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Interview with Marie Marot
(Designer)
about Daily Chic

クリエイターが考えるデイリー・シック

本当にお洒落な人は、ファッションだけではなく様々なことに対してセンスが良い。それは持ち物の選び方かもしれないし、日々欠かさず行っている習慣や住んでいる家のインテリアかもしれない。どれをとっても良質な考えが洒落者にはある。ここでは、自分が着る服はもちろん、ライフスタイルにも気を配り、上質な日々を送るクリエイターたちにインタビュー。クリエイターが考える日々のお洒落、気持ちのお洒落とはどういったことなのか。日々の生活をシックに送れるアイディアをインタビューから紐解きたい。

Interview with Marie Marot
(Designer)
about Daily Chic

クリエイターが考えるデイリー・シック

本当にお洒落な人は、ファッションだけではなく様々なことに対してセンスが良い。それは持ち物の選び方かもしれないし、日々欠かさず行っている習慣や住んでいる家のインテリアかもしれない。どれをとっても良質な考えが洒落者にはある。ここでは、自分が着る服はもちろん、ライフスタイルにも気を配り、上質な日々を送るクリエイターたちにインタビュー。クリエイターが考える日々のお洒落、気持ちのお洒落とはどういったことなのか。日々の生活をシックに送れるアイディアをインタビューから紐解きたい。

着飾らず、自分らしくいられる服を着ることがシック 
マリ・マロ

日常に寄り添う、シンプルかつタイムレスな女性向けシャツを中心に展開するフランス発のブランド、マリ・マロ。2013年のブランドスタートから自身の独特なスタイリングのセンスを、デザインによって表現し続け、世界中の高感度な女性から信頼を得ているマリ。パリジェンヌのシックを体現する彼女が今考える「DailyChic」とは何か。また、どういうモノが日々の生活をオシャレな気持ちにしてくれるのかを聞いた。
 
「私は、毎日同じ服やモノを“ユニフォーム”のような感覚で身に着けるということを大切にしているの。ドレッシーに着飾るのではなく、ありのままの自分でいられる服を着て生活をすることは、心を強くしてくれるし、ナチュラルなアティテュードを生み出してくれると思う」。
 
マリは、日々の生活を本当の意味でシックに過ごすアイディアについて、迷わずこう答えた。彼女が“ユニフォーム”と呼ぶ芯の強いスタイルは、ラウンジウエアのような自然な心地よさがあるようにも感じる。
 
「私のスタイルはユニフォームのよう。いつも同じような格好をしているの。シャツ、ジーンズ、ローファー、ジュエリー。子供の頃からそういう服装をしたり、両親はいつもシャツを着ていたから、それがとてもシックだったと感じていたわ。外出する時も、家にいる時も、変わらずこの格好で、私にとっては、とても着心地が良くて、自然体でいられるの。だからほかの服のことを考えたりすることはないわ」。


 
 

女性であることを楽しめる
エッセンシャルなアイテム

 
そういったエッセンシャルなモノの価値を、マリはブランドでも大切にしている。ルームウエアにもデイリーウエアにも様々なシーンに寄り添うシャツが揃っているマリ・マロ。自由かつインディペンデントで、日々を楽しんでいるパリジェンヌだからこそ作ることができたブランドだろう。
 
「シャツを着るとパワフルな気持ちになって、自信に満ち溢れるんです。パリでは多くの女性がシャツにジャケットを着ているの。そのふたつのコンビネーションがとてもシックだと思う。よくミーティングへ歩いて移動したりするからシャツやジャケットを着て少しスマートな格好をしなければいけない。もちろんパリジェンヌは、ドレスアップすることを愛してる。だけど常に自然体でリラックスしていることも大切なの」。
 
彼女のワードローブの中でもはずせない存在であるシャツ。マリ・マロのインスタグラムを覗くとさまざまな女性がありのままの素肌にシャツを羽織って登場しているのが目に止まる。シャツが、女性ならではのセンスとスタイリングでフェミニンに表現されている。華美に着飾っていないのに着ることで美しさが増し、洗練された女性の姿を演出するマリ・マロのシャツ。そこには女性であることに誇りを持つマリのこだわりが存在しているのだ。
 
「パリの女性は自然とセンシュアル。センシュアルであるということは自由なマインドを持ち、ありのままの自分を好きでいるということなの。私のブランドは女性向けだけど、少しトムボーイ的な部分もあるわ。でも常にセクシーであることとのコントラストが大切。理想の女性像を持っているわけではなくて、世界中のさまざまな女性が私のシャツを自分のスタイルで自由に着ているのを見るのが本当に好きなの」。
 
シャツのほかにも、マリらしさを表現するのに欠かせないのが、ヴィンテージのリーバイス501®だ。
 
「ジーンズは、ヴィンテージのリーバイスしか穿かないんです。シルエットとヴィンテージのクオリティがお気に入りなの。デニムを穿いている女性は最高にセクシーだと思うわ。ジーンズがあればどんな服でも着こなすことができる。どんな種類のシャツ、靴、カシミアのセーターでも。パリでは、シックであるということは、クールであることでもあるの。フランス人は外出するとき、頻繁にジーンズを穿いて出かけたりするのよ。身軽でいられるし、なによりもタフだからね」。
 
独特な女性的センスでフェミニンな香りを漂わせるシャツと、ヴィンテージのリーバイス501®。この2つのほかにジェイエム・ウエストンのローファーも彼女のユニフォーム。パリジェンヌにとって、クラフツマンシップはシックという言葉と深くリンクしているようだ。
 
「ジェイエム・ウエストンは、数あるフランスのシューメイカーの中でも最もシックなブランドのひとつ。職人がハンドメイドで作っていて、一生履き続けることができる。パリの人々にとって歴史的なブランドなの。だからウエストンのシューズを履くことはとてもナチュラルなこと。私にとっては、スニーカーを履いているような感覚で、街中を気持ち良く歩くことができる」。
 
スタイルはシンプル派のマリ。過度な装飾を削ぎ落とした普段のタイムレスな装いとは反してジュエリーは武骨なものが好きだと言う。彼女の手元や胸元には、クロムハーツのジュエリーがはずせない。
 
「タイムレスなスタイルにロックなムードをクロムハーツでプラスして着崩すのが私の定番。その2つの世界観をミックスすることがシックだと感じているわ。全身が同じ雰囲気だと少しつまらない気がするの。私は力強いデザインのジュエリーを身につけるのが好き。ジュエリーにおいても、シャツにおいても、共通して言えるのが、身に着けていると心強くいられるということだわ」。
 
マリは、服や靴、ジュエリーは、毎日同じものを身に着けているが、香水はその日のムードに合わせて毎日違う香りを着けるようだ。この日は数あるコレクションの中から、最近のお気に入りだというクリスチャン・ディオールとエルメスの香水を紹介してくれた。
 
「唯一、香水に対してはひとつのものに忠実ではないの。だからたくさんの種類を持っているわ。毎日同じ香水を着けることは絶対にないのよ。その日の気分で香りを選んでいます。強い女性のイメージでいたいときもあるし、少しフェミニンな雰囲気でいたい時もあるからね」。

Levi’s Vintage Denim
普段からパンツはデニムしか履かない主義のマリが気に入って履いているヴィンテージのリーバイス501®。女性のセンシュアルな部分を引き立たせてくれるジーンズは、彼女のクールビューティーを象徴するアイテムのひとつだ。

Chrome Hearts Jewelries
長年に渡ってコレクションしてきたクロムハーツのアクセサリー。いつも肌身離さず使い続けている。マリは30年以上続くブランドの背景にあるストーリーや、そのプロダクトのクオリティーの高さに惹かれているという。

J.M.WESTON Loafer
ユニフォームのような感覚で履き続けているというジェイエム・ウエストンのローファー。スニーカーさながらの履き心地が好み。ひとつひとつが職人の手によって丁寧に作られており、パリジャンにとって欠かせない老舗シューメーカーだ。

Hermès & Christian Dior Perfumes
数多く所有する香水の中でもマリが特に気に入っているのがエルメスとディオールのフレグランス。その日の気分に合わせて香りを選んでいる。女性らしいアティテュードを自由に表現するツールである香りは、マリにとって必要不可欠だ。

 
 

バッグを持ち歩かないからこそ
ラグジュアリーな気分になれる

 
普段からバッグは持たない主義だというマリ。仕事でも、遊びでも、変わらずシンプルなスタイルが印象深い。自然なアティテュードで毎日を過ごすためには、本当に必要だと思うアイテムしか持ち歩かないミニマル派。
 
「聞いてがっかりするかもしれないけど、バッグは絶対に持ち歩かないの。ポケットを使うのが私のスタイルだわ。携帯、クレジットカード、キャッシュ、ペン、リップ、鍵。これら以外に必要なモノはないわ。常に両手をフリーにしておきたい。私にとってバッグは服のシルエットを崩してしまうアイテムなの。動いてる服の表情を大切にしているんです」。
 
そんな彼女が普段、欠かさずポケットに入れて持ち歩いているいくつかのアイテムを見せてもらった。まず出てきたのが彼女がオフィスで仕事をする時に欠かせないという伝統の銀細工を誇るヤード・オ・レッドのペンとペンシルだ。シルバーに施された繊細な彫刻が印象的。19世紀のイギリスで主流だったデザインとメカニズムを継承し、現在も当時と変わらずハンドメイドで作られている。また、上品でタイムレスなデザインが魅力のエルメスのレザーアクセサリーは、馬をモチーフにしたキーリングや、カードケースがお気に入りとのこと。
 
マリは、メイクアップ道具に関してもシンプルなアプローチで、シスレーとウェストマン・アトリエを使い続けているという。「これらのアイテムは、すべて高品質なプロダクト。毎日使うベーシックモノだからこそシックな気分にしてくれるんです。いくつかのアイテムは贈り物でもらったものだけど、昔から使ってるから特別な存在なの」。
 
インディペンデントなマインドを持ちながら、素直な自分を表現する。そして、いつでもリラックスできるスタイルでいることを大切にしながら気持ち良く生活を送る。そういった考えこそが日々を豊かに過ごせるアイディアなんだとマリは伝えてくれた。

Yard-O-Led Pen & Pencil
イギリス発の一流筆記具ブランド、ヤード・オ・レッドのペン&ペンシル。仕事で多忙な毎日を送るマリのライフスタイルをより上質にしてくれるアイテムだ。巧な職人技で施された美しく繊細な彫刻が魅力的。

Hermès Leather Accessories
外出する際、必ずポケットに入れて持ち歩いている小物は、エルメスのカードケースや、アイフォンケース、キーリングを使い続けている。上質さと使いやすさを兼ね備えた、ラグジュアリーなプロダクトだ。

Sisley & Westman Atelier Cosmetics
メイク道具もエッセンシャルにこだわりっている。シスレーとウェストマン・アトリエは、使いやすさを最大限に追求したベーシックなもの。セカンドスキンを意識したメイクツールは、多くの女性を魅了している。


 
マリ・マロ
2013年に設立した自身の名を冠したブランド、「マリ・マロ」のデザイナー。メンズのテーラードをベースに、中性的なシルエットで女性らしい着こなしができるシャツを主に制作。過去にはセントジェームスやマーク・ジェイコブとのコラボレーションも行っている。
 
 
 

Photo Laura Friedi
Hair & Make-up Fabien Giambona
Interview & Text Shunya Watanabe Special Thanks Guillaume Vincent

 

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