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ART Playbill Art
Raymond Pettibon Born in 1957 in Tucson, Arizona
Artistic Style: Paintings with words depicted in ink on paper
Known for artworks of Black Flag’s album covers and iconic playbills
Currently based in NY

ART Playbill Art
Raymond Pettibon Born in 1957 in Tucson, Arizona
Artistic Style: Paintings with words depicted in ink on paper
Known for artworks of Black Flag’s album covers and iconic playbills
Currently based in NY

A: Black Flag Playbill   B: Black Flag Handbill  C: Circle Jerks Playbill
アートと音楽、ファッションを繋げたアーティスト
アートとハードコアパンクカルチャーを繋ぎ合わせたアーティスト、レイモンド・ペティボン。コミックやB級映画などからインスピレーションを得たキャラクターを描き、文学的な言葉を添えた作品が彼の有名な作風であろう。彼や作品を知らない人でも、BlackFlag(ブラック・フラッグ)のロゴである4本の黒いバーを並べたデザイン“Four Bars”やSonic Youth(ソニック・ユース)の名アルバム『GOO』のジャケットは誰しもが目にしたことがあるのではないか。

 

1976年に南カリフォルニアでレイモンドの兄であるグレッグ・ギンを中心に結成したハードコアバンド、ブラック・フラッグ。レイモンド自身も初期にはベースとして参加。その後すぐ脱退し、アートの道へ。当時ロンドンのパンクムーブメントの影響もあり、アメリカならではの粗削りなサウンドを打ち出したブラック・フラッグは、パンクキッズやスケーターたちを魅了。ハードコアシーンを築いたバンドとなり、その後のソニック・ユースやニルヴァーナなどグランジムーブメントへの火付け役となる。そんな伝説的バンドのアートワークを担ったレイモンドは、今なお多数のアーティストやクリエイターからも支持を集める。今年1月に発表されたディオールの2019-20 AWメンズコレクションでは、コレクションの為に描かれたレイモンドのドローイングを使用した服が多数登場。過去にはシュプリームもアートワークを起用し、服やスケートデッキを発売するなど時代を越えてファッションシーンでも注目され続けている。
 
今回、左ページで掲載しているペティボンが製作した、ブラック・フラッグやCircle Jerks(サークル・ジャークス)のフライヤーやチケットの原画は、ブラック・フラッグの初代ヴォーカリストであり、後のサークル・ジャークス、現在ではOFF!でヴォーカルとして活動するハードコア界の生きる伝説、キース・モリスが所有する原画を拝借した。キースがレイモンドについて語ってくれたコメントもここに一部抜粋したい。「当時のレコジャケやフライヤーなどの広告に使用されていたアートワークは、金じゃなく、そのバンドが好きだという理由でアーティストは作っていたんだ。金銭的な対価はほとんど得られることはなかった。ライブの時には、ゲストリストに載せてやるし、バッグステージで一緒にビールでも飲んでいけ!って感じで。レイモンドのことは、彼と兄貴のグレッグ、双子のEricaが俺と同じ高校に通っていたことから知り合った。グレッグと一緒に、“Panic!”というバンドを始めて、その後ブラック・フラッグに改名。ブラック・フラッグというバンド名を思いついたのもレイモンドなんだ。レイモンドがブラック・フラッグの初代ベーシストに採用されてから、彼は独学でベースを覚えた。でも彼が固定メンバーになるのを望んでいないことは明確だったね。常に絵を描いていたし、彼自身が製作していたアートを見てもそれは明らかだった。我々が使用していた彼の作品はすべて、それ以前に彼が描き溜めていたものばかりで、その作品の束から使えるものを探して良いということになっていた。“Four Bars”のロゴを考えたのもレイモンドなんだ」。
 
現在では、世界でも屈指の影響力の高さを持つギャラリー“David Zwirner”(デイヴィッド・ツヴィルナー)などでも展覧会が開かれるなど、アメリカを代表する現代アーティストの1人として数えられ、現代アートの世界に、ドローイングというカテゴリーを確立したとも言われるレイモンド。現在61歳の彼が生み出す今後の作品も楽しみだが、過去に手がけた左ページ画像のような過去の作品を触れられるイベントが今年3月末に開催も控えているので、ここで紹介しておきたい。キース・モリスが手がけるTシャツブランド“IMAGE CLUB LIMITED”の新作を展開するポップアップイベントが、3月29日(金)ジャーナル スタンダード 表参道にて、翌日の30日(土)には代官山のWaiting Яoomで開始される。どちらの店舗でも、キースが所有するブラック・フラッグやサークル・ジャークス時代のビラやバックステージパス、写真などのアーカイブコレクションを観ることができるギャラリースペースを併設。そしてそれぞれ初日はキースがお店でDJをするというローンチパーティーも開催されるのだ。ペティボンの原画ほか、バンドにまつわる貴重なコレクションを間近で観ながら、キースに当時のことやペティボンのことを聞くなんてチャンスも? アートと音楽、ファッションを繋げたレイモンド。彼の貴重なアーカイブは、今後直接観ることは難しいだろうから、この機会に観ておきたい。

 

レイモンド・ペティボン
1957年アリゾナ生まれ。カリフォルニアで育ち、兄のグレッグ・ギンのバンド“Black Flag”で使用したアートワークが評価され、多数のバンドのアルバムやフライヤーなどのドローイングを手がけてきた。
www.raypettibon.com

 
 
 

Photo Taijun Hiramoto
Text Takayasu Yamada

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