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Daily Item in Travelling
Brendon Babenzien (NOAH)

Daily Item in Travelling
Brendon Babenzien (NOAH)

旅に日常を持ち込む

Brendon Babenzien
96年よりSupremeのクリエイティブディレクターとして活躍し、2015年より自身のブランド、NOAHをスタート。NY, ロンドン、LA、東京に店舗を構え、世界中を飛び回っている。

 
 

いつもの生活と変わらない旅の持ち物

年に10回も旅をするというノアのクリエイティブ ディレクター、ブレンドン・バベンジン(※以下ブレンドン)。彼は、ニューヨークのロングアイランド島で生まれ育ち、サーフィンやスケートなどをして遊ぶ、海が好きな少年だった。若干13歳の頃、サーフ&スケートショップのスタッフとしてキャリアをスタートさせ、15歳という若さでショップのバイヤーに。それから高校を卒業して大学を1年で中退。1996年にシュプリームに入社し、デザインディレクターとしてブランドを長年牽引。その後、2015年にノアを本格的にスタートさせた。幼少期から趣味と仕事が常に隣り合わせだった彼にとって、旅は特別なものじゃない。むしろ日常だ。だからバッグに入れる旅の持ち物やスタイルも、いつもの生活となんら変わらない。
 

世界中どこに行ってもいつもと同じスタイル

「旅のスタイルに、特別なことはないよ。世界中どこに行ってもいつもと同じスタイルなんだ。自分のストーリーにあったものを着ることがカッコいいと思うし、そういうものを作ってきたからね。だから、旅をする時に変わったスタイルを楽しもうという考えはなくて。ニューヨークで暮らす毎日も、東京に行く時もいつもの自分と変わらないんだ。今日持ってきた旅の持ち物もほとんどがノアのアイテム。ノアは自分そのものだからね。知らない土地や旅先で自分を表現するという意味でも欠かせない物なんだ。ノアのコンセプトは、Good Quality(品質の良い物)。それと今の環境や政治、音楽やカルチャーなど、自分が感じていることや体験したことをそのまま服に反映させてる。シュプリームを辞めてノアを立ち上げたのも、もっと小規模で自分にとって価値のある物、長く愛せる物を作りたいと思ったからさ。
 
80年代にステューシーやフレッシュジャイブなどが常識を覆して、いまのファッション業界にも凄く影響を与えているでしょ。でもその一方で、ストリートカルチャーの表面的な部分だけが皆に根付いてしまったっていう現実があるよね。スケーターはこうだとか、パンクはこういうファッションだよね、といった具合に。そうじゃなくて、マインドやアティテュード。環境への貢献や世の中のことを考えて行動に起こすことが、僕の中ではとてもパンクなことだと思うし意味のあることだと思う。
だからその考えを伝えるための道具として、ノアを始めたんだ」。
 

世界中どこへ行っても自分のありのままでいる。それが彼の旅のスタイルだ。また、ノアの服は思わずグラフィックに目がいってしまいがちだけど、環境にも配慮した品質を第一に考える。昨今では、マグロを大胆にプリントしたウエアが話題を呼んだがそれも単なるグラフィックではなく、魚市場が直面している環境問題にフォーカスしたメッセージだった。さらに、ノアの公式ウェブサイトには、ゴミのおよそ30%が梱包材という社会問題に対し「Our Packaging Sucks(俺たちの梱包は糞だ!)」と投稿した。そんな環境問題と向き合う姿勢も彼らしい“パンクなスタイル”だ。
 
そしてもう1つ。ザ・キュアーや、ユース・オブ・トゥデイとコラボレートして話題になったが、音楽は彼の旅にとって必需品。「僕の中で音楽は特別なもの。これまでの人生でいつも側にあったし、いろんなインスレーションを受けてきたからね。旅先でももちろん音楽は欠かせないよ。なかでもザ・キュアーは大好きで、ヴィンテージのTシャツを今回は東京に3枚持ってきたんだ。特に意識したわけではないんだけどね(笑)。ザ・キュアーはもちろん、どこの国に行っても聞く音楽は変わらないんだけど特に自分がティーンエイジャーの時に聞いていたパンクやニューウェイヴが多いかな。ビッグ・オーディオ・ダイナマイトや、マルコム・マクラーレンといった本当の意味でのパンク精神の宿る音楽。表面的なパンクじゃなくてね。イギリスとアイルランドが紛争を起こしていた時のトラディショナルなアイリッシュソングがあるんだけど知ってるかな?フルートを使ったりしてて、すごく気持ちのいい穏やかな曲なんだけど、歌詞は強烈にパンクなんだよね。社会や環境に対して強いメッセージがある。そういう意味でのパンクに惹かれるんだ。そんな音楽を旅先でも聞いていたいし、身につけていたい。自分が伝えたいメッセージのあるものを着るし、そのスタイルを世界中に発信していきたいんだ。あくまで自分が服を決める。服が自分を決めるんじゃない。それを皆にも伝えたいね」。

 

ココ・シャネルは、“流行りは色褪せるけど、スタイルは永遠”と主張し、エディ・スリマンは“ファッションは、今この瞬間であるべきだ”と唱えた。両極端とも捉えられるレジェンドのアイデンティティだが、その2つの考えを持ったブランドがノアであり、ブレンドンのスタイルフィロソフィーなのかもしれない。自分らしいスタイルのある旅とは、なにも着飾ったり、機能的なものを持って過ごすことが全てじゃない。
“いつもの自分と変わらないこと”。それもカッコイイ大人の旅スタイルだ。

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