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Interview with
 Hender Scheme 
about LIFE with GOOD DESIGN

デザインされたプロダクト、というのを具体的に形にしているブランドを考えたときに、真っ先に思い浮かんだのがエンダースキーマだ。そのプロダクトを連想すると、レザー、手工業、職人、個性、そういったキーワードが脳裏に浮かぶ。2010年のブランドスタートから、現代では世界中で愛されるグッドデザインについて、デザイナー、柏崎亮氏のインタビューと共に掘り下げていきたい。

Interview with
 Hender Scheme 
about LIFE with GOOD DESIGN

デザインされたプロダクト、というのを具体的に形にしているブランドを考えたときに、真っ先に思い浮かんだのがエンダースキーマだ。そのプロダクトを連想すると、レザー、手工業、職人、個性、そういったキーワードが脳裏に浮かぶ。2010年のブランドスタートから、現代では世界中で愛されるグッドデザインについて、デザイナー、柏崎亮氏のインタビューと共に掘り下げていきたい。

 


 
 

Creative Inspiration

T strap ¥51840 hand mesh mule ¥45360 peel gore ¥41040 tarp ¥66960 tac ¥47520 skirt ¥62640 nylon lace ¥41040 typical color exception loafer ¥58320 device strap ¥23760 square ballet ¥38880 by Hender Scheme (sukima Ebisu)

 

現代を生きているなかで、様々に受け取ってきた物

作り手のクリエイティビティに影響を与えるものというのは、直接的な物に限らないと思う。例えば、シューズデザイナーにインスピレーションを与えた物が必ずしも靴か、というとそれは違うだろう。ファッションに携わるすべての人間が90’sやHIPHOP、パンクなどをルーツに持つわけではないのも、当たり前のことだ。柏崎は自ら「バックボーンがないことがバックボーンだと思っています。いわゆるカルチャーとされるものがないことが僕のカルチャーであって、すごくドメスティックなものだと捉えています」と話す。特定のカルチャー、時代、物が直接的に影響を与えてきたのではなく、人生を通して体得してきた感覚が自身の根底に生き続けている。「あらゆる時代や表現の延長を生きてきて、それを色んな形で自分が受け取ってきたなかで、今、ブランドをやっている」。柏崎は1985年生まれだが、時代感を踏まえたうえで、影響を与えてきたものを多角的にピックアップしてもらった。その中にはエンダースキーマのプロダクトに直接関係しないものもある。だが、デザイナーの思考を構築するうえで存在したものが、この写真に映っている。実際にプロダクトに関するアイディアについては、日常的に頭の中で転がしながら生活していると柏崎は話す。それらを「言葉から入ったり、素材から入ったり、それらをすべて綺麗に並べて、気持ちが良い状態で1つのコレクションにして出す」ということだ。

1 漫画:シガテラ/古谷実(著)
「古谷実さんの漫画の中で、僕はシガテラが1番好きで。あんまり漫画を読まないのですが、言葉の選び方やユーモアが大好きです。うちのスタッフで古谷実さんの漫画が好きな人間がいるのですが、もう10年くらい、古谷漫画の話をしているくらい好きです」。

 

2 東京ポッド許可局 きょかきょくん USB
「TBSラジオで放送されている番組『東京ポッド許可局』の番組を聞けるUSBです。このラジオ番組が好きで、いつも聞いているんですよ、これはイベントに遊びに行って購入したもの、飛行機に乗るときはこれとヘッドフォンで乗り込んで機内の時間を過ごしています」。

 

3 DVD:監督失格/平野勝之 ( 監督 )
「好きな監督、平野勝之さんのドキュメントです。今は開催されていないのですが、以前は『月刊 平野勝之』というイベントが開催されていて、それに行くのがすごく楽しみでした。様々な理由でタイトルを出せない映画が放映されたり、楽しかったんですよねぇ」。

 

4 7inch EP:CIGARETTEMAN
「学生の頃、友人に見せてもらったライブ音源 V.A.『生2』で知ったのがキッカケでした。1993年から2000年まで活動していたバンドで、僕の音楽情報は高校大学からアップデートされていないのですが、唯一、この時代のこういうものが好きで今でも聴いたりしています」。

 

5 DVD:ゆきゆきて、神軍/原一男(監督)
「ドキュメンタリー好きなんですが、なかでも原一男監督が好きです。数ある作品の中でも、この『ゆきゆきて、神軍』(1987年公開) は特に好きですね。直接何か影響を与えられたというわけではないのですが、監督のスタンスが好きで、観返したりしています」。

 

6 PUMA PARA MEXICO
「定番のスパイクシューズですね。大人になってから履いていなかったので、改めて買いました。特に、このシューズに好きなディテールがデザイン的にあるというわけではなく、サッカーをやっていた学生時代に履きたかったサッカーシューズ、という感じです」。

 

7 書籍:法のデザイン/水野祐(著)
「僕らもお世話になっている水野祐さんの本。二次創作というのは著作権に関することが多くて、mipに関してもそうなのですが。自分たちもグレーゾーンを突きたいというのはあるので、それが法的にどうなのか、という点で、すごく参考になりますし面白い本です」。

 

8 書籍:アウトドア般若心経/みうらじゅん(著)
「学生の時に1番影響を受けた本ですね。言葉の選び方もそうだし、これ自体、表現としてすごく優れていると思っていますし、カッコ いいなと。言わば、これも二次創作だと思うのですが、ものの見方が面白いですよね。みうらじゅんさんの表現はどれも好きです」。

 

9 漫画:ゲバルト人魚/平野勝之(著)
「これは平野勝之さんの作品集ですね。4本の短編漫画で構成されている本です。平野勝之さんはアダルトビデオ監督だった時期もあるのですが、漫画を描かれていたのは意外と知られていないかもしれません。その後の映像表現に繋がる内容なのかと。よく読んでい ました」。

 
 
 

about Product for Life

dylan mobile kit ¥10800 by Hender Scheme (sukima Kappabashi)

 

 

作った物をアップデートする イメージを携えた物作り

デザインされたプロダクトを生活空間に置くということ。それは洒落たインテリアを部屋に置けば良いという意味ではないし、流行りのブランドのデッキをチェアに改造して並べることと同義では全くない。ライフスタイルという言葉は、現代において充実したスタイリッシュ空間を築くことと意味合いが似てきているように感じるが、それは高価な家具を幾つ揃えても実現することができないものではないか。作り手のアイディアが込められた物には、人間の想像力を掻き立てる力がある。

 

エンダースキーマがシューズ以外に展開するプロダクトには、それがある。例えば、隣の写真にあるドアストッパー。靴を作り続ける同ブランドのアイデンティティを感じさせつつも、クスリとしてしまうユニークさが込められていると思わないか。「これは底材屋さんで作りました。ビブラムタンクソールを使って、本当はもっと厚みを出したかったのですが、タンクソールは中が真空になっているので、削ることができないんですよね。だから薄いものにして加工を入れています」と柏崎。
他にもテーブルゲームセットなどの遊具やオーナメントを革材で作ってしまうところがエンダースキーマの個性の1つだ。「小物は最初のコレクションから作っているのですが、靴を作ることができると小物を作ることができますし、バッグなどもできるので、意識せず自然と作り始めました。靴作りで得たテクニックを小物に落としたり、逆に小物作りで得た技術をシューズに持ってきたりとか。だから小物も靴も、意識的に物として分けるわけではなく、僕らが作る同じプロダクトとして捉えています。何を作るかに関しては、アイディアベースで、そして思いついた物を良質に形にすることを大切にしています。僕たちはアイディアが命なので」。

 

全てのプロダクトのアイディアに関しては柏崎が全て案出しを行い、それをチームに共有して実際の物にしていく。その根源にあるのは「単純に楽しいし面白いから」という純粋な思いだ。エンダースキーマのプロダクトについて、靴や小物は、どういった人がどのようなスタイルに取り入れて欲しいのか、また、どういった部屋に飾ったり置いたりして欲しいという思いがあるのか。「その部分に関しては買ってくれた人に委ねていて、自分が思い浮かべる履き方やスタイルというのは一切意識していないですね。それぞれの生活の中に溶け込めばいいと思っていますし、靴にしても、その人なりのスタイルで履いてくれればいいなと考えています。例えば、カカトを踏んで履いていたとしても、そこに何かしら意見があるということはありません。これは、ずっと持っているスタンスですね。僕らはプロダクトを作っているという立場なので、ルックブックなどでトータルのスタイルを提案したいとは考えていません。特に革という素材は、如実に持ち主の人間性や生活感が現れるので、そこに対して良し悪しをつけたいとは思わないです」。

 

同時に物をコレクションとして作り続けるうえで、柏崎は今までに自身が作ったものをよく見返すことが多い。そこには物を作るうえでどのような哲学が込められているのだろうか。「シーズンのコレクションを横軸で考えたときに、そこで断絶させるのではなく、プロダクト毎に縦軸で考えています。毎季、プロダクトがどんどんアップデートされていくイメージを持っているので、昔のアーカイブはよく見るし、むしろそれを踏まえて、じゃあ何を作るのか、という考えです。プロダクトってそういうことだと思います。バサッとシーズンで切れるものではなく、縦に繋がっていて流れて行くもの。物作りにおけるベースになっています」。

heel door stopper ¥6480 by Hender Scheme (sukima Kappabashi)

not riders jacket ¥226800 by Hender Scheme (sukima Ebisu) Other Item [Model’s Own)

not rugby shirts ¥95040 pig suede sailor hat ¥18360 glass cord ¥4536 by Hender Scheme (sukima Ebisu)

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