルチャーの要素を服のデザインとして使えるというところは、面白いことだと思う。そしてそれは、サブカルチャーに自分自身を合わせられる信じられないほどパワフルな方法。表面的な美学のレベルを超えていて、口を開かなくてもメッセージを伝えることができるんだ」。そんなオクタビアスの琴線にふれ、コレクションしているタイムレスなファッションピースの一部を紹介する。

 
 
 

Photo Joshua Hourigan Interview & Text Shunya Watanabe

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