Loading...

Editor's Eye ファッションとカルチャーの交差点

Editor's Eye ファッションとカルチャーの交差点

Text Wanderer Coat

Wanderer Coat ¥138000 by Text (PARKING)

 

原料探しから始める
サステイナブルな服作り

カラーニットの爆発的な人気の裏で、染色しやすいように白毛ばかりになってしまったアルパカ。近年、その事態に危機感を覚え、有色アルパカの飼育にメーカーも力を入れ始めたそうだ。そんなペルー産有色アルパカの生地を使い、無染色で美しいコートを作っていた新ブランドがあった。マーカウェアの石川俊介氏が手がけるText(テクスト)だ。ブランドコンセプトは、“Farm to closet”。農場からクローゼットへ。石川氏が世界中から原料を自分で探し、相手の顔が見える紡績工場で糸を紡ぎ、撚糸し、糸を織る。一流の料理人が農家へ訪ね、食材を調達し何度も研究しながら丁寧に調理するようにテクストでは、ファッションとしてそれをやる。契約した農場や職人とのフェアトレードも徹底するという。これこそまさにサステイナブルの実践だ。1着の服を作るのに時間はかかるだろうが、そのかかった手間や想いこそが服に表れるものだと思う。そういった作り手の考えのある服を自分は身に着けたい。
 

Text Takayasu Yamada
OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™ × Futura T-Shirt

 

目まぐるしく変わる時代の中で
残すべき本物のストリートアート

“PLASTIC”をテーマに掲げ展開するオフ-ホワイト™の20年春夏コレクションから、グラフィティアーティスト、フューチュラとのコラボプロダクトに注目したい。70年代から活動を始め、地下鉄の落書きの価値をアートへと高め、現代のストリートに多大なる影響を与えたこのNYレジェンドとのタッグには、同じストリート生まれのディレクター、ヴァージル・アブローならではの想いが詰まっているからだ。“PLASTIC”というワードが環境破壊の代名詞として捉えられる一方で、ハイブランドもストリートの価値を認めた現代では、フューチュラの活動を形容する“Vandalize(=破壊する)”という言葉もポジティブな意味として使われる、といった「言葉の変遷」を裏テーマとした今作。変わらないフューチュラのタグとクロスアローロゴが最高にクールだ。時代によって言葉の意味は変わっても、良いものは残していくべき。そんなパイオニアへの愛と敬意をウエアからぜひ感じ取ってほしい。
 

Text Satoru Komura
Survival Of The Fashionest Knit

Clockwise from top
Knit ¥65500 Knit ¥84500 Cardigan ¥79000 by Survival Of The Fashionest (Dover Street Market Ginza)

 

1枚作るのに3週間かかる
着用可能なアート作品

一風変わったニットウエアを作るブランドがある。それが、Survival Of The Fashionest (サバイバル・オブ・ザ・ファッショネスト)。ディレクターのJoost Jansen(ヨースト・ジャンセン)は、ウォルター・ヴァン・ベイレンドングやヘンリック・ヴィブスコフといった前衛的で独創性の高いブランドで生産の仕事を長年経験した人物だ。そんな彼が2017年に開始した同ブランドも、アート性の高いユニークなデザインのニットコレクションが特徴。デザインが面白いと思って注目してみると、クオリティが高いことに気付く。それもそのはずで、すべてニットウエア職人の伝統的なハンドメイドにより作られているのである。1つのニットウエアを作るのに3週間かかるようだ。ユニークなデザインだけではない。忘れ去られていていた職人の技術を後世に残したいという思い、ニットウエアに対するヨーストの愛情がこのブランドには詰まっている。
 

Text Takayasu Yamada
FUEGUIA 1833 Fragrance

L to R
TEXTILE [Vicuna 50ml] ¥15000 Parfam [Biblioteca de Babel 50ml] Editor’s Own PURA ESENCIA [Biblioteca de Babel 8ml] ¥24000 by FUEGUIA 1833

 

芸術と学術の小宇宙と表す
ストーリーのある香水の魅力

香りフェチな自分は、これまで数々の香水を試し続けてきた。女と煙草は浮気しないのに、モノに対しては気分がころころ変わる。自宅にある香水も気づけばちょっと使ってはほかを買う、そんな日々が続いていた。フエギア 1833の香水に出会うまでは。フエギア 1833は、アルゼンチンのフレグランスブランド。創業者であり調香師のジュリアン・ベデルによるブランドフィロソフィーに、“瓶の中に収まりきらない、芸術と学術の小宇宙”とあるように香水1つ1つに深いストーリーを持つ。直営店で90種類以上あるなかから自分の好みを探す。そこで出会ったのが、“Biblioteca de Babel”。日本語訳するとバベルの図書館という意味を持ち、アルゼンチン出身の小説家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの同名作品からインスピレーションを受けた香水だ。架空の図書館にある木の本棚や古い本をイメージしたスモーキーな香り。これは、編集者である自分らしい香りだと思って使っている。
 

Text Takayasu Yamada

 
 
 

Photo Masayuki Nakaya (P156)
Taijun Hiramoto (P157-167)

Related article