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Interview with
Hiroshi Fujiwara
Shota Matsuda Hiroshi Fujiwara
(fragment design Director, Musician, Designer)

Shota Matsuda
(Actor, CAREERING Director)

Interview with
Hiroshi Fujiwara
Shota Matsuda Hiroshi Fujiwara
(fragment design Director, Musician, Designer)

Shota Matsuda
(Actor, CAREERING Director)

世界でどの街が一番好きかと聞かれたら
迷わず東京と答えるよ
藤原ヒロシ

同じ志を持つ者が共に楽しいことを
育んでいける土壌が東京にはある
藤原ヒロシ
失われつつある
東京の表面的な魅力

 
ファッションデザイナーやクリエイティブディレクター、ミュージシャンなどジャンルレスに活躍し、世界中がその一挙手一投足に注目する藤原ヒロシと、映画やドラマなど数々の代表作を持ち、日本を代表する俳優として多くの人々を魅了する松田翔太。クリエイティブの分野は違えど、常に新たな可能性への挑戦の手を止めない。そんな2人はバックカントリースキー・スノーボードという共通の趣味をきっかけに兼ねてより親交を深めてきたのだという。
 
お互いに東京を活動のベースとしながら世界を見つめてきた彼らに、改めて東京の魅力は何か?という質問をぶつけてみた。
 
「まず思い浮かぶ東京の良いところって、何と言っても便利なところだと思っています。どこに住んでいても家から5分10分くらいのところにコンビニがある。こんなに便利な場所はないんじゃないでしょうか。NYは24時間動く街って言われていたけれど、実際にNYから東京に戻ってきてみると断然東京の方が24時間動いているなって思いましたね(藤原)」。
 
どちらかと言えば利便性というのは、東京の表面的な魅力だろう。ただ24時間営業しているコンビニや朝までお茶ができる喫茶店、明け方までやっているレンタルビデオショップなど、そのような光景は今まで当たり前のように存在していた。働き方改革やコロナの影響によって夜間営業停止のお店が多くなってきた今、当時のことを考えてみると確かにそれは東京ならではの魅力でありカルチャーであったのかもしれないと感じる。そしてここから話の流れは東京の本質的な魅力に迫っていく。
 
 

人間関係から生まれる
東京の本質的な魅力

 
店舗の時短営業などにより東京の夜の経済活動時間が短くなるなど各所に見られるコロナの余波は、東京のファッションシーンにも大きく影響している。例えばファッションショーがネット上でバーチャルで行われるようになったり、形式そのものが変わりつつあるのだ。
 
「近頃は何かと対面で行うべきイベントなどがバーチャルになったりしていますが、実際に会場に行ってデザイナーの人と喋ったり、作品を目の当たりにして肌で感じるというアナログな感覚が好きなので、このまま何でもバーチャル化されていってしまうのではと少し心配になりますよね(松田)」。
 
「そういうアナログな人間関係という話で言えば、僕もそうなんですが東京の人たちは友達同士で何かプロジェクトを始める時に、そもそも大きい目標を立てずに始めることが多いかなって思います。目標に向かって進むと言うよりは、その時の面白さ、楽しさであったり、自分たちが好きなものを作って、それで美味しいご飯が食べられたらいい、みたいな感覚で始めるとか(笑)。お金持ちになりたい、良い車に乗りたい、豪遊したいから始めるのとは違う。そこがもしかしたら海外とは違う東京らしさを感じる部分なのかなと思います。ある意味での村感というか、同じ志を持つ人たちが同じように楽しいことをやるっていう土壌が東京にはある。海外の同世代の人たちとか若い人たちと話しても、たまたまそういう人たちだったのかはわからないけど、面白いから一緒に仕事しようよと言っても、見てる視点が結構上だったり先だったりするんですよね。ここからお金が貰えるしとか、株はここからこうしてとか。でも東京の僕らってそうではなくて、その前に楽しい、カッコいいものを作って、その後儲かれば儲かったでいいし、きっかけがお茶飲んだりするところから始まるというかそういうのが東京のいいところだと思うんです。例えば今大きくなっている同世代の洋服屋さんとかでも、みんなその時楽しいものとか自分が着たい服、聴きたい音楽と正直に向き合ってきたからこそ今があるんだと思う。始めた時の動機に何かよこしまな気持ちがあると、やっぱり違う感じになっちゃうんじゃないかな。そういう意味でも世界でどの街が一番好きかと聞かれたら、迷わず東京と答えると思います(藤原)」。
 
「確かに東京の良いところは周りを見渡せば友達がいるというところなのかもしれないですね。できれば僕も俳優業をクリエイター的な気質でやりたいと思っていて。キャリアを追っていくことで、もちろんそれなりにお金を稼いでいくことはできるかもしれない。でもヒロシさんをはじめとしたクリエイティブな方達と過ごすうちに気づいてしまったのが、クリエイションベースでその仕事が安かろうが、高かろうが、面白ければ信頼できる仲間や友達と参加していきたいということ。それがもしかしたら思わぬ評価に繋がるかもしれないですよね。ヒロシさんの話と同じ原理だと思います。そういうものを信じてやっていきたいですよね。物事に挑む姿勢はいつでもストリートでありたいです(松田)」。
 
気の知れた仲間や友達と楽しみながらやりたいことを実現する。この先どうなっていくかなどはもはや関係なく、その瞬間の輝きや自分たちの可能性だけを追い求め挑戦し続けていく。それは間違いなく東京の魅力であるし、実際に人と会うからこそ生まれるモノ・コトであったりアナログな関係から生まれる化学反応は、コロナ禍においてリモートが推奨される今の時代であっても大切にしたいこと。よこしまな気持ちがない、純粋に良いものを生み出したいと言うピュアな精神が、現在へと脈々と受け継がれてきた東京のサブカルチャーを形成してきたことは間違いないだろう。
 


キャリアリング新作コレクションの藤原ヒロシモデル。大ぶりなゴールドカラーがエレガントな存在感を放っている。
HF004 by CAREERING


 
 

CAREERINGを通して経験できる“遊び”の場は
東京であるからこそ実現しているのかも知れない
松田翔太

 

2人の間に生み出された
ピュアなクリエイション

 
2人が東京らしい魅力であると考える、クリエイションにおける村感において言えば、松田翔太がディレクターを務めるジュエリーブランド、キャリアリングもまさにそうした過程を経て生まれたブランドだ。
 
「バックカントリースキー・スノーボードをしに雪山によく一緒に遊びにいくようになったのがきっかけで、東京でもよく会うようになって。何度か会っているうちに翔太くんからリングピアスのブランドをやりたいってことを相談されたんです。僕もピアスの穴を耳に開けた時から30年間ずっと一個のピアスをつけ続けていて、それがリング状のピアスだったんです。なんか運命を感じて、そこに面白さを見い出したんです(藤原)」。
 
「僕もピアスは14歳くらいからリング状のものをずっとつけていて、それは僕がイタリアに留学していた頃にその時に良くしてくれていたお兄ちゃんがリングのピアスをしていて、それが異様にかっこいいなってずっと思っていたのがきっかけ。それから映画を見るたびにピアスをしている人が出てくるとずっと気になってて。いざリングのピアスを買おうと思ったら売ってなくて、じゃあ作っちゃおうかって思ったのがきっかけですね(松田)」。
 
共通の趣味の場でのコミュニケーションと、お互いにファーストピアスがリング状のものであったという偶然から、互いに面白さ·楽しさを見出したことがキャリアリングというブランドにつながっていったということが分かる。2人の間からピュアなクリエイションが生まれた瞬間だ。
 
 

面白い・楽しいを追求する大切さ

 
着想の原点がリングピアスということもあり、ブランドのコンセプトは素材の美しさを活かすためのシンプルかつタイムレスなデザイン。日常のあらゆるシーンでも着用できるアイテムとなっている。松田の交友関係であったり人とのつながりを大切にするクリエイションによって、これまでUNDERCOVERやWACKO MARIA、野村訓市やVERDYなど名だたるブランドやクリエイターとのプロダクトを展開してきた。そしてそのどれもが、松田の純粋な良いものを作りたい、友達と面白いことをやりたいという意思に共鳴したからこそ実現したコラボレーションであることは言うまでもない。藤原との間に形成されたキャリアリングは、その意思に共鳴する同志たちによって徐々により大きな街へと成長を遂げていったのだ。
 
ピアスを主な軸とするブランドとしてこれまでプロダクトを生み出してきたキャリアリングだが、今期はブランド初の試みとなるネックレスを製作した。藤原ヒロシモデルのHF004とキャリアリング新作コレクションGEARの2種が展開予定となっている。
 
「僕が今つけているのはずっと個人的につけたいなと思っていたもので、ボールチェーンがインスピレーションになっています。ボールチェーンってお風呂に入っている時に毎日目にするんですよ。常に浴槽の中で揺れている。もともとパーツ自体は素朴なものでやりたかったので、日常の自分の身の回りにあるものでちょっと変わったもの選んでいます(藤原)」。
 
キャリアリングで以前に藤原とコラボレーションモデルを製作した時も靴下を留める金具“ソッパス”からヒントを得てピアスを作成したり、日常的なものからのインスピレーションをプロダクトに落とし込む藤原の絶妙なセンスはやはりさすがだ。
 
「僕は鎖骨にポイントがあるネックレスがずっと欲しくて。色々試したんですけど、新作のGEARにはポイントとしてプレートを入れています(松田)」。
 
「確かにチェーンの間にプレートを入れるのはいいよね。90年代から洋服もタグを外につけるとか、今ではそれがスタンダードになったけど、そういう意味で裏じゃなくて見えるところにちょっとタグっぽいアクセントがあるのが面白いよね(藤原)」。
 
キャリアリングから生み出されるコレクションにはすべてタイトルがつけられており、中でもブランドの中核を成す最も基本的なラインには『PLACEBO(プラシーボ)』という名前が付けられている。偽薬または気休め薬という意味の単語であるが、身に付けた人がおしゃれを纏うというよりは、気休め薬のように着けている間は高揚感を感じたり、着けているといいことがあるのではないかといった、ある種のおまじない的なニュアンスをジュエリーに込めているそう。ファッションではあるけれど気負わず、カジュアルに身につけていられるジュエリー。肩肘を張らないスタンスだからこそ、先述のネックレスのデザインコンセプトのように純粋に自身が面白い·カッコいいと思う理想を追求していけるのだ。

鎖骨部分のプレートのアクセントが特徴的なキャリアリング新作コレクションGEAR。キヘイチェーン部分とプレート部分の輝きの違いが男らしさを醸し出しつつも優雅な気品を漂わせる。
GEAR by CAREERING


 

周りを巻き込み形にしていく
東京ならではの可能性

 
今回の取材が実現した背景には、キャリアリングの新シーズン用動画の撮影の存在がある。そしてその動画の撮影が決まった経緯も、元を辿ればお茶をしていたところからだというから面白い。松田をはじめとした同志たちの熱意は周囲を巻き込み、弊誌編集長の千葉琢也、数々の話題CMを世に送り出す気鋭の映像ディレクター佐藤渉もチームに加わることとなった。
 
「今まで僕は俳優をやっていると、何かができないとか、あまり積極的に表に出てはダメだとかそういう制限があったんです。でもキャリアリングという自己表現の場所があると、自分にとっての遊びの場ができるんです。こうして撮影の現場で一緒になっているような仲間と、いつもお茶しているヒロシさんと純粋に良いものを追い求めた大人の遊びができる。ムービーのスタッフも監督も全員お金は一旦置いておいて、純粋に面白いものを作りたいねっていうので参加してくれている。それがすごく幸せだし、同時に東京だからこそ実現したのかも知れないと思っています(松田)」。
 
「僕もこういう化学反応的な遊びはすごく面白いなって思うし、なおかつ自分では想像もしていないこと。翔太くんとキャリアリングに携わってきたから今のこの空間に居ることができるわけだから、それはいつも面白い時間を過ごさせていただいているんだなって思います(藤原)」。
 
面白い、カッコいいと思えることを周りを巻き込んで形にしていく。そんな大人の“遊び”が、ここ東京では今まで幾度となく繰り返されてきた。お金になるかどうかではなく、自分たちが楽しめるかどうか。そんな志を持つ者たちがこれからも東京のカルチャーを作っていくことは間違いないだろう。
 
 
 
藤原ヒロシ
デザインプロジェクトであるフラグメントデザインを主催。キング・オブ・ストリートの異名を持ち、世界中から動向を注目されている。ミュージシャン活動も精力的に行なっている。
 
松田翔太
俳優としてドラマや映画、CMなど多岐にわたって活躍。数多くの賞を受賞するなど、卓越した演技力で数多くの人々を魅了している。ジュエリーブランド、キャリアリングのディレクターも務める。
 
 
 

Photo Yusuke Yamatani Interview Takuya Chiba Shohei Kawamura Edit & Text Shohei Kawamura

 

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