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Creators’ Favorite Craft Items クリエイターが愛用する
モダンなクラフツアイテム

「現在の生活に根ざした上質なデザイン。それでいてクラフツマンシップがあるモノ」をテーマとした本号。この企画では、さまざまなジャンルで活躍するクリエイターたちに今回のテーマを独自に解釈してもらい、彼らが実際に愛用するモダンでクラフツマンシップがあるアイテムを紹介してもらう。一人一人の価値観やスタイルから見出されたアイテムは、彼らの日々を実に豊かにしている。だからこそ彼らの視点から何らかのアイディアを得て、自分自身が考えるモダンでクラフツマンシップあるものを手に取り、感性を刺激する時間を過ごしてほしい。

Creators’ Favorite Craft Items クリエイターが愛用する
モダンなクラフツアイテム

「現在の生活に根ざした上質なデザイン。それでいてクラフツマンシップがあるモノ」をテーマとした本号。この企画では、さまざまなジャンルで活躍するクリエイターたちに今回のテーマを独自に解釈してもらい、彼らが実際に愛用するモダンでクラフツマンシップがあるアイテムを紹介してもらう。一人一人の価値観やスタイルから見出されたアイテムは、彼らの日々を実に豊かにしている。だからこそ彼らの視点から何らかのアイディアを得て、自分自身が考えるモダンでクラフツマンシップあるものを手に取り、感性を刺激する時間を過ごしてほしい。

Suzani Jacket
吉田恵理子 (6ディレクター)

[Eriko Yoshida’s Own]

 

伝統とモダンさの間を担う存在

 
「ウズベキスタン、サマルカンド地方のスザニ刺繍の羽織りです。白のコットン地に天然染料を使った色糸(赤は茜、ビーツ、コチニールなど)で刺繍し、花嫁道具として作られるようです。スザニの中でもトラディショナルな、このコントラストがはっきりしたカラーリングがモダンに感じられます。袖下にはマチがあり、肩傾斜もあって着やすく、要所に入っているラインが伝統工芸的なウエアと現代的な要素の隙間を補っていると思います。この伝統の技にインスピレーションを受けたプロダクトは現代にも多く、実際に私もオリジナルのテキスタイルにしてカットパイルの手法で新たな解釈と形でアイテム化しています」。
 
 

Gold Necklace by Lauren Rubinski
小嶋智子 (スタイリスト)

[Tomoko Kojima’s Own]

 

次世代に引き継ぎたいデザイン

 
「フランス人デザイナー、ローレン・ルビンスキーが手がけるジュエリーです。50年代の大胆で華麗なジュエリーからインスピレーションを受け、金細工の技術を用いてイタリアでハンドメイドされています。14金の中を空洞にする職人技により、ボリューミーでありながら驚くほど軽量で、いくつもレイヤードすることができます。そのため体への負担が少なく、おばあちゃんになってもさらっとシックに身につけられるようなセクシーなファインジュエリーだと思います。そうやって次の世代にも引き継いでいくことが想像できたり、ドキドキさせてくれる美しさのあるデザインやプロダクトにこそ魅力を感じます」。
 
◯Lauren Rubinski
https://www.laurenrubinski.com
 
 

Cheese Knife by Carl Auböck
中原慎一郎 (Landscape Productsファウンダー)

[Shinichiro Nakahara’s Own]

 

ストーリーが垣間見えるプロダクト

 
「オーストリアを代表する工房、カール・オーボックがデザインしたチーズナイフです。弊社が運営するインテリアショップ・プレイマウンテンをオープンした当初に出会いました。実際に彼のウィーンにある工房を訪れたこともあり、それ以来の付き合いを続けています。もう15年以上はお客さんが来る際に使っていて、素朴な良さがあります。品がありながらも工芸的視点で作られたハンドメイドな温もりや、真鍮と籐の組み合わせが素晴らしいです。今もなおモダンに感じさせてくれます。このように人の手が加わった痕跡やデザイナーの葛藤、作られる工程での作業背景や歴史などいろいろなことが垣間見れるプロダクトに惹かれます」。
 
◯Carl Auböck
http://landscape-products.net
 
 

Japanese Sandals
中村圭佑 (DAIKEI MILLS主宰)

[Keisuke Nakamura’s Own]

 

既成の価値観を超えた布草履

 
「僕が自宅の部屋履きとして愛用している布草履です。昭島にある湯楽の里というスーパー銭湯のお土産コーナーで偶然見つけたのですが、踊るように編み込まれた色彩豊かで無方なさまに魅了されました。後々このアイテムについて調べていくと、『NPOかたくり』という武蔵村山市にある身体・知的・精神に障害を持った方々が一般就労を目的として生産的活動や創作活動を行う就労継続支援施設で作られたものでした。デザイナーや値段という価値観の領域を軽々と飛び越え、純粋に良いと思えるモノとして出会えたのです。僕にとってのモダンなクラフツマンシップとは、共通して『人間の機微』を感じられるものな気がします」。
 
 

Long Splitting Axe by GRANSFORS BRUKS
峯崎ノリテル (アートディレクター)

[Noriteru Minezaki’s Own]

 

使うごとに馴染むタフさ

 
「薪割りをするときに使っているスウェーデン製の斧、グレンスフォシュブルーク445です。同メーカーの手斧を友人から借りた時に使いやすく、自分は大型の斧を購入しました。美しいフォルムやデザインが扱いやすく、そして丈夫で長持ちすることが選んだ決め手です。一本一本が職人の手作りで、ヘッド部分に彼らのイニシャルが刻印されています。そのように仕事に誇りを持っている姿勢も素敵です。昔から道具は使いやすくタフで長持ちするものを選んでいますが、もし壊れたときには自分で直せるようにすると技術が身に付きますし、より自分に馴染んでオリジナリティも生まれてくる。それを可能とするためにも、伝統的な技術と機能するデザインが重要です」。
 
◯GRANSFORS BRUKS
https://www.gransforsbruk.com
 
 

Water Bottle & Mug by YETI
内田文郁 (FUMIKA_UCHIDAデザイナー)

[Fumika Uchida’s Own]

 

機能美の追求が普遍なモダンさに

 
「ロサンゼルスに行った際には必ず訪れるアウトドアショップアール・イー・アイで購入したイエティの水筒とマグです。マグは仕事場で水やコーヒーを入れて飲むことに使っています。水筒は外出するときやジムに行くときに持っていきます。仕事中は集中し始めるとあっという間に時間が経ちますし、出歩くときは気温の変化があるので、イエティの製品は水分の冷温を一定にキープできて重宝しています。保温性や機能性がとても高いのに、シンプルなデザインのプロダクトとして成立していることが今回のテーマに合っていると思います。一つの機能を追求したものづくりは、どの時代や分野でさえも敵わない不変のモダンさを備えているのではないでしょうか」。
 
◯YETI
https://aandf.co.jp/brands/yeti_coolers
 
 

Shirt by Keiji Kaneko
金子恵治 (L’ÉCHOPPEファウンダー)

[Keiji Kaneko’s Own]

 

理想を形にするセルフクラフツマンシップ

 
「『僕自身が着たいものを作る』をコンセプトに開発したシャツです。自分で着たいものを作るだけなので、ブランド名はありません。とにかく贅沢で着心地のいいものを作りたくて、生地の宝石と称される“カルロリーバ”のドレス用生地“ボイルコットン”を用いてあえてカジュアルライクに仕上げました。イタリアのシャツの伝統的技法を取り入れ、デザインはフランスやイギリスのドレスシャツのディティールを参考にしました。思えば、僕の一軍のワードローブや、普段バイイングするアイテムで意識している条件がモダンクラフツマンシップでした。でもモダンなアイテムで長く使えるものは世の中にとても少なくて。だからこそ、その希少性からも探す楽しみを感じています」。
 
◯L’ÉCHOPPE
https://lechoppe.jp
 
 

9 Holes Boots by JOHN LOBB
岩井良太 (AURALEEデザイナー)

[Ryota Iwai’s Own]

 

歴史と伝統を洗練させたモダンさ

 
「ストレートチップ9ホールブーツのジョン・ロブムーアです。上品だけど少し無骨な雰囲気があり、スラックスはもちろん、ボロボロのワークパンツにも合わせられるので気に入っています。グレインレザーかつライトウェイトソールが用いられ、多少の雨や傷さえ気にせず履けるタフさもあります。手の込んだ高価なものであっても、丁寧に手入れしながら普段使いをして経年変化を楽しめることが魅力です。当時のアーティスティックディレクターのパウラが手がけた木型は少し丸みがあって履きやすく、洗練されています。歴史と伝統、技術が積み重なったジョン・ロブに、モダンな空気感が吹き込まれた素敵なアイテムです」。
 
◯JOHN LOBB
https://www.johnlobb.com/ja_jp/
 
 
 

Photo Taijun Hiramoto Interview & Text Yutaro Okamoto

 

This article is included in

Silver N°13 Autumn 2021

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