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Interview with ILL-STUDIO

Interview with ILL-STUDIO

自由を創造し続ける謎多きクリエティブユニット”ILL-STUDIO”

2007年にThomas SubrevilleとLéonard Vernhetによって設立されたパリに拠点を置くクリエイティブユニット、ILL-STUIO。アートディレクション、ファッション、映画、出版、キュレーション、デザインなど、ジャンルを超えたさまざまなクリエイティブに携わってきたILL-STUDIOは”マルチプラットフォーム”としても称されている。10年以上に渡りルイ・ヴィトン、エルメス、シュプリーム、シャネルなど、世界の名だたるブランドとコラボレーションをしてきた彼らの数々の作品は世界中のエキシビジョンやフランス国立コレクションでも展示されている。そんなILL-STUDIOのセルフプロジェクト、”GENERAL_INDEX”とユナイテッドアローズ&サンズによるコラボレーションが、5/15(金)に発売される。
今回のインタビューでは、ユナイテッドアローズ&サンズとのコラボレーションの裏側に迫るとともに、謎多きインスピレーショナルなクリエイティブユニットの全貌を紐解いていく。

 
 

—ILL-STUDIOを始めたきっかけ、そして活動を始める前はどのようなことをしていたのでしょうか?

僕たちはスケートを通じて知り合って、2000年代初頭に友人たちとスケート雑誌を作っていたんだ。それから2007年にILL-STUDIOを始めようと決意する前の1年間はカルチャー向けの雑誌も作っていたよ。最も重要なのは、ILL-STUDIOは、僕たちのこれまでに培ってきた経験がベースになってるということ。10歳ぐらいの頃から持っていた自分たちの世界観だったり、身の回りのカルチャーや視覚的なこだわり。それらは子供の頃に見ていたアニメから反抗期だったティーンエイジャーの頃、これまでやってきたたくさんの仕事など、あらゆることが含まれているんだ。
 
 

—ILL-STUDIOでの活動を説明するとしたら、どのように表現しますか?

ILL-STUDIOはアートディレクション、コンサルティング、出版、デザイン、映像ディレクションを手掛けていて、2007年以降、僕たちは、洋服のデザイン、レコードレーベルの運営、アートブックの出版、雑誌のディレクション、巨大アートインスタレーションの制作、インテリアやプロダクトのデザインを行い、世界の名だたるファッションブランド、ミュージックバンドやメディアのためのクリエイティブ戦略を確立してきた。僕たちは特別な教育を受けていなく、それらに関しては全て独学なんだ。だから結果的にさまざまな活動をしているんだと思う。もっと真剣に言うと、僕たちにとって、この自由な行動はとても大切で、それがまさに僕たちがILL-STUDIOを始めたきっかけなんだ。
 
 

—以前の記事でスケートはお二人にとっての共通点であると仰っていました。それはどのように影響を与え続けてきたのか。また現在、そしてこれからの活動にどのように影響し続けていくのでしょうか?

スケートボード、スタイル、デザインは常に高い関係性を持っていた。他のスポーツのように1番上手な選手が勝つということではなく、スタイルは常にトリックと同じぐらい重要だったんだ。ブランドによっては、衣料品だけを生産していたにも関わらず、カルト的になったものもあった。たとえ僕たちが、スケートを辞めたとしても、そのスタイルは僕たちの人生に影響を与え続けけていくんだ。
 
 

—ルイ・ヴィトン、エルメス、シュプリーム、ナイキなど、世界の名だたるブランドとのコラボレーションはどのように実現したのか。

ブロジェクト毎によって状況が異なるから、正直言って1つの答えはないかな。でも、僕たちは常に1つのスタイルや”ノウハウ”に縛ることなく、自分たちの活動との境界線をつくらないようにしているんだ。そうすることで、どのブランドも決まった仕事を依頼してくるというよりも、僕たちの全体的な美的センスに興味を持ってコンタクトをしてくれる。それが結果的に、名だたるブラントとの映像、ファッション、建築、雑誌などの制作に繋がっているんだ。

 
 

—なぜ特定のフィールドにスペシャライズせず、幅広く活動をしているのか?

ラッキーなことに、僕たちはさまざまな興味深いクリエイティブフィールドや媒体で仕事をさせてもらえてる。映像作品を通して僕たちを知る人もいれば、ファッションを通して知る人もいるし、音楽や建築を通して知る人もいる。僕たちにとってー番大切なのは、プロジェクトや他のことであろうが、僕たちの作品を通じて人々が感じ取ってくれる全体的なバイブスなんだ。”どんな仕事をしているの?”と聞かれた時に、僕たちはちゃんと答えられない。それが良いんだ。僕たちは物事をカテゴライズするのは嫌いだし、カテゴライズされたくない。だから、こんなに幅広い分野で仕事をするのが好きなんだと思う。僕たちは、物事に対しての美意識やビジョンを多くの異なるプロジェクトに適応させるのが好きなんだ。それが、僕たちの仕事を刺激的なものにしてくれてるんだ。
 
 

—コラボレートをする際に求めていることや大事にしていることとは。

クライアントから依頼されたプロジェクトはとても興味深いし、コラボレーションをする時も本当に楽しんでやっている。だけど、クライアントワークだけだと常に自分たちのプロジェクトが発揮できない。ILL-STUDIOを作ったことで、パーソナルなプロジェクトとクライアントワークをバランスよく支え合えるようになったんだ。僕たちは10年以上に渡ってたくさんのブランドや組織と仕事をしてきたけど、常にいくつかのセルフプロジェクトを同時に行ってきた。ILL-STUDIOは常にその両方がミックスしていて、それは僕たちにとってとても大切なことなんだ。

 
 

—主にどのような場所、物事、人々などからインスピレーションを受けてきましたか? また今までの活動で特に思い入れのあるプロジェクトはありますか?

場所というもの自体が僕たちの仕事に大きく影響している。旅をするということは、僕たちのワークプロセスに欠かせないこと。もちろんパリという場所は、コミュニティ、表舞台に出ること、文化的教育などの面で、僕たちに大きな影響を与えてきた。たとえパリ以外のどんな場所を旅しようが、すぐにではなくても、何らかの形で僕たちの仕事に影響を及ぼしている。全てのクリエイティブにおいて、僕たちは遭遇したあらゆる物事をスマートフォンのカメラを使って視覚的に記憶しているんだ。そして、何年も前に海外で記録した写真を振り返りながらプロジェクトを行うことが多いんだ。また、僕たちの作品には、たくさんの文化的な要素が詰め込まれている。例えば、1960年代のポーランドのコンセプチュアリズムから、80年代初頭のあまり知られてないような音楽やインターネットジャンクまであらゆるものがある。ジャン・コクトーからバート・シンプソン、ポール・ヴィリリオ、DJスクリュー、イッセイミヤケ、ラインホルト・メスナー、ミシェル・フーコー、細野晴臣、マルコ・ファン・バステン、カール・セーガン…”ハイ&ロー”文化であろうが、僕たちはインスピレーションを区別したくないんだ。ベストなのはインスピレーションを探すのではなく、自然にインスパイアされること。そして、日常生活の中で、そのためのスペース確保することがとても大切なんだ。
 
 

—昨年、初めて日本で展覧会を行いましたが、展覧会を通して日本にどのようなことを発信したかったのでしょうか?

あのエキシビジョンは、僕たちがあの機会のために作った2つの新しいインスタレーションと、才能のある若い子たちから集めた写真のシリーズから成り立っていたんだ。日本ではまだあまり知られていない若い子たちの作品を紹介するのは僕たちにとって、とても重要なことだった。さらに僕たちの日本人の仲間に才能のある新しい子たちを広める機会を与えたんだ。

 
 

—現在取り組んでいるプロジェクト、また今後新たに取り組みたいと考えている活動を教えてください。

僕たちはメインの活動として”GENERAL_INDEX”という自身のブランド/レーベルを立ち上げたばかりなんだ。2019年12月の立ち上げ以来、今までとは全く違うことに取り組んでいて、友人であるソウルワックスとコラボレーションした本から、”Tree of (Un)General Knowledge”というこのプロジェクト全体のイントロダクションであるTシャツ、”Slam Jam”とコラボレーションした”Attention Deficit Disorder Prosthetic Memory Program”という文化的プログラム、スーツ、シャツ、バッグ、靴を含むユナイテッドアローズ&サンズとのカプセルコレクション、パズルの写真集。そして、これからまだまだやる予定だよ。僕たちは、さまざまなプロセスと実践を試すために、一つの世界から他の世界へと自由に行き来することが大好きなんだ。

 
 

—今回はパーソナルプロジェクトとのコラボレーションですが、”GENERAL_INDEX”についてお聞かせください。

僕たちは、新しいアイディアやものを一つのことから自発的に発信する手段として、この新たな冒険を作り上げたんだ。”GENERAL_INDEX”は、プロダクトを作ることが主な目的の既存のブランドとは真逆で、もちろん美しいものは好きだけど、でもそこにフォーカスして欲しい訳じゃない。”GENERAL_INDEX”が作り出す一つ一つのプロダクトは僕たち自身の文化的表現の結果なんだ。デザインとプロダクトはストーリーをサポートするものでしかない。”GENERAL_INDEX”は人間の知識を集めた主観的な百科事典であり、僕たちが作り上げる全てのアイテムは商品としての一つの入り口にしかすぎない。僕たちは、僕たちが作り上げた洋服やものを、ミュージアムを訪れた際に買うようなギフトして思い描きたいんだ。
 
 

—今回どのような経緯で、ユナイテッドアローズ&サンズとのコラボレーションが実現したのでしょうか?

僕たちには共通の友人がたくさんいて、去年、エキシビジョンで東京に来た際に自然と彼らに会ったんだ。そこで彼らがコラボレーションをしないかと話を持ち掛けてきて、すぐに「もちろん」と答えたよ。僕たちは今の結果にとても満足している。このコラボレーションはボイジャー1号が60億キロ離れた宇宙から撮影した写真の名前である”Pale Blue Dot”について。また、カール・セーガンが1994年に著した、宇宙における人間の未来像についての本の名前でもあるんだ。26年前に書かれたのにもかかわらず、2020年の現在と極めて関連性がある。このコラボレーションの全てのピースは、カール・セーガンの著書の背後にある哲学に直接的に、間接的にも繋がっているんだ。早くみんなとこのコラボレーションをシェアできるのを楽しみにしてるよ!

Shirt ¥28000 + tax


T-Shirt ¥9000 + tax

Jacket ¥42000 + tax Trouser ¥24000 + tax

 
 
 

【お問い合わせ先】
UNITED ARROWS & SONS
http://store.united-arrows.co.jp/shop/uasons/

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