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BYREDO / Ben Gorham 14 Interview about “Creative Inspiration”

BYREDO / Ben Gorham 14 Interview about “Creative Inspiration”

独創的な香りを生み出す、インスピレーション源
特別な時間へと導く
フレグランスの魅力

2006年、ストックホルム。フレグランスブランドとして産声をあげたBYREDO(バイレード)。独創的な香りやボトルデザインの美しさがクリエイティブ感度の高い人々に受け、今では世界中の有力セレクトショップでも取り扱われるほどに成長した。またプロダクトの展開も、フレグランスのみならず、バッグやアイウェアなどファッションアイテムを積極的に製作し、ライフスタイルブランドへと幅を広げたバイレード。ディレクターであるベン・ゴーラムに独創的な香りを生み出すインスピレーション源やベン自身が日々身につけ、今回の来日時にも持ち歩くプロダクトを紹介してもらった。
 
バイレードのフレグランスは、ベンが過去に体験した記憶、旅先での経験など様々な文化や人々との触れ合いにより生まれる。「人、旅、歴史……、私のクリエイティブにおけるインスピレーションは色々とあるけれど、最も大切にしているのは自分自身の記憶。たくさんの人々や行った場所、過去の記憶が自分の中で蘇った時や誰かが僕の記憶に対して共感を抱いてくれると感じた時にフレグランスを作りたいと思うんだ。フレグランスは、特別な時間へと導いてくれる力がある。だから僕自身のパーソナルなストーリーをフレグランスに表現して、自分の記憶や人々、場所との関係性を築きたいと思って作っているんだ」。
 
 

つける人によって変わる
香りのイメージを楽しむ

ベンのパーソナルな追体験が基軸となって表現されるフレグランスだが、それを身につける人々には、また新たなストーリーを感じ取ってほしいとも語る。香りというのは単に嗅覚で感じただけのものではなく、イメージが人によって変わるからだ。例えば、薔薇の香りがあるとして、人によっては幼い頃のノスタルジックな思い出が蘇るかもしれないし、プロポーズした日のことを思い出す人もいるだろう。「僕はアイディアを作って、完成したフレグランスに名前をつける。そうすれば、着ける人は香りや私のアイディアをどう自身と関係性を築きあげられるかを考えてくれるからね。例えば、私があなたに“車”と書いてあるフレグランスを見せたとしても、あなたがその香りを嗅いで電車だと思えば、それは電車のフレグランスになるんだよ。その香りは自分にとってどういう意味を持っているのかを考えてもらえると嬉しいと思う」。嗅覚や視覚など感覚には、何かほかのものを連想させる繋がりがある。それを大事にベンはフレグランスを作っているのだ。
 
 

信頼する調香師への
香りのイメージ共有

ベンは、フレグランスを作るうえでアイディアを調香師やプロダクト製作に関わる様々なスタッフに香りのイメージを伝える。その表現方法は、写真や映画、音楽、詩、自然、物を見せる時もあれば、文章で伝える時もあるという。「過去にサウジアラビアへ行った時、ラクダの皮で作られたボトルに出会った。そのボトルは、100年以上前にフレグランスをろ過する為に使われていたもの。とてもユニークで独特な香りがしたんだ。それに魅了されて持ち帰り、イメージに使ったこともある。ほかには、フランスの詩人、シャルル・ボードレールのダークな詩にインスピレーションを受けて、“BAUDELAIRE”というフレグランスを作ったこともある。様々な方法でイメージを表現しているよ」。そうして、ベンを中心にバイレードのプロダクト製作に関わるスタッフたちにイメージが共有されていく。バッグなどの革製品、フレグランスなどのビューティー関連とそれぞれ専門のチームによってプロダクトは作られる。だが、フレグランスは必ず同じ調香師と仕事をしているようだ。「自分のアイディアを理解してもらうには、お互いの信頼や経験が必要。新しい人とやるには、一から関係性を築きあげてやっと私が何をやりたいか理解してもらわなければいけないからね」。
 
 

バッグやウエアなどの
プロダクトを作る理由

冒頭でも記述したように、近年はフレグランスのほかにもバッグやホームアクセサリー、衣類、靴などのアイテムも手がけるようになったバイレード。来日に合わせ取材した当日も、バイレードのバッグや小物入れなどレザーアイテムを自身で身につけていた。こうしたプロダクトは、どういう思いでベンは作っているのか。「プロダクト作りの感情としてはフレグランスもバッグも一緒。フレグランスと同じで、身につけられるとても親密なものだからね。バッグにレザーを使おうと思った理由は、なぜなら僕はレザーという素材が大好きだから。レザーは時代を超越した素材。フレグランスとレザーには歴史的な関係性がある。フレグランスを初めて使ったのは、フランスのグローブ職人なんだ。昔のグローブ職人たちは、良い香りをグローブにまとわせる為にフレグランスを使っていた。だから、レザーとフレグランスには歴史的な繋がりがあるんだ。その事実に注目していたからレザーでバッグを作るのが良いと思ったよ」。
 
インド人の母親を持ち、カナダ人の父親を持つベン。スウェーデンで生まれ、カナダで育ち、NYやヨーロッパ中に住み旅をしてきた。「自分は何かに例えるとスポンジなんだ。僕はカルチャーを色々な方法で吸収することができる。だから僕は常にオープンなマインドを持っていて、新しい環境にもすぐに馴染むことができるんだ。沢山のカルチャーを持っている僕だからこそすべてを取り入れて、自分のクリエイションにアウトプットしたいと思っているよ。そのコンビネーションがユニークなものを作り出すんだ。旅をすることやカルチャーはとても刺激を与えてくれる。想像のできない出会いがあるからね。たとえ今回、東京に短い期間しか滞在できなかったとしても、東京も常に素敵なインスピレーションを得ることができる場所なんだ。東京で特に好きな場所は東急ハンズ。それと、とんき(目黒のとんかつ屋)。大都市で常に新たな出会いがあり、老若男女様々な活動をしている。東京はまるでたくさんの小さなポケットがあるような街だね。私のほとんどの旅は、短い期間での滞在だから、長い期間滞在してもっとその国を理解したいと思っている」。様々な国やカルチャーを経験し、インプットしてきたベンだからこそ感じられるインスピレーションや表現があるようだ。これからも、様々なカルチャーとベンの感性が融合し新たなプロダクトを生み出していくことだろう。

Ben Gorham’s Personal Belongings

Business Card Holder by BYREDO

ヘビ皮を使用したバイレードの名刺ケース。レザーアイテムの配色選びに関しても、フレグランスと同様にベンの感情が表現される。

Vintage Eyewear by Jean Paul Gaultier

ジャンポールゴルチェのサングラスは、90年代のヴィンテージ。バイレードでもサングラスを製作しているが、日本製にこだわる。

Cap by Dr. Woo

細かく複雑な作風で知られるLA在住のタトゥーアーティストDr.Wooが製作したキャップは、友人でもあるという本人からの贈り物。

 

Air Jordan 1 by Nike

プロのバスケットボールプレイヤーだったベン。そんなベンの人生を象徴する1足だ。7歳の頃からエアジョーダン1と一緒だった。

Best Coast Travel Bag 24h by BYREDO

旅を多くするベンらしく、旅行用のバッグが多いバイレード。こちらは、肩に掛けられる容量の多いバッグである。

Parka by Gallery Dept

HTCやRRLで経験を積んだデザイナーによるブランドのパーカ。40歳を過ぎた今でもパーカは自分にとってユニフォームだという。

 

Anatomic Belt Bag by BYREDO

首からかけたり、腰に巻いたりと使えるバッグ。財布やパスポート、スマートフォンなど貴重品を入れるのに最適なサイズだ。

Neckless by BYREDO × Charlotte Chesnais

ジュエリーブランド、シャルロット シェネとコラボレーションし製作したネックレス。ゴールドにダイヤモンドが散りばめらている。

Vintage Rolex Daytona REF.6263

腕時計好きなベンがその日身につけていた1本。繊細な技術と複雑な構造を持つ腕時計は、自信のクリエイティブと通ずるようだ。

 
 

ベン ゴーラム
BYREDOの創立者にしてディレクター。幼少期から様々な国を転々とし、元プロのバスケットボール選手という経験も持つ。

 
 
 

Photo Tomoaki Shimoyama Interview Shunya Watanabe
Text Takayasu Yamada

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