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Books & Travel with 11 Creators

Books & Travel with 11 Creators

旅を共にしたい本

日頃気づかなかったことに気づいたり、新たなことをする勇気が湧いたり。旅とはいつもの生活から離れるだけではなく、自分と向きあう貴重な時間でもある。そして、本はそんな時をより豊かに過ごすための手助けをしてくれる。旅と本は昔からとても近い関係なのだ。日頃から世界を飛び回る11人のクリエ イターたちが選んだ、非日常の旅先の相棒たち。彼らの旅に、そして彼らの人生に彩りを 添えたそれぞれの1 冊を紹介しよう。

Selected by 内田文郁(FUMIKA_UCHIDA デザイナー)
自分を信じる強さを教えてくれる

「2017年からルックのモデルをお願いしている佐藤仁美さんに初めて会ったとき持っていたのがこの本でした。“人は自分の運命よりも他人がどう思うかという方がもっと大切になってしまい、全てを諦めてしまう”という一節が胸にささりました。この本は夢を持ち、自分を信じ続ける事の強さを教え、振り返らせてくれます。読んでいると、まだ行ったことのない知らない土地へ旅に行きたくな ります」。
『アルケミスト 夢を旅した少年』 パウロ・コエーリョ

Selected by 小林節正(マウンテンリサーチ主宰者)
監獄に入るときにも持っていきたい

「アメリカの元祖ネイチャー作家が謳う“悪い法に従うな、自分の良心に応えよ”とアジテーションするアナーキーな精神が詰まっている本。作者のソローは長野に棲む作家、田渕義雄さんのエッセイで頻繁に登場する人物。気になり調べていく中で出会った本です。 調べていく中で出会った本です。 山奥のテントでも長距離列車の中でも、もし監獄に入るときにも持っていきたい。過去、ほとんどの旅や出張には、時代ごとで異なる訳者、出版社のものを持って出かけています」。
『市民的不服従』 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

Selected by 石井孝之(タカ・イシイギャラリー 代表)
冒険写真家の文章が心に響く

「旅をしながら過酷な自然に生きる人間や動植物を撮影し、文章に収めた本。冒険写真家の星野道夫さんが書く文はとても心に響き、 オーロラのダンスを見た時に書かれた“人はいつも無意識のうちに、自分の心を通して風景を見る。オーロラの不思議な光が語りかけてくるのは、それを見つめる者の、内なる心の風景の中にあるのだろう“という一節は特に好きです。ヨーロッパ便の機内で、ユー ラシア大陸をたまに眺めながら読むのが格別です」。
『長い旅の途上』 星野道夫

Selected by 峯崎ノリテル(アートディレクター)
1 篇読めば余韻を楽しめる

「アーティストの角田純さんがペソアの詩から言葉を引用し描いた 作品があるのですが、“書”と“言葉”が相まってすごく強く心に響きました。それがペソアを知ったきっかけです。以前は旅にたくさん本を持っていって、出会った人にあげたりしていたんですが、詩集は1 篇読めば余韻を楽しめるので、1 冊でも長く読めるのでいい んですよね。最近ではアラスカへ行ったときに読みましたが、ペソアの故郷でもあるポルトガルで読んでみたいです」。
『海外詩文庫 ペソア詩集』 フェルナンド・ペソア

Selected by 三宅陽子(スタイリスト)
数字を違う角度で感じられる本

「旅では日常を違う角度で感じられたり、考えるきっかけを与えてくれる本を読みたいと思っていますが、この本では、数字という社 会的にはっきりしたものが、実は個々の印象的なものであることが描かれています。理解できているようで実際に理解しきれていないことへのもどかしさと美しさが、人類の数千年の歴史と文化ととも に数字を通してアナライズされる心理的な背景がとても面白いで す。昨年末購入し、北海道への旅で読みました」。
『数学する身体」 森田真生

 

Selected by YOSHIROTTEN(グラフィックアーティスト)
宇宙を旅しているような感覚になる

「10年近く前からSF文庫本やUFO本などを集める中で、アシモフ の小説やエッセイに出会いました。短編集であるこの本はカバーと タイトルに惹きつけられたのですが、とある惑星がたった一夜にして消えてしまう話です。3 年ほど前、アメリカの砂漠地帯に突如現 れるメディテーション施設を訪れた帰りの飛行機で、非現実の世界 が描かれたこの本を読みましたが、まるで宇宙の惑星を旅しているような感覚になったのを覚えています」。
『夜来たる』 アイザック・アシモフ

Selected by 平田春果(アーティスト、Big Love Records ファウンダー、GR8 PR)
頭を整理する精神安定剤的な 1 冊

「“点、線、面”というアートに欠かせない三要素について、分かりやすく解説しているロシア出身の抽象画家カンディンスキーの1922 年の著作です。いけばな作品を創造するにあたり、アートについて 勉強したくて購入しました。先日もベルリンでいけばなの展示をする際に持参しました。機内や現地で緊張を感じたら、この本を開き、頭の中を整理します。紙の上の文字を追うことは、精神安定剤と同等の効果を得られるように思います」。
『点と線から面へ』 ヴァシリー・カンディンスキー

Selected by W. David Marx(『AMETORA』の著者)
“電車だけの旅のロマン”を

「ヨーロッパからアジアまで電車だけで行く旅をしていた作者の記録。旅に関する本として最高です。日本の新幹線も登場します。 70 年代の“変態日本”について語っている部分もあり、歴史的な資料としても面白い。僕は“電車だけの旅のロマン”をいつも考えているので、この本の存在を知った時から必ず手に入れたいと思っていました。神保町で200円で見つけましたね。いつかシベリア鉄 道に乗りながら読みたいと思っています」。
『The Great Railway Bazaar』 Paul Theroux

Selected by 土井地博(ビームス コミュニケーションディ レクター)
素晴らしいアートがある街で読みたい

「Wonderwallの片山正通さんに勧めていただいたのがきっかけでこの本を知りました。最近改めて世界中のそれぞれの土地の歴史や生まれた文化について、建築や食、そしてアートで感じることが多かったので、とても勉強になりましたね。先日はベトナムへの旅に持って行ってのんびり読んでいたのですが、素晴らしいアートがあるニューヨークやロンドン、パリやバルセロナなどでも読んでみたいと思っています」。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における 「アート」と「サイエンス」』 山口 周

Selected by エドストローム淑子(エドストロームオフィス ダイレクター)
主人公の独自性に影響を受ける

「子供のころ、『トム・ソーヤの冒険』の続編として読み始めたのがきっかけです。宗教観、人種問題、政治などが多彩に盛り込まれていて、未だに何度読んでも複雑な気持ちになります。でも一番の魅力は一般常識にとらわれない主人公の独自性。その独自性はわがままではなく、自分のマナーを守りながら生きる絶妙なバランス感に影響を受けます。国内外問わずどこでも楽しめる本だと思います。最近はイギリスへの旅にこの本を持って行きました」。
『The Adventures of Huckleberry Finn』 Mark Twain

Selected by 千葉琢也(Silver 編集長)
旅の移動時に自分を確認する本

「ファッションの仕事に関わる上で、本当のオシャレとは何かを常 に考えていますが、最終的には生活、生き方に“粋”や“センス”が あることだという答えに行きつきます。無駄な贅沢をせず、人に迷惑をかけることなく、気持ち良く生きること。見た目の豊かさでは なく、精神の豊かさを大切にすること。そんな男の基本を教えてくれる本です。旅の移動時間はいつも自分を振り返る時間なのです が、その時に自分の生き方を確認する本の 1 つです」。
『男の作法』 池波正太郎

 
 
 

Interview & Text Satoru Komura

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