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each color FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS

each color FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS

FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS
History and Message

個人が体得してきたサブカルチャーの 知識をカラーとして

 

T-Shirt ¥6000 by FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS (GIP-STORE)
異色な人、というのは変わり者を形容する言葉にも見られるように個性は色として考えられる。Media GuerrillaをテーマとするFORTY PERCENT AGAINST RIGHTS®は、直接的なメッセージを施したシルクスクリーンのアイテムがアイコニックだが、新作コレクションでは、また異なる表現方法でディレクター、西山徹のカラーが強く反映されている。
 

普遍的で強いメッセージから
ブランドははじまった

 
色について考えを巡らせてみると、視覚的に認知できる色彩として色覚的な事柄と、人間や文化など物事が持つカラーがあることに辿り着く。ブランドや、それをディレクションする人間が培ってきたものには、同様にキャラクターという色が宿る。FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS®(以下、FPAR)には、どのようなカラーがあるのかを、ブランドヒストリーを織り交ぜながら考えてみたい。

 

FPARが誕生したのは1993年のこと。自分たちで制作したコラージュなどのアートワークをシルクスクリーンでTシャツにプリントし、それを自分たちで着たい、というのがその興りでありDIYで運営されていた。この頃は、日本のストリートブランドのオリジン的存在の1つ、GOODENOUGHがスタートした時期。同ブランドの事務所に置かれていたMacを、玩具のように遊びながらグラフィッ クが制作されていった。実際に作られたのは新聞や雑誌などの文字を切り抜いて、コピー 機を使用しながらコラージュを組み上げていったデザインなどなど。FPARに携わる人間による遊びの延長としてTシャツが作られ、次第にショップにストックされることで明確にブランドとして活動することになる。1993年当時から現在も残っているデザイン=メッセージの1つが”MY LIFE IS MY LIFE”だ。このタイポグラフィは新作のプロダクトにも見ることができる。”MY LIFE IS MY LIFE”は、その文字通り、「人生は自分のもの」という実にシンプルなメッセージではあるが、見る人の年齢や自分が置かれている立場によって、意味が異なって響いてくる。もし、貴方が他者に干渉される日々を送っており、そのことを鬱陶しく感じているのであれば、”MY LIFE IS MY LIFE”は「オレの人生だ、放っておいてくれ」という風に聞こえてくるし、数多くの華々しいキャリアを持っている人が見れば「自分だけが人生の価値を決めることができるのだ」という真理として受け止めることができる。

 

真意はサブスクリプト的に シニカルなコンテンツとして

 

さて、ブランドが1993年に発足した3年後の1996年に、FPARは一旦の活動休止状態に入り、WTAPSとして活動が再開される。FPARがリスタートを切ったのは、13年後の2009年のこと。新たに”Media Guerrilla”というテーマをベースに再起動することになった。この段階では、ルーツであるシルクスクリーンに立ち戻り、Tシャツなどプリントできるものにメッセージを乗せて、それを媒介して自分たちのやっていきたいことを発信していくことを活動内容としていた。その顕著なメッセージが「負ける気がしない」を示す”NO WAY I AM GOING TO LOSE”だ。東日本大震災が起きた際にFPARが発信したものである。自らが思い考える事柄を言葉に変換し視覚化させるということ。そのメッセージは誰にとってもわかりやすく、気持ちを乗せることができるワードが選ばれた。これがリスタート時のFPARの在り方だ。さらに、月日は10年ほど過ぎ去って、2019年。現在、シルクスクリーンによるメッセージプロダクトはスポットアイテムとして特別に取り扱われている。インラインのコレクションにおいては、ディレクターである西山徹が自身の人生において得てきたサブカルチャーの雑学、及び、それに付帯するカルチャーがプロダクトに、随所に落とし込まれている。それもパッと見でわかるストレートな表現ではなく、幾つもの仕掛けを設けたうえで。例えば今季のコレクションの中に、瞳のない目が描かれた女性のグラフィックを配したウエアがある。このインスパイア源となっているのは1995年に公開されたSFホラー映画『光る眼』が挙げられる。ジョン・カーペンター監督による1960年に制作された映画『未知空間の恐怖/光る眼』のリメイク作であり、メタファーとして、目に見えない恐怖や、自身が抱える問題点に対する感情を視覚化している作品だ。その根源にあるのが、自らが影響を受けてきたサブカルチャーということだ。キービジュアルと合わせて体験したとき、見る人が見れば、その真意が紐解け、込められたサブスクリプトに到着することができるだ ろうし、そういったストーリー性に面白さが込められている。

 

個人が発する単一の色彩
色濃く表現される個性=色

 
ダイレクトなメッセージから暗喩的グラフィック表現へ変遷していったFPARの10年間。時代として振り返ると、巨大な存在としてSNSが台頭し、世界中の人々の生活に浸透した期間でもある。SNSとスマートフォンは価値観を大きく変え、今では、様々なことが許容されるようになってきた。情報は民主化され、ありとあらゆる人々が自らの今を発信できるようになった現代、容易に情報を共有し操り個性を発信できるようにもなった。だからこそ今の時代は、それまでに得てきた経験や知識が必要とされ、それこそが個性=カラーとなりクリエイションに活かされる時代ではないだろうか。FPARが西山徹という個人が蓄えてきた知識を投影したプロダクトを発信するのには、そうした背景がある。つまり、FPARの新作コレクションには、その全体を通して、西山徹の個性=カラーが確固たる形で表現されており、これまでのFPARの歴史を踏まえ、より一層の濃厚な色が示されているのだ。

Shirt ¥20000 by FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS (GIP-STORE)

 
 

All prices are tax excluded. GIP-STORE 03 5489 4040

 
 
 

Photo Kenta Sawada Text Ryo Tajima

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