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Alec Leach (@future__dust) Think about the Future Fashion
サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える

サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える
時を超えて持ち続けられる服、一期一会のTシャツ、ヴィンテージウォッチの価値、時間が生み出すアートなど過去から現在へと続く時間のタームの中で考えを深めてきたが、ここからは未来に目を向けてみたい。革新的な技術が次々と発明され、どんどん便利になっていく世の中で、我々のファッションはどのように変わっていくのか、いや変わっていくべきなのか。そしてその中で抱える問題とは何なのか。識者2名に話を聞いた。キーワードは“サステナビリティ”と“テクノロジー”。資本主義的な大量消費の時代を経て、自己を主張するためのファッションにおいても、環境を含めた我々のライフスタイルをしっかり考える時が来ている。

Alec Leach (@future__dust) Think about the Future Fashion
サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える

サステナビリティとテクノロジーから未来のファッションを考える
時を超えて持ち続けられる服、一期一会のTシャツ、ヴィンテージウォッチの価値、時間が生み出すアートなど過去から現在へと続く時間のタームの中で考えを深めてきたが、ここからは未来に目を向けてみたい。革新的な技術が次々と発明され、どんどん便利になっていく世の中で、我々のファッションはどのように変わっていくのか、いや変わっていくべきなのか。そしてその中で抱える問題とは何なのか。識者2名に話を聞いた。キーワードは“サステナビリティ”と“テクノロジー”。資本主義的な大量消費の時代を経て、自己を主張するためのファッションにおいても、環境を含めた我々のライフスタイルをしっかり考える時が来ている。

Left ストーリー MFGのオーガニック綿がインドの工場で染められている様子。インディゴ(青)やスオウ木(ピンク)などの自然な原料で生地を染めることで、通常排出される化学物質の反環境的影響を防げる。自然素材を使って作られる為、ストーリー MFGの服は鮮やかな色で光っている。
Photo Story MFG
 
Right Story MFG SS20ルックブックで公開されたモデルカット。左の写真で紹介した生地は最終的にこの「エーデンシャツドレス」となった。
Photo Hollie Fernando

 
 

未来のために行動している
ブランドはいくつもある

明日から政府が新たな規制を確立することは現実的ではないが、より良い未来のために行動を始めているブランドはいくつもある。特にリーチがピックアップしたのが「ストーリー MFG」、「マリン セール」、「ボーディ」の3ブランドだ。「彼らは今まで見たことない運営方法を進行しています。例えばストーリー MFGは、服の製造方法についてすべてを公開しています。ブランド自身が完璧ではないことを認めているのはいい目印だと思います」。UKベースのストーリー MFGは植物や野菜で染めたオーガニックファイバーを、モダンなワークウエアのシルエットに仕上げている。
革新に満ちている現在の最先端技術が地球や人類にベストとは限らない。以前不可能だったことが可能となるのは確かだが、どこかで害が発生するのも確か。その中でストーリー MFGは昔らしい作り方で、未来のファッションを築いている。
 
2017年に25歳の若さでLVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZEを受賞したマリンセールも昔と向き合いながら未来へ進むブランドの1つだ。「彼女がやっているアップサイクルの要素は本当に特別でユニークなものであり、職人の技が関わっているのもポイントです」。19世紀クチュールと現代スポーツウエア、15世紀オランダの描画と現代スポーツウエアなどを組み合わせ、着やすいモダンなコレクションを古着屋で見つけ出した生地で新たなデザインとして蘇らせているマリン セール。定番のムーンプリントデニムは、ゴミと思われた生地にレーザープリントが施すことで、新たな価値を生み出している。ゆくゆくは過去のシーズンのアイテムをお客さんから引き取って新たなコレクションを作りたいと語っているという。ブランドから購入者、そして再びブランドへとループする商品サイクルを思い描いているのだ。新たな生地を作らないため、害も少ないリサイクルファッションとも言える。
 
同じ様にヴィンテージ生地を使うボーディはまた違ったアプローチでサステナビリティと向き合っている。デザイナーのエミリー・ボーディは世界中の生地に詰まっている歴史やストーリーをハントし、その生地で服を作ることで新たなストーリーを描いている。一から生地を作らないため、ボーディの生産プロセスから出る廃棄物も少ない。そして、職人の技で唯一無二のものを作ることで長持ちするものを消費者に与えている。これらのデザイナーの様に、これからのファッションは昔の技、生地、マインドを勉強してモダン化させることで前へ進むのかも知れない。
 
ブティック系のブランドが全てとは限らない。リーチにとってパタゴニアは大企業の一つのリーダーであるという。素材の仕入れ先やアイテムの生産先を公表しているほか、生地のほとんどはリサイクル素材を使用し、お客様に修理サービスを提供している。とにかく高品質なものを作り、長く使えるようにシステムを構築している。その他、マラ ホフマン、マギー マリリン、ヴェジャは大きい会社でありながら、サステナブルな運営方法は可能だと証明している。マラ ホフマンは再生素材を使い、透明性を大切にしているし、マギー マリリンも生産先や生産プロセスを公表している。ヴェジャはヴィーガンレザーやリサイクルペットボトルを使ってスニーカーを作り、生地の仕入れ先、工場労働者の給料、生産に使われているケミカルまで公表している。「彼らは従来のファッションブランドとして運営されていて、大きな小売ネットワークを持って、シーズンごとのコレクションを出している。そんな彼らが可能な限り責任を持って生産している。これは重要なことだと思います」。
 
 

西洋は日本から教わるべき

ファッションのファンもサステナブルな未来に大きな役割を担っている。「環境的影響を考えると私たちは買う行為を少なく、より良く、長く使うことを考えて行動するべきです」。日本から学ぶことも多いという。「日本人は服に対してのリスペクトが高くて、古着でも高品質のものを見つけることが多いですよね。“買う行為を少なく、より良く”の視点から見ると西洋は日本から教わるべきかもしれません」。服を直して着たり、着物を次世代へ受け継いで行く文化から生まれる日本ならではの時間と服へのリスペクトを今こそ我々も振り返るべき時なのだ。

ファッションの未来はサステナブルな方向に進めば明るくなる。何を持ってサステナブルなのか、その定義については様々なので難しいが、少なくとも買いたいシャツがどこで生産され、どの生地で作られているかを考えて行動すれば、今までよりは良い方向に進むことだろう。ファッションの未来は我々にかかっている!

Left ストーリー MFGのオーガニック綿がインドの工場で染められている様子。インディゴ(青)やスオウ木(ピンク)などの自然な原料で生地を染めることで、通常排出される化学物質の反環境的影響を防げる。自然素材を使って作られる為、ストーリー MFGの服は鮮やかな色で光っている。
Photo Story MFG
 
Right Story MFG SS20ルックブックで公開されたモデルカット。左の写真で紹介した生地は最終的にこの「エーデンシャツドレス」となった。
Photo Hollie Fernando

 
 

ALEC LEACH
インスタグラムアカウント@future__dustキュレーター、サステナビリティ・コンサルタント、元HIGHSNOBIETYデジタルファッション編集者。ファッション業界の抱える問題について、サステナビリティという視点から発信を行い続ける。

 
 
 

Interview & Text Mikuto Murayama Satoru Komura

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