Loading...

Interview with Kunichi Nomura about What is STREET?
Street Belongs to the Youth

Interview with Kunichi Nomura about What is STREET?
Street Belongs to the Youth

ストリートとは若者のためにあるもの

そうした生き様は多くの若者の共感を得られると思うし、何よりこのDIY感はすごくストリートの感覚に近いと思う。例えばビジネススクールに通って猛勉強して、証券会社に入ってから自分の会社を立ち上げる人はすごいとは思うけど、世間的には真っ当なやり方じゃないですか。でも中には学校に行かずに不登校になっても、家でプログラミングを極めていたらすごく出来が良くて真っ当な教育を受けずに会社を作ってしまう人もいるわけです。アップルを創設したスティーブ・ジョブスもそれに近くて、彼は美術系のコミュニティカレッジのカリグラフィ科に1ヶ月ほど通っただけで、立派な学歴があるわけじゃない。でも彼はアップルのような大きな会社を、最初は家のガレージから始めて作り上げちゃったわけだから、ビジネスやコンピュータの世界ではすごくストリートでDIYな人なんじゃないかと。だから多くの起業家や若者達が憧れる。自分にもできるって思うのはこういう人がいるからであって、正規のルートを通ってない人っていうのは、これからを担う若い人達に希望を与えると思うんです。そしてそういう人達が活躍できてしまうストリートの仕組みってすごく夢がありますよね。自分はそういう人にすごく夢をもらって生きてきたし」。自分の憧れや等身大からかけ離れたものではなく、こうした既存のレールから外れ、ストリートに生きる人々には何か自分にも引っかかるものがある。もしかしたら自分もこの人のようになれるのではないかと思えたり、なりたい自分を具現化した人を見つけられるのがストリートの世界。だからこそストリートは若者のためにあると言えるだろう。
 
 

数値化できないものの魅力

「ラッパーが若者逹に人気だったりするのも、音大などでアカデミックな教育を受けずに、街でハスリングしてた奴らが自分の言葉と最低限の機材で成り上がっていっているからですよね。もしクラシックしか音楽のジャンルがない時だったら、たとえいいなと思ってもアカデミックな教育がものを言う世界。ある程度の基準があるわけでしょう。ほんの100年前までそれが普通だったはずなのに、最近ではそうでない人たちがのし上がっていける世の中になった。これはものすごく夢があるわけじゃないですか。これこそがまさにストリートなんじゃないでしょうか。スケートボードはもともと道で生まれたものだから、どうあってもストリートなんですけど、道端の遊びから始まったものが時を経てビッグカンパニーに成長したり、それでみんなを食べさせたりとかっていうのはまさにラッパーに近い感覚だと思います。今でこそオリンピックの競技になってしまったけど、もともと金メダルとかも何もなくて、そういった協議会とか採点に縛られずビデオに出て飯が食えてしまうってストリート特有の唯一無二ですごい事だと思うんですよね。スケートボードでよく言うアイツのスタイルは格好いいなんていうのも、点数がつけられない数値化できない事。昔日本に帰ってきて大手のアパレルブランドの人と話した時に、なんでうちの商品が売れなくて、小さなスケートカンパニーのクオリティがはるかに劣る商品が売れるのかわからないと言われた事があって。それはその大手のアパレルの人がカルチャーに紐づいてないっていうのももちろんあるけど、それにも数値化できないスタイルが関係している。そうしたスタイルを純粋に受け止める事ができるのは、やはり感受性の豊かな若い時であるからストリートは若い子のものだと改めて思うんです」。
 
 

大人になってのストリートとは

ストリートを象徴する若者達も、やがては大 人になっていくもの。ストリートが若者のものであるというならば、成長した大人逹にとってのストリートとはどんな事なのだろうか。「大人になってもストリートであり続けるっていうのは、根本的な部分である自身のルーツが変わらないという事だと思います。でもなかなかそういう人達っていないじゃないですか。先の話のようにスパイク・ジョーンズがそれなりにお金や家も持っているけど、相変わらずスケートビデオを作り続けている事だったり。金銭的なことだけで言えばスケートビデオを作らなくても十分暮らしていけるはずなのに、そういう人はスタンスが変わらなくていいですよね。大人になってお金を持つとやはり大半の人は自分のルーツから離れていってしまうことが多いから。例えばジェイソン・ディルだったら、10代の子たちを自分でスカウトして未だに一緒にスケートしていたり、マーク・ゴンザレスは本当に今でもNYに行くと普通に道で若い子逹と滑っている。こんな風にいくつになっても大人の関係だけの付き合いをしない、損得勘定なしで生きている人達はすごくストリートというか現役感が強いですね。この間来日していたバリー・マッギーなんかも最近何してるのって聞いたら、10代の仲間がいて、みんなで一日中タギングしてるといってました。若い奴のほうが一緒にいて全然楽しいし、刺激があると。彼は今でも自転車を乗り回して10代の子たちと街中にタギングをしたりサーフィンをしてる。お金もある程度持っているはずなのに大きい家を買うわけでもなければ車を買うわけでもないし、変わらず同じことを続けて楽しんでいる。贅沢がいけないってことではないけど、若い頃に興味があって始めたこととずっと繋がっている人達っていうのは歳を取ってもストリートを感じるし、何より素敵だなと思いますね。彼らはいい意味で一周りも二周りも年が違う若者達と常に同じレベルにいる。いい歳こいて本気で若い子と張り合ったりしてね(笑)。でもそれがすごく自然だから良い。彼らは大人になっても変わらずに同じ気持ちを持ち続けている事がすごいなと思いますね」。

Related article