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Interview with
Glenn Martens
about new denim

Interview with
Glenn Martens
about new denim

Photo Oliver Hadlee Pearch

 
グレン・マーティンス
JEAN PAUL GAULTIERでキャリアをスタートさせ、2013年よりY / Projectのクリエイティブ・ディレクターとして活躍。2018年にDIESEL RED TAGのゲストデザイナーを務めたことがきっかけとなり、2020年10月よりDIESELのクリエイティブ・ディレクターに就任。実験的精神を体現するモダンで独自のデザインで世界中から注目が集まっている。

自由な発想で
新たなクラシックへ
グレン・マーティンス

 
テーラードジャケット、剥がれ落ちる加工を施したカーコート、ブーツと一体となったパンツ、独自の技法による多様なプリント、異素材とのMIX。遊び心ある発想と高い技術でデザインされた新生ディーゼルのデニムプロダクト。ではその発想の源はどこにあるのか。ブランドのディレクションを手がけるクリエイティブ・ディレクター、グレン・マーティンスに聞いてみた。
 

我々のデニムが責任を持って
作られていることが一番重要

 
「ディーゼルはデニムが軸のブランドなので、コレクションの第一章はすべてデニムにしたいと思っていました。私たちがデニムで何をするか、どう作るか、そしてそれをどのように着て、どう覆すかが大切だと思っています」。
 
16歳の頃、どうしてもディーゼルのデニムが欲しくて、初めてブランドを意識して買った、というほどディーゼルのビッグファンであるグレン。上記の言葉からも分かるように彼はディーゼルのディレクションをスタートさせて以降、デニムを重要なピースだと考えている。事実、ショートムービーという形で発表された22年春夏コレクションでは、白いTシャツ&デニムの主役のモデルをはじめとして、デニムのルックが多数登場し、重要な役割を占めていた。
 
「私がクリエイティブ・ディレクターに就任して最初に手掛けた仕事はデニムコレクションとして“DIESEL LIBRARY(ディーゼルライブラリー)”を作ることでした。コレクションのほとんどはそのデニムを使用しています」。
 
そう、これまでのディーゼルでは、アイテムはまずアパレル、デニムという2つのカテゴリーに分けられ、それぞれに春夏、秋冬の年2回、シーズンコレクションという形で新作発表を行なってきたが、グレンはまずこの形態を打ち破った。デニムをブランドのコアと再定義し、パーマネントコレクション、つまりシーズンごとに刷新されるものではなく、常に継続していくものとしての展開を決めたのだ。
 
発想から数ヶ月で実行されたそのエナジーにも驚かさせれるが、このアクションには“良質でタフなデニムを長く着てほしい”というグレンの信念が現れている。その信念は現代社会のキーワードである“サステナブル”を体現するものだが、それは環境面に配慮された製造工程においても感じ取ることができる。
 
「ディーゼルライブラリーのすべてのアイテムは、環境への影響が最小限であるようにデザインされています。例えば素材には責任を持って調達されたコットンや過去のアイテムの切れ端などを使用していますし、これまで大量の水を使用していたウォッシュ加工では、ネブライザーマシンによる霧状の少量の水で色落ちさせています。また、ダメージ加工を行う際も、伝統的な軽石ではなく専用のアブレージョンを加えられるバスケットを備えた機械を使用しているんです」。
 
環境に配慮しながら、柔らかく、耐久性を持つクオリティの高いデニムを作り上げているグレン。「サステナビリティを追求し、生産過程の透明性を大切にしているのは、我々のデニムが責任を持って作られていることが一番重要であると考えるからです」。この考え方は“FOR RESPONSIBLE LIVING=責任ある生き方”というブランドのサステナビリティ戦略のアーカイブを現代へとアップデートした立体的でモダンなデザインも、新生ディーゼルのデニムの新たな特徴。デニムブランドとして長年愛され続けてきたディーゼルならではの独自の技術と、アントワープ王立芸術アカデミーに学び、ゴルチエで働き、ワイ・プロジェクトのクリエイティブ・ディレクターとしての経験も重ねたグレンのチャレンジングなマインド、そして何よりディーゼルのアーカイブへの愛情が融合したプロダクトは、世界中から高い注目を集めている。
 
「デニムをフィルムで処理することで、各アイテムに構造と深みのある色合いを与えていますし、デッドストックアイテムから新しい糸を作り、ブランドとして初めてのリサイクルデニムである“DIESEL REHAB DENIM”も発表しました。また、新しい“ピールオフ”という手法でデッドストックのジャージーをデニムに接着させ、レーザーカッターで切ることでめくれているように見える加工を施したアイテムも展開しています。最近ミラノで発表した22秋冬のコレクションでは、通常ダメージ加工されないデニムのウエストバンドに加工を施したり、ジャカード、セカンドスキン、キャットスーツなどでデニムのトロンプルイユも作りました。コレクション内で質感や素材にこだわることは、私にとって重要な実験的要素なのです」。
 
積み重ねてきたアーカイブを駆使し、自由な発想で新たなクラシックへと生まれ変わらせる。温故知新を体現するような魅力にあふれたデニムアイテムは、間違いなく“New Classic”と呼ぶことができるだろう。
 
最後に“現代のファッションにおいて、デニムの存在価値とはどのような部分にあるか?”という問いについてはこのように答えてくれた。
 
「デニムは非常に自由にデザインしやすい素材であり、寿命も長いため、サステナブルとも言えます。また、使いやすく、多用途で世界中のあらゆる人が理解できるもの。そんなところが魅力なのではないでしょうか」。世界的に知られるディーゼルというブランドにおいて、サステナビリティと革新を同時に行い、実験的精神で新たなモノづくりを行っているグレン。彼が生み出すクリエイティビティあふれるモダンなデニムにこれからも期待したい。
 
[SPRING SUMMER 2022]

22年春夏コレクションのルックより。左のシンプルかつアイコニックな白いTシャツ&デニムのスタイリングには、“デニムにフォーカスする”というグレンの強い意志が感じられる。独自の技術で作られたプリントと立体的なベルトでまとめた中央のモダンなデニムスタイルや3本ステッチデニムにキルティング加工を施したアイテムでまとめらた右のルックに代表されるような、バリエーション豊富で刺激的なデニムアイテムが多数発表された。

 
[FALL WINTER 2022]

こちらは先日発表された22年秋冬コレクションから。巨大なベルトから作られたミニスカートや大胆な加工を施されたオーバーサイズのコートなど、ブランドらしい自由な遊び心にあふれたオリジナリティにあるデニムプロダクトは、観るものに大きなインパクトを与えた。

 
DIESEL JAPAN 0120-55-1978
 
◯DIESEL JAPAN
https://www.diesel.co.jp/ja/

 
 
 

Interview Mikuto Murayama Text Satoru Komura

 

This article is included in

Silver N°15 Spring 2022

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