Loading...
  • EN
  • JP

Creative Director / Takayuki Minami 01
Interview about “Time Less Design”

Creative Director / Takayuki Minami 01
Interview about “Time Less Design”

Designed by Dieter Rams
L to R
BRAUN Atelier Hi Fi Anlage A1,T1,C1, P1 Komplett
BRAUN L310 speaker ×2, BRAUN clock radio ABR 21, Kangaroo stand
BRAUN TC 40, BRAUN T580 transister radio, BRAUN TS3-81, BRAUN Atelier 1 + L1 speaker, BRAUN SK2
BRAUN CSV500, BRAUN SM1002 S ×2, Kangaroo stand
BRAUN station T1000
BRAUN L710, BRAUN H7

 

グッドデザインは、自ら語りかけてくる

グラフペーパー、フレッシュサービス、ヒビヤ セントラル マーケット、どのお店をディレクションしても、一貫して南貴之らしさがある。クリエイティブディレクターという肩書を持つ人物のなかでも、お店作り、空間作りを任せたらそれは一級品だ。彼は普段どんな視点で物事を捉えているのか。そこには、徹底した南ならではの哲学があった。

Minami’s Sight
Designed by Dieter Rams


 

もともとはファッションよりも  
アートやインテリアが好きだった

「僕はもともと絵描きになりたかったし、美大とかに行きたかったんです。だから今でもアートやインテリアに凄く興味があって。カンナビスにいた時から、加賀美賢さんをはじめいろんなアーティストと一緒にコラボさせてもらっていました。当時からアートイベントをやったりしていましたね」。
これまでも衣食住に関わる様々な活動をしてきた南。彼のバイイングやクリエイティブディレクターとして表現しているものは、所謂ファッション的というより、アート・建築的な印象を受けるのもストーリーを聞くと頷ける。実際に業界内でも、無類のアート・建築好きとして知られる人物。ファッション的な視点もありながら、別の角度から物事を捉える独創的なアイディアの根底には、一貫してミニマリズムの哲学があるという。
 
 

インテリアとしても魅力的な
ディーター・ラムスのデザイン

自身がプロデュースするヒビヤ セントラル マーケットでは、先日「南貴之の頭のなか展」が開催された。オランダ、ベルギー、ドイツなど4000kmを旅して集めた200点以上の家具や雑貨を展示・販売。そこで展示されたのは、マルセル・ブロイヤー、シャルロット・ペリアン、ヴェニーニなど、名だたるデザイナーたちの逸品が並んだ。なかでもこの旅で一番力を入れて探したのが、ドイツ出身でブラウンのデザイナーとして知られる、ディーター・ラムスの作品だ。
 
「ディーター・ラムスに関しては、ドイツの本国に行っても小さいものは見つかるのですが、大きいものは中々見つからないんですよ。それでも何とか集めたのが今回出した作品たちです。ディーター・ラムスは本当に昔から好きなデザイナーで、どこが魅力かというと、色の使い方や、彼が提唱する”Less, but better” (レスバッドベター)という哲学です。“より少なく、より良く”という考え方を提唱していて、より本質的な部分に集中した物作りに共感するんです。僕が何かやる時には、常にその考えがありますね。配置の仕方一つとっても一切無駄なことをしていないですよね。家電というよりはインテリアに近い感覚というか、極論使えなくても良いと思っています。もちろん、他にもインテリアや家電を作る好きなデザイナーは沢山いますが、そういう人たちの作品は音の質だとか別のポイントに惹かれて購入している感じです。ここにあるディーター・ラムスの作品は昔のデザインなので、音の質とかその辺は今の技術に比べると正直良くありません。でも僕はデザインとして、ディーター・ラムスのプロダクトが大好きなんです」。

 

本当に良いデザインは
表に意思表示されている

ディーター・ラムスと言えば、有名な話で独創的な哲学がある。その一つが、良いデザインの10の法則だ。この内容は、1.革新的 2.実用的 3.美しい 4.直感的 5.謙虚 6.誠実 7.長く愛される 8.細部まで極めている 9.環境に優しい 10.可能な限り削ぎ落とされたもの。良いデザインとは、一目見ただけで全てがわかる。そして、製品がデザインを通して語りかけてくるという哲学で、その考えは南の考えとリンクし、自身が手掛けるお店、グラフペーパーからもそれを感じることができる。
「もちろん僕がリコメンドする以上、何が良いか伝えたいっていう気持ちもありますが、それは感性の問題で、色々と説明するのは難しいんですよね。物事のある側面だけの話になってしまうし。実際、同じようなデザインがあったとして、そこにメッセージが込められたモノもあれば、全くメッセージのないモノもありますよね。そういう意味でも、僕は直感的にモノを選ぶタイプなんです。結局良いと思えるモノは表に出ていると思うんですよね、表に意思表示がされているというか。なので、僕が見て良いと思えるモノはファッションでもインテリアでもアートでも、3秒で決まります。それは、ビジネスでも趣味でも一貫して同じですね。道端で拾った石に興奮することもあるし、大金を積んで購入したモノに興奮することもある。それがたまたま自分にとっては価値のあるものだったっていうだけの話で。良いと思うものに優劣はなく、僕のなかで価値は一緒なんです。それは、グラフペーパーでやっていることと同じです」。

 
 

南貴之 alphaの代表。
クリエイティブディレクターとしても幅広く活躍。食・本・衣服等が揃ったヒビヤ セントラル マーケットを2018年にプロデュース。そこでは、小さな街のような複合型施設として、毎日賑わいをみせている。

Related article