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heritage and modern
C.P. COMPANY

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Mille Miglia Goggle Jacket [1989]
Archive by C.P. COMPANY

フーディにレンズを取り付けたゴーグルジャケット。まさに、ブランドを代表するアイコン的な存在だ。このモデルが出来た背景は、世界一美しいとされるカーレースがきっかけだった。1927年から続くイタリアのヴィンテージカーレース「Mille Miglia(ミッレミリア)」。そのミッレミリアのスポンサーを務め、出場するドライバーの為に1988年に製作したのがこのジャケットの原型である。ドライバーの目を雨風から守る為のゴーグル。左袖のレンズは、タイムを計るのに重要な腕時計を確認しやすくするディティールだ。ゴーグルジャケットが誕生した翌年のモデルであるこちらは、様々な用途に向けて使用できるよう機能的なポケットを採用。創業者のマッシモ・オスティが思い描く「どのような冒険にもぴったりなジャケット」を象徴するような1着となった。

 
 
現代へと続く、機能的かつアーバンなスポーツウエアの歴史を作ったと言っても過言ではないイタリア人デザイナー、マッシモ・オスティ。彼が、1971年に生み出したブランド「Chester Perry」を1978年に改名して誕生したのが「C.P. COMPANY」である。彼が目指したのは、洋服ではなく「着るガジェット」。環境や生活様式の変化によって必要性が変わるであろう洋服をどう作るか。現代でこそ注目される事案に対して、何ができるかを当時から考え、将来を見据えたプロダクト作りを模索し続けた。そうやって生み出されてきた、C.P.COMPANYならではの素材、デザイン性は唯一無二な存在になり、現代にまで受け継がれてきたのである。現在の代表であるロレンツォ・オスティもそのDNAをしっかりと受け継ぎ、ファブリッククリエイターであるステファノ・ポラトが服作りにおいて大事にする「第二の皮膚を作る」という考えのもと、デザイナーのポール・ハーベイと共に時代に役立つクリエイションを続けている。ここではC.P. COMPANYの歴史の中でも革新的で代表的な4つの貴重なアーカイブとそのデザインを受け継いだ現行モデルを紹介する。止まることのないこのブランドの革新性を感じて欲しい。

KAN-D Goggle Jacket [2020 FW]
Jacket ¥162000 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

左のページで紹介したゴーグルジャケットの歴史を継いだ新作がこちら。ブランドを象徴する染色技術である「ガーメントダイ」を半透明な生地に用いた独特で美しい色味が特徴的。この生地には、C.P. COMPANYオリジナルのKAN-Dを採用。生地染めすると縮率が高く、服への成形が不可能とも言える困難な生地にあえてトライをし、高度な研究により製品化が実現した1着である。ライナーには、このジャケットの透過性をより際立たせるためボアを採用。これによって、ジャケットの構造や縫製をより楽しむことに加え、保温性の向上にも繋がった。1つ1つのポケットも人間工学に基づいた長さや深さ、角度でデザインされ、細かなディティールも全て機能性を求め製作されている。ミッレミリアのデザインを踏襲しつつ、現代の都市生活における必需性を高めたジャケットである。

The Metropolis Jacket [2000]
Archive by C.P. COMPANY

前述したように、マッシモ・オスティは着るガジェットを作ることを目指し、様々な環境問題に対応可能な服作りを行った。そんな意識が明確に受け継がれているのを感じられるのがこのシリーズ、「Urban Protection」である。これは、公害やウイルスといった都市生活を送る上で直面する、人体に悪影響を及ぼす要因に対しての保護を目的としたシリーズ。このコレクションのデザイナーはモレノ・フェラーリ。2000年に発表されたこちらは、防護マスクが取り付けられたデザインが特徴である。2020年現在まさに我々が直面するウイルスとの問題、そしてマスクの必需性を20年前にいち早く考え、洋服の一部として取り入れていたことに脱帽せざるを得ない。生地に使われている「Dynafil TS-70」は、昨今のハイブランドでもよく使用しているところを目にするハリ感が特徴の水や油分を通さない高性能なナイロン素材。まさに時代を見据えたものづくりを伺えるジャケットだ。

The Metropolis Jacket [2020 FW]
Jacket ¥332000 by C.P. COMPANY (Tristate Japan)

The Metropolis Jacketの誕生から20年経過した今年。2020年秋冬シーズンにリマスターとして登場。このシリーズの特徴ともいえる防護マスクシステムはそのままに、素材やディティールを現代版にアップデートをおこなった。表地には、装甲車や防弾ベストなどにも用いられる超軽量、高耐久素材のダイニーマ生地。ライナーには、軽量かつ保温性の高さで寒冷地用品にも使用されるプリマロフト・ゴールドを採用。このレイヤーシステムによって、機能面は勿論、近未来的な印象も与え、まさに着るガジェットと呼ぶにふさわしい1着。これも未来を見据え、公害やウイルスなどにより荒廃した環境を想定し開発された。そして、この新作が登場する今年、想定した事態が現実のものとなる。必要性を常に考え革新をし続けるC.P. COMPANYのマインドがこのジャケットから伝わってくる。

 
 
 

Photo Toru Oshima Edit Takayasu Yamada

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